【速レポ】ROCK’N’ROLL GYPSIES、<中津川ソーラー>に新たな伝説
RESPECT STAGE初日のトリを飾ったROCK'N'ROLL GYPSIESは、毎年、<中津川THE SOLAR BUDOKAN>の出演ラインナップに必ずと言っていいほど加えられているレジェンド枠にふさわしいいぶし銀のプレイを繰り広げ、<中津川THE SOLAR BUDOKAN>に新たな伝説を残した。
◆ライブ写真
1980年代の、いわゆるめんたいロックブームをリードし、後続のロックンロール・バンドに多大な影響を与えたTHE ROOSTERS~THE ROOSTERZのメンバーだった花田裕之(G, Vo)、下山淳(G, Vo)、池畑潤二(Dr)が結成した4人組は現在、オリジナルメンバーだった井上富雄(B)に代わって、バンドに加わった市川勝也(B)を迎え、ベテランらしいマイペースの活動を続けている。その市川はTHE STREET BEATS、POTSHOTといったバンドを渡り歩いてきた歴戦のプレイヤー。ちなみに彼はこの日、JUN SKY WALKER(S)のサポートとしてRevolution STAGEに立っている。
日本のロックンロールの伝説と言える4人組の雄姿をこの機会に目に焼き付けておきたいと考えたロックファンは少なくなかったに違いない。
そんなROCK'N'ROLL GYPSIESの演奏は、2003年にリリースした1stアルバム『I』収録の「TRUCKIN’」からスタート。ぶっきらぼうに言葉を投げかけるように歌いながら、花田がかき鳴らすコードに下山が鋭いトーンのリフやスライドソロを加える以外は、ほぼ一つのリフで聴かせるミッドテンポのロックンロール。そこから60分、ステージの4人はMCらしいMCを挟むことも、もちろん観客を煽ることもなく、ほぼノンストップで歌詞も含めハードボイルドなロックンロールをただただ繰り出していく。その姿は、まさにクール、いや、ストイックの一言だった。
曲をできるだけ展開させず、反復させることでじわじわと熱を上げるのがROCK'N'ROLL GYPSIESのマナーだが、だからと言って、全曲が似たような調子にならないところもROCK'N'ROLL GYPSIESならではだ。
たとえば、「新しいアルバムの曲」と花田がボソッと言って、今年2023年4月にリリースした7年ぶりのアルバム『V』 から披露した「Fly-with only one wing-」は、下山がワウを踏みながらフリーキーでモーダルなフレーズを奏でるサイケデリックなギターワークが、この曲が持つユニークさをアピールしていたし、同じように『V』から演奏した「素晴らしい世界」は、リードボーカルを務める下山のハスキーな歌声がメロウな曲調とともにセットリストを多彩なものにしていたと思う。さらに、「池畑の曲を聴いてください」と言って、再び花田がリードボーカルを務めた「Mr. Lover Man」は、'60年代風のポップナンバーというところが、ズシッと重たいビートで演奏を支える池畑にも、ハードボイルドなロックンロールを身上としているROCK'N'ROLL GYPSIESにも似つかわしくないところが逆に聴きどころだった。
前掲の「Fly-with only one wing-」以降、ステージの4人は『V』 からの8曲を立て続けに披露。
「渦」はブルージーなロックンロール・バラード。下山が歌う「So Long」は花田と下山がリズムの取り方が違うコードストロークを巧みに重ねるネオサイケなフォークロック・ナンバー。後者はグリッサンドからベンドやスウィープを使い分け、サイケなトーンや泣きのフレーズを閃かせる下山のギターソロが素晴らしかった。
「ありがとう!」と花田が声を上げ、かき鳴らしたコードに下山がねちっこいリードリフを絡みつかせた本編最後の「くりかえして」は、ルースじゃないソリッドなストーンズ、なんて言ってみたい不思議な魅力があるロックンロール。チョーキングでギターに悲鳴を上げさせた花田のソロもさることながら、指弾きで無骨にリズムを刻んで、極太の音色で演奏に凄みを加えた市川のベースプレイにも拍手を贈りたい。この日、市川は指弾きとピック弾きを使い分け、先輩達に負けない存在感を観客の脳裏に焼き付けた。ぐっとためをきかせる他の3人に対して、前へ前へと進むフレーズをピック弾きで奏でながら、演奏の推進力を担った「Fly-with only one wing-」のプレイも見事だったと忘れずに付け加えておきたい。
「下山淳、池畑潤二、市川勝也。ROCK'N'ROLL GYPSIESでした」
花田がボソッと自分抜きのメンバー紹介をしてからアンコールに演奏したのは、THE ROOSTERSが1980年にリリースしたセルフタイトルのデビューアルバムに収録されていた「DO THE BOOGIE」。福岡の先輩バンド、サンハウスの柴山俊之が作詞、鮎川誠が作曲したヒプノティックなこの高速ブギには、もしかしたら2023年1月29日に惜しまれつつこの世を去った鮎川に対する追悼の意味が込められていたのかもしれない。この曲をアンコールに選んだ真意はさておき、誰もがゴキゲンなビートに腰を揺らしたのだった。
ライブが終わると、日中の暑さが信じられないくらい空気には秋が感じられた。しかし、ROCK'N'ROLL GYPSIESの演奏に火照った気持ちには、その冷たい空気が心地好かったのだ。
取材・文◎山口智男
撮影◎三浦麻旅子
■セットリスト
2. 空っぽの街から
3. Fly-with only one wing-
4. 蝙蝠の唄
5. 素晴らしい世界
6. Mr. Lover Man
7. JUMPIN JUNK HIPPY SHAKE
8. 渦
9. So Long
10. くりかえして
11. DO THE BOOGIE
■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2023>
9月23日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月24日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
open10:00 / start11:00 ※予定
岐阜県中津川市茄子川1683-797
▼出演
【9月23日(土)】androp / BREIMEN / Caravan / 地球三兄弟(YO-KING / 桜井秀俊 / 奥田民生) / DURAN / HEY-SMITH / HY / 韻シスト / いとうせいこう is the poet / JUN SKY WALKER(S) / 清春 / Major in Body Bear (from台湾) / NakamuraEmi / OAU / PLECTRUM / ROCKIN’ QUARTET (大木伸夫, ホリエアツシ, 村松拓, TOSHI-LOW, 内澤崇仁) / ROCK’N’ROLL GYPSIES (花田裕之, 下山淳, 池畑潤二, 市川勝也) / SOIL&“PIMP”SESSIONS / 10-FEET / 打首獄門同好会 / うじきつよし / ヤバイTシャツ屋さん / DUCK HOUSE
