ASKA、まさかの先行上映にまさかの本人登場
『ASKAまさかの先行上映~ 一夜限りのWonderful World Live』と題されたライブ映像作品の先行上映会が、Blu-ray+LiveCDリリースに先駆けて、9月19日、全国のユナイテッド・シネマの25会場で行われた。東京のユナイテッド・シネマ豊洲(スクリーンナンバー10)では、上映終了後にASKAが登場して舞台挨拶をするサプライズもあった。“まさかの先行上映”に“まさかの本人登場”という“まさか”の重なる夜となったのだ。
上映会がスタートしたのは19時。ライブ映像が上映される前に、ASKAの事前収録コメント映像が流された。
「自分の作品でありながら、つい自分で身を乗り出して観てしまうシーンもあって。音や視覚だけではなく、ホールに充満した“気”さえも収められるんだなと改めて感じました」そんな言葉どおり、映像からは歌や演奏とともに、ASKAやメンバーの気迫や情熱、客席の熱気や感動や興奮までもが伝わってきた。
上映されたライブ映像作品は5月25日の東京国際フォーラムホールA公演を収録したものである。生のライブとはまた違う、映像作品ならではの楽しみ方や魅力があることも再確認した。ライブ映像作品を映画館で観る醍醐味の1つは、ディテールまで大画面でじっくり楽しめることだろう。特にうれしいのは、ASKAやメンバーの表情や動作を至近距離から確認できることだ。ステージ上の全員がASKAの歌に集中して心を1つにして演奏していることがわかる。チームの結束力の強さも浮き彫りになるのだ。ASKAが今年3月のデイヴィッド・フォスターとの共演について、コメントする場面がある。
「共演して何がうれしかったか。デイヴィッドが『ASKAのメンバーは素晴らしいね』と言ったこと。鼻が高かったよ」とASKAが話した時のメンバーの表情にもグッときてしまった。ASKAとバンドのメンバーがいかに互いを信頼しているか、そして強い絆で結ばれているかが、映像からも確かに伝わってきた。
見どころだらけの映像作品だ。空、海、山、草原、花などの地球の美しい自然を捉えた映像に続いて、ASKAのフェイクによる始まりのシーンの見事さにも息を飲んだ。ASKAの全身から歌が立ち上がり、会場内に充満していく。ASKAとバンドのメンバーとが一体となって、歌を奏でている。「地球という名の都」「C-46」「青い海になる」などなど、ASKAの歌い手としての現在の表現力の豊かさを堪能。「太陽と埃の中で」や「モーニングムーン」などでは、観客の熱気がスクリーン越しにも確かに伝わってきた。映画館であるにも関わらず、拍手したり、こぶしをあげたりして盛り上がる観客もいた。スクリーンに集中していると、ついここが映画館であることを忘れてしまいそうだ。宮﨑薫がゲストボーカルとして登場し、親子の音楽のリレーが実現する場面もある。「On Your Mark」では生で観た時と同様の感動やカタルシスが訪れる。
これはコンサートという名前の作品でもあるだろう。緩急があり、起承転結があり、ストーリーがある。これは愛と勇気と希望の物語だ。ツアータイトルに“Wonderful world”という言葉があるように、この世界の素晴らしさが描かれている。と同時に、この世界の不条理さや不可解さも明らかになる。ASKAの歌声を聴いていると、挑むことのかけがえのなさ、前に進んでいくことの尊さを実感できる。
上映終了と同時にASKAがスクリーン前のステージに登場。その瞬間に悲鳴にも似た大きな歓声と拍手が起こった。「幕張でオープニングの舞台挨拶をし、その後、豊洲に移動して楽屋で聴いていました。今回の試みは計画性がありません。瞬間瞬間におもしろそうだと思ったことをやってみたら、そこで違う景色が見えてきて、じゃあ次はこれをやろうというになり、そこでまた違う景色が見えてきたら、次にやりたいことを出てくるのが僕の活動スタイルです。コンサートはコンサートで、映画は映画でありだなと思いました」とASKA。
その言葉どおり、ライブ映像作品を映画館で鑑賞することは特別な体験となった。9月27日リリースのBlu-ray+LiveCDもさまざまな楽しみ方ができる作品となるだろう。部屋でこぶしを挙げて一緒に大声で歌うもよし、室内を真っ暗にしてじっくり鑑賞するもよし。ツアーを観た人、未見の人、どちらにとっても、多くの感動や発見をもたらしてくれるのは間違いないだろう。
