【インタビュー】BAND-MAID、アメリカ/メキシコ・ツアーを終え夢の横アリへ「またさらに強くなった」
■「日本から来たぞ! 日本のバンドの底力を見せてやるぞ!」みたいな
──その北米ツアーについても訊かせてください。8月4日、<LOLLAPALOOZA>でのパフォーマンスについては配信映像を見ましたが、皆さんすごくまぶしそうにしていましたね。
小鳩ミク:暑かったですっぽー! 今まで出てきたフェスの中で、いろんな意味でいちばん暑かったし熱かったというか。1日の中でも特に暑い時間帯にやったのが久しぶりだったというのもありましたし、自分たちの出演枠も60分という長さがあったので。
AKANE:フェスで60分やれるというのは、なかなかないことですし。
──演奏開始前の皆さんは、ちょっと厳しい表情をしているように思えました。緊張しているというよりは、まさに闘いに挑む前のようなキリッとした感じがあって。
小鳩ミク:それはあったかもしれないですっぽね。いい意味での緊張感というか「やってやるぞ!」って気持ちが顔に出てたところはあるかもしれないですっぽ。
KANAMI:1曲目が「from now on」だったので、私は緊張してました。インスト曲は全般的にそうなんですけど、あの曲は特にガッと集中しないといけないので、演奏中はお客さんの様子を見てる暇がないんです。「歌無しの曲を受け入れてもらえるだろうか?」とう不安もありましたし。無我夢中だったからあんまりよく憶えていないというのも正直なところではあるんですけど。
AKANE:キリッとしていたというのは、意気込みが顔に出てたのかもしれないですね。「日本から来たぞ! 日本のバンドの底力を見せてやるぞ!」みたいな。しかもインスト曲の場合、カッコいい自分を出したくなるというか、見た目の印象とのギャップを見せるのにもいちばん適してると思うので、そういう気持ちが演奏にも表情にも表れるのかなって思います。
MISA:始まった当初、お客さんの数もちょっと少なめだったんです。それにめげずにやろう、音で勝負してやろうっていう気持ちはみんな強かったはずです。
小鳩ミク:うん。しかもそうやって演奏しているうちに人もどんどんどんどん増えてきて、それが目に見えてわかる状態だったので嬉しかったですっぽ。
──その緊張感溢れる「from now on」が終わったところで「How are you doing guys?」と呼びかけながらSAIKIさんが登場。あのシーン、カッコ良かったですよ。
SAIKI:あははは! そんなこと言ってました?
小鳩ミク:言ってたっぽ! 「DOMINATION」の始まりで。
SAIKI:私、実際にステージが始まる前は「やばい、大丈夫か?」みたいな感じだったんですよ。「フェスで60分やったこと、これまでなくない?」というのもありましたし。みんながステージに向かって行く時には「やって来るわ!」みたいな意気込みとちょっと不安みたいなのも入り混じった複雑な表情をしていたから、「行ってらっしゃーい!」と送り出しながら待っていて、ステージの裏で「from now on」を聴いてるうちに「ああ、大丈夫そうだな」と思えて、「じゃあ行こうか!」とドラムの後ろを通って出て行って。時間帯がまだ早いこともあって、演奏開始前はまだ人の数も少なくて、しかも日差しがホントにきつかったので遠くのほうの陰から眺めてるような人も結構いたので「大丈夫かな? 人は増えてるかな?」と思いながらの登場だったんですけど、ステージに出て行って初めて会場全体の様子が見えた時、「Woooo!」って感じになって(笑)、それで思わず出たのが「How are you doing guys?」って言葉だったんです。
小鳩ミク:テンションが上がって出た言葉だったのかも。お客さんたちの姿が見えたことがスイッチを入れてくれたんだっぽね。
SAIKI:うん、まさに。日本でいうなら「行けるかー!」みたいな感じで。
──最前列とかにもだいぶマニアックなファンの姿が見受けられました。
小鳩ミク:そうですっぽね。メイド服着用の方とかも結構いらして。最前の方たちが目立ってましたけど、横のほうとか後ろのほうにもそういったご主人様・お嬢様たちがいましたっぽ。
SAIKI:「家からその格好で来たの?」とは思いました(笑)。
小鳩ミク:でも、自分たちが思ってた以上に味方がいてくれたというか、気合を入れて観に来てくださったんだなというのが伝わってきましたっぽ。
SAIKI:あれは嬉しかった。あと、お客さんの幅がすごく広かったことも。これまでに出てきたフェスとも雰囲気がまた全然違っていて。とにかく全般的にお客さんが若い! <LOLLAPALOOZA>って若いんだ、と思って。
