【インタビュー】shallm、自ら作詞作曲を手掛ける18歳のバンドプロジェクトがデビュー「やっぱりバンドって楽しい!」
■今言ってもらうまで全然忘れてました
■“♪忘れないで”って歌詞なのに!
──ソロのシンガーソングライターではなく、バンド“shallm”のボーカリストliaとして歌うという現在のスタイルに行き着いた理由を教えてください。
lia:バンド、カッコいいから好きなんですよ。それに、“とにかく曲を聴いてほしい”という気持ちが強いので、私個人を前面に出すよりも、バンドのほうが性に合っているというのもあります。
──shallmをどんなバンドにしていきたいと思っていますか?
lia:私自身、好きな曲がすぐに変わるので、さまざまなジャンルの曲をやれるバンドになりたいですね。
──確かに、これまでにリリースされた3曲もすべて毛色の異なる曲でしたね。まず、今年3月にリリースされたshallm初の楽曲「夢幻ホログラム」は、未来へ進む気持ちを歌った、疾走感溢れるギターロックでした。“くじけそうな一瞬も忘れないで”という歌詞には少しの不安が表れていますね。
lia:私って、定期的に挫けそうになっては戻ってくるんです(笑)。この時は何に挫けそうになっていたんだろう……。
マネージャー:確か、「私はこのままで大丈夫なんだろうか?」って言ってましたよね。
lia:そうでした、懐かしいです! この曲を作ったのは高校卒業する前の時期で、友達が受験とかで頑張っている頃だったんですよ。私は周りの人に進路の話をしていなかったので、友達から「本当に大丈夫なの?」ってすごく心配されて。曲を作っていた当時はまだデビュー前だから先が見えない感じもあって、“どうしよう…私、大丈夫じゃないかも”って気持ちがありました。…だけど、今言ってもらうまで全然忘れてました。“♪忘れないで”って歌詞なのに!
──(笑)。そして今年5月に配信リリースされた「短夜の星」は繊細なミディアムバラードでした。
lia:この曲を作った時期は、ある出来事があって傷心中だったので、米津さんの「アイネクライネ」が沁みたんですよ。“だったら「アイネクライネ」のような曲を自分でも作ろう”と思いながら、書き始めた曲でした。
──傷心中に歌詞を書くのはつらくありませんでしたか?
lia:自分のその時の気持ちは覚えておいたほうがいいなと思いまして。私は感情がうわ!ってなった時にメモに残すようにしていて、そこから曲を書くことが多いんですけど。その時々の感情を曲にすることによって、あとから“あんなこともあったね”と、良かった思い出として振り返れるんじゃないかと思っています。
──悲しみや怒りのような、ネガティヴな感情でも?
lia:そうですね。“なにくそー!”って思いながら書いた曲でも、あとで聴いたときに、“だけど今はすごくいいじゃん!”って思えればいいかなって(笑)。ポジティヴでいるために言葉にして出しているみたいなところがあるのかもしれません。
──そしてこのたび、メジャーデビュー曲「センチメンタル☆ラッキーガール」が完成しました。かなりポップな曲ですね。
lia:楽しい曲にしたいなと思いまして、サウンドプロデューサーのItaiさんにはポップなアレンジにしてもらいました。
──「センチメンタル☆ラッキーガール」はドラマ『女子高生、僧になる。』のオープニング主題歌でもあります。主題歌を作ってほしいというオファーをもらったとき、どう思いましたか?
lia:“え~、本当に!?”って。“もう絶対に頑張ろう”と思いました!
──ドラマの映像を観たり、台本を読んだりするなかでどのようなことを感じましたか?
lia:とても面白くて、最強なドラマだなと。ドラマが面白かったので、“早く曲を作りたい!”と思ったくらいです。あと、主演の畑芽育さんが可愛すぎる。畑芽育さんが演じる主人公の女子高生・麦ちゃんは元アイドルオタクで、高校3年間を推し活に捧げていたんですよ。麦ちゃんはおじいちゃんのお寺を継ぐことになって、新しく住職になった幼馴染のことを推し始めるんですけど、その様子がもはや恋だなって。だから片想いの曲にしようと思いました。“僧になる”なので、歌詞の中に“諸行無常”とか“神も仏も”という言葉を入れてみました。
──ボーカルのメロディはかなり細かく動いていますね。
lia:そうですね、歌うのが大変です(笑)!
──このメロディにハマる歌詞を考えるのも大変だったのでは?
lia:そうなんですよ。いろいろな選択肢があるなかで“どんな言葉がいいだろう?”ってたくさん悩んで。意味的にもリズム的にもぴったりな、“総合優勝!”って感じの言葉を選んでいって、最終的にこの歌詞に決定しました。
──片思い中だけど一歩踏み出せない人の背中を押してくれるような、エールソングになっていますね。“♪押せない送信” “♪言えない行間”といった歌詞に共感する人も多いんじゃないかと思います。
lia:そうなると嬉しいです。
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