【速レポ】<中津川ソーラー>JUN SKY WALKER(S)、懐古でも何でもない神対応「俺達、35周年は、始まりの歌で」
5年ぶりに<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>に帰ってきたJUN SKY WALKER(S) (以下ジュンスカ)は奇を衒うことなく、代表曲中の代表曲を40分のセトリに詰め込み、見事、観客の期待に応えるというメジャーデビュー35周年を迎えたベテランならではと言えるいわゆる神対応で、その盛り上がりをRevolution STAGEに出演する後続のバンドに繋げたのだった。
◆ライブ写真
「行くぜ、中津川!」──宮田和弥(Vo)
いきなり観客に拳を振らせた1曲目の「START」から、「セイ! ウォーウォーウォー! 後ろ! ウォーウォーウォー!」とシンガロングを求めながら、「歩いていこう」「MY GENERATION」と繋げたところで、革ジャンを脱ぎ、Tシャツ姿になった宮田和弥は革ジャンを着たまま演奏を続けているベーシストを前に引っ張り出す。
ベースを弾いているのは、21年にバンドを“卒業”した寺岡呼人に代わって、サポートとしてバンドに加わった市川勝也。THE STREET BEATSやPOTSHOTといったバンドでプレイしてきた歴戦のプレイヤーだ。ダウンピッキングによる抜けのいい音色で奏でる図太いフレーズで演奏を支えながら、一歩退いているその市川を、この日、何度も前に引っ張り出して、観客の注目を促した宮田和弥は、サポートではあるものの、今はこの4人でジュンスカだという気持ちがあるのだろう。ステージでは一つになることがやはりロックバンドには重要だ。
「MY GENERATION」では森純太(G)が得意のウインドミル奏法でバンドのパフォーマンスを華やかなものにする。オブリでリードフレーズを閃かせる以外は、ほぼリズムプレイに徹して、宮田和弥の歌を立てる森純太が曲の最後に加える左手のビブラートが、たぶん彼らと同じように'70年代のパンクロックを聴いてきた筆者にはジョニー・サンダースを連想させ、思わずニヤリとせずにいられない。
「JUN SKY WALKER(S)は今年、メジャーデビュー35周年を迎えました。でも、俺と小林(雅之 / Dr)は中1からの同級生。森純太は1個上だったから、JUN SKY WALKER(S)を中2の時に組んでから、43年になります。そんな中、35周年は、TOY'S FACTORYができてから35周年。JUN SKY WALKER(S)が第一弾でTOY'S FACTORYができたんですね。当時はバップレコードにね、LAUGHIN' NOSEがいて(観客が「うぉ~」と声を上げる)、LAUGHIN' NOSEをやっていた稲葉(貢一 / TOY'S FACTORY 代表取締役CEO)さんが僕達を誘って、“インディーズの香りがするレコード会社をやりたいんだけど、一緒にやってくれないか”って。それで、やりますって答えてから35周年になります。そんな35周年の新曲。森純太のメロディ、宮田和弥の詞によるJUN SKY WALKER(S)っぽい、とてもいい曲ができました」──宮田和弥
宮田和弥の歌に森純太がアルペジオを重ね、バラード風に始まったあと、リズム隊が演奏に加わり、宮田和弥の言葉通りジュンスカらしいロックナンバーになるその「そばにいるから」は、切なさと優しさが入り混じるメロディに加え、宮田和弥と森純太が掛け合うハーモニーも聴きどころ。メンバー全員で声を重ねる最後の“♪ララララ”というシンガロングは、前述したバンドの一体感を印象づける。
「(<中津川 THE SOLAR BUDKAN>のオーガナイザーである佐藤)タイジと言うか、今年の<THE SOLAR BUDOKAN>のテーマは、“Journalism”。再生可能エネルギーで日本は賄えるんだというタイジのメッセージを、いつも彼のSNSで見てます。で、たまに“いいね”します(笑)。ソーラーパネルと蓄電池で出してる音だから、普通のフェスと違います。わかる? わかるでしょ。タイジが言う“Journalism”や、再生エネルギーで日本がやれるというその気持ちを、僕達はJUN SKY WALKER(S)という音楽で後押しできたらうれしいです」──宮田和弥
<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>に対するシンパシーを、そんなふうに語った宮田和弥は「佐藤タイジに贈ります」と言い、「季節外れですけど、みなさんが涼しくなれますように!」と続けた。
その言葉に観客が歓声を上げる。バンドが演奏したのは、もちろんジュンスカのバラードの名曲「白いクリスマス」だ。森純太がコードをかき鳴らすリズムギターの音色に割り込むように市川勝也がベースソロを轟かせる。「みんな、太陽に手を伸ばそうぜ!」と声を上げた宮田和弥に応え、観客全員が手をワイプするというRevolution STAGEが一つになったことを物語るアンセミックな光景が目の前に浮かび上がった。
「JUN SKY WALKER(S)を久しぶりに見た人の中には、俺のことを藤井フミヤだと思っている人もいるかもしれないから(笑)、改めてメンバー紹介させてください! オンギター、森純太! オンドラム、小林雅之! オンベース、市川勝也! 市川は今日、ROCK ’N’ ROLL GYPSIESでも演奏するんだけど、俺も観に行くから、市川の活躍を観に行ってください!」──宮田和弥
ここでも市川勝也を観客にアピールした宮田和弥は、メンバー紹介の最後を彼一流のジョークで締めくくった。「オンボーカル、ちょっと背の低い吉川晃司です!」──そのオチがウケたのか、スベッたのか、それを記録に残すことは、このレポートの役目ではないから触れないでおく。
「(ソーラーの力を我々に与えてくれる)この空に贈ります。歌える奴、一緒に歌ってくれ!」と宮田和弥が歌詞を教えながら、観客と一緒に歌ったのは、「すてきな夜空」。「1-2-3-Go!」という森純太のカウントに応え、小林雅之が鳴らすフィルと宮田和弥と森純太が掛け合うAメロが、ちょっとクラッシュを連想させ、再び思わずニヤリ。森純太がステージの真ん中に躍り出て、ギターソロを閃かせると、宮田和弥がまた市川勝也を前に引っ張り出す。
「ラストもう一発行けますか⁉」──宮田和弥
最後を締めくくったのは、「全部このままで」。
「俺達、35周年は、始まりの歌で(迎えたい)!」──宮田和弥
35年前、ジュンスカがリリースした1stアルバムの1曲目を飾ったタイトルナンバー。つまり、ジュンスカが現在掲げているメジャーデビュー35周年は懐古でも何でもなく、新たなSTART、ここからまだまだ歩いていこうということなのだ。ジュンスカにとって二度目の<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>を、彼らはそんなメッセージとともに締めくくったのだった。
取材・文◎山口智男
撮影◎柴田恵理
■セットリスト
2. 歩いていこう
3. MY GENERATION
4. そばにいるから
5. 白いクリスマス
6. すてきな夜空
7. 全部このままで
■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2023>
9月23日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月24日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
open10:00 / start11:00 ※予定
岐阜県中津川市茄子川1683-797
▼出演
【9月23日(土)】androp / BREIMEN / Caravan / 地球三兄弟(YO-KING / 桜井秀俊 / 奥田民生) / DURAN / HEY-SMITH / HY / 韻シスト / いとうせいこう is the poet / JUN SKY WALKER(S