【Village Of illusion】ermhoi / Kaoru Inoue / DJ KENTARO / 武藤昭平 with ウエノコウジ / OBRIGARRD / Rei / TOMOYUKI TANAKA (FPM)
【9月24日(土)】シアターブルック w/ 河村隆一 / ACIDMAN / a flood of circle / the band apart / ComplianS+Afro Begue (佐藤タイジ, KenKen, Omar Gaindefall, 津田悠佑, 佐々木俊之, Naoto) / FIVE NEW OLD / FLYING KIDS / 吉川晃司 / 木村カエラ / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / STOCKMAN / NONA REEVES / Nothing’s Carved In Stone / Nulbarich / 奥田民生 Solar Session / Omoinotake / Original Love / リーガルリリー / サンボマスター / ストレイテナー / 土岐麻子 feat. 堀込泰行 / うじきつよし
▼チケット
・2日通し入場券 15,900円
・9月23日(土) 入場券 9,800円
・9月24日(日) 入場券 9,800円
【各プレイガイド】
▼イープラス
https://eplus.jp/ntsb23/
▼チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/solarbudokan-23/
Pコード:2日通し入場券:780-841 / 1日入場券:248-631
▼ローチケ
https://l-tike.com/solarbudokan/
Lコード:42780
▼サンデーチケットセンター
https://www.sundayfolk.com/go/ntsb2023/
▼プレイガイドぎふ
https://www.cnplayguide.com/gifu-np/
※キャンプ券・駐車場券はイープラスのみ受付
【往復シャトルバス乗車電子チケット】
中津川駅(にぎわい広場)⇆ 会場(中津川公園)
http://solarbudokan.com/2023/access/index.html#sec-4
【フード&フリマ出店】
http://solarbudokan.com/2023/area/shop/
【オフィシャルグッズ】
http://solarbudokan.com/2023/goods/
【公式アプリ】
アーティストの出演日程やタイムテーブルに加え、プレイリストを試聴できるなどの機能を搭載
・iOSアプリ:https://apps.apple.com/us/app/id1466179992
・androidアプリ:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.eplus.solarfes
主催:中津川 THE SOLAR BUDOKAN 実行委員会
■“こどもソーラーブドウカン2023”コンテンツ紹介
▲うじキングダム こどもパレード
▲内澤崇仁(androp)
出演:うじきつよし、内澤崇仁(androp)、辻コースケ、伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)…and more
【HY HeartY Village@こどもソーラーブドウカン】
▲HY HeartY Village
※申し込み方法など詳細は後日発表
【ドラムであそぼう】※協力:パール楽器製造株式会社
▲こどもドラム教室
【水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室】※協力:トヨタ自動車株式会社
未来のエネルギー水素の特長を「作る」「貯める・運ぶ」「使う」の3つのシーンで学び、みんなで実際に水素を作る実験をします。作った水素で燃料電池自動車「MIRAI」の模型を走らせてみよう。
【RAV4で快適キャンプ体験】※協力:トヨタ自動車株式会社 ✕ KEEN
▲伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)
▲NAOTO
出演:伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES) ✕ NAOTO(Violinist)
【みんなで作る「太陽のステージ」】※画家 近藤康平 ✕ 木こりの熊さん 監修
▲木こりの熊さん
【TOYOTA こどもソーラー食堂 BY 伊地知潔】
▲水素で動くFCキッチンカ
【中津川少年少女合唱団 SOLAR CHILDREN スペシャルステージ】
▲中津川少年少女合唱団
【Moving eによる「こどもソーラーブドウカン」への電力供給】
▲Moving e
■クラウドファンディング“ソーラーサポートプロジェクト”
▼受付サイト
クラウドファンディングサービス“Fanpla Action”
https://action.fanpla.jp/tsb2023
▼参加受付期間
9月5日(火)19:00~9月30日(土)23:59
※印の下記コースはリターン品発送の都合上、9月13日(水)23:59まで
▼サポートコース一覧
・ソーラーサポーター コース:1,000円(税込)
・エコバッグ コース(※):2,500円(税込)
・もみ殻リユースカップ コース(※):3,000円(税込)
・Tシャツ コース(※):4,500円(税込)
・サイン入りTシャツ コース(※):10,000円(税込)
・バックステージツアー コース(※):10,000円(税込)
・アフタートーク コース(※):10,000円(税込)
▼サイン入りTシャツ参加アーティスト(順不同)
・LOW IQ 01
・a flood of circle
・JUN SKY WALKER(S)
・the band apart
・NONA REEVES
・Omoinotake
・土岐麻子 with 堀込泰行
・Nothing's Carved In Stone
・ストレイテナー
・androp
・佐藤タイジ
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