舞台挨拶の最後に、「ライブをいっぱいやるから。また会いましょう」とASKAがコメントすると、大きな拍手とともに「ありがとう!」という声がたくさんかかった。まさかの一夜限りの上映。まさかの本人登場。そして、ステージの中にも、感動や熱狂ともにたくさんのサプライズが詰まっていた。どうやらASKAのいるところでは“まさか”の出現率が高くなっていくようだ。2024年もたくさんの“まさか”を楽しめるのは間違いないだろう。
文:長谷川誠
◆ ◆ ◆
【上映会詳細】
上映会名: ASKAまさかの先行上映〜 一夜限りのWonderful World Live
「ASKA Premium Concert Tour Wonderful world 2023」
上映日程:2023年9月19日(火)
上映時間:開場18:30 開映19:00(全国同時開催)
『ASKA Premium Concert Tour -Wonderful World- 2023』
2023年9月27日(水) 発売
販売形式:Blu-ray+Live CD(2枚)合計3枚セット 定価:10,000円(税別)
レーベル名:DADA label
品番:DDLB-0023
JAN:4562350465121
発売元:BURNISH STONE
アーティスト:ASKA
ゲストヴォーカル 宮﨑薫 / ASKAバンド
ライブ収録公演:2023年5月25日(木)東京国際フォーラム ホールA
収録時間:
[DISC 1 / Blu-ray] 137:29:00
[DISC 2 / CD] 62:07:23
[DISC 3 / CD] 52:51:39
【商品形態】 Blu-rayには、音源のみを収録したCD(2枚組)を付属
1.Blu-ray(Blu-ray+CD×2+ストリーミング配信シリアルナンバー付き) 定価:10,000円(税別)
2.ストリーミング配信 ※2023年9月27日より配信スタート(映像のみ) 定価:4,200円(税別)
配信サイトURL:https://era.travel.gr.jp/Page/wonderfulworld_live2023.aspx
【収録内容 / Blu-ray】
-Opening-
01 Touch the earth
02 Trip
03 自分じゃないか
04 地球という名の都
-TALK-
05 こんなふうに
06 憲兵も王様も居ない城
07 LOVE SONG
-TALK-
08 風の引力
09 どうしたの?
10 ⻘い海になる
-TALK-
11 C-46
12 はじまりはいつも雨
13 しゃぼん
-MEMBER紹介-
14 ToLoveYouMore/ 宮﨑薫
15 You Raise Me Up
16 僕のwonderful world
-TALK-
17 東京
18 太陽と埃の中で
19 モーニングムーン
20 どんな顔で笑えばいい
21 今がいちばんいい
22 On Your Mark
-TALK-
23 I feel so good
-Ending-
【収録内容 / CD(2枚組)】
[DISC 2]
01 Touch the earth
02 Trip
03 自分じゃないか
04 地球という名の都
05 こんなふうに
06 憲兵も王様も居ない城
07 LOVE SONG
08 風の引力
09 どうしたの?
10 ⻘い海になる
11 C-46
12 はじまりはいつも雨
13 しゃぼん
[DISC 3]
01 To Love You More / 宮﨑薫
02 You Raise Me Up
03 僕のwonderful world
04 東京
05 太陽と埃の中で
06 モーニングムーン
07 どんな顔で笑えばいい
08 今がいちばんいい
09 On Your Mark
10 I feel so good
Blu-ray ティザーURL:https://youtu.be/s-MMtsi1YOU
Blu-ray特設サイト:https://www.fellows.tokyo/special/tour2023_release/
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