小鳩ミク:出演者の幅も広いし、お客さんの幅も広いし。他のアーティストが目当てで来ていて、ふらーっと観に来てくださる方とかの雰囲気も、いつものロック・フェスとはちょっと違う感じで面白かったですっぽ。これまでのフェスでは黒いTシャツ着用のムキムキのご主人様が多かったですけど、それとはまた違ってましたっぽ。
──そもそもはオルタナティヴの祭典というイメージの強いフェスでしたが、とにかく新しいものをどんどん発信してこうというスタンスがあるように思います。
小鳩ミク:そうですっぽね。ロックバンドも出ていればラッパーさんとかも出ていて、本当に幅広いフェスだなって思いましたっぽ。観に来ている方たちの服装や雰囲気もすごくいろいろで、そういった意味でも過去に経験したことのない感じのフェスでしたっぽ。
SAIKI:開催地がシカゴだという影響も多分あって。公演会場がシカゴの中心部にある大きな公園だったんですけど、まさかそんな街のど真ん中でやるとは思ってなかったので、移動の車を降りた時は「えっ?」と驚きました。
──フェス会場というのは、郊外の何もないところにありがちですもんね。
AKANE:それとは全然違いましたね。まわりにもビルがたくさんあって。
SAIKI:5月に出たのも、まさに「広大なところにポツンと会場がある」みたいなフェスだったんですけど、それとは真逆でしたね。「ビル近っ!」と思いました。
小鳩ミク:もう、街全体がフェスみたいな感じでしたっぽ。ビルにも広告というか、フラッグみたいなのが掲げられていたりして。
MISA:そういった違いも含めて、すごく楽しめましたね。これまでに出てきたフェスとは全然違いました。
AKANE:あそこまでいろんなジャンルのアーティストが出ているフェスというのも初めてでしたし、私たちも演奏終了後に他のアーティストのステージを観させてもらったんですけど、人の多さに圧倒されました。改めて日本のフェスとの規模感の違いを感じさせられたというか。ノリ方もすごく自由だし、アメリカってホントに懐の大きな国なんだなって。
──<LOLLAPALOOZA>出演後には、各地での単独公演が。そっちはそっちで濃いお客さんが集結していたはずですよね?
小鳩ミク:そうですっぽね。でも、濃さばかりではなくて、年齢層の幅が広がってるのを感じましたっぽ。どこの会場でも小さい子が歌ってる姿を目にして。以前はそういうのがめずらしい感じで目について「今日は小さい子が来てたね」とかみんなで終演後に話してたんですけど、今回の場合は、毎回のようにいて。
SAIKI:そうそう。「あ、今日もいる!」みたいな。
小鳩ミク:日によっては前のほうに5~6人一緒にいたり。ご家族で来てくださってるんですよね。ご夫婦だけではなく。
SAIKI:もしかすると三世代かも(笑)。
AKANE:お爺ちゃんとお婆ちゃん、お父さんお母さん、そして子ども、みたいな。
──歴史の古いバンドなどの場合は子連れ客の割合が高めですけど、結成から10年でもはやそうした現象が!
小鳩ミク:そうなんですっぽ。そういう方がちらほら増えてきたっていうのが、今までのツアーではなかったことで、すごく嬉しかったですし、またさらに層が広がってるんだなっていうのを実際に目にして感じましたっぽ。
──素敵ですね。BAND-MAIDでお給仕を初体験する子たちも増えてくるわけで。
SAIKI:アメリカではちゃんと子どもの耳を守ることが徹底されているので、「いいよ、それならこっちも遠慮なく大きな音でやるよ」みたいな(笑)。
KANAMI:全員子供が好きなので……もう、癒されるよね!
小鳩ミク:MCのたびに、ちょっと絡みに行ったりはしてましたっぽ(笑)。一度、おまじないタイムもやってもらいましたっぽ。ある会場で、衣装も髪型も私そっくりに真似してくれてる子が最前にいて、もう可愛すぎて! その子に手伝ってもらいましたっぽ。恥ずかしがりながらも「moe,moe」って言ってくれて、お客さんもメンバーもみんな「うわーっ♡」ってなってましたっぽ(笑)。そういうところも含めて日本とはまたちょっと違う感じがありましたっぽね。すごく新鮮なことはたくさんありましたっぽ。初めて行った土地が多かったというのもありましたし。
SAIKI:うん。5月の北米ツアーでも初めての場所が多かったんですけど、8月は「半分以上がお初の人」という感じの場所も多かったので。MCでも「Nice to meet you」をめっちゃ言いましたもん(笑)。しかもどこに行っても、ホントにみんなノリが良くて。
小鳩ミク:そう、行くたびにみんなの声が大きくなってるのを感じますっぽ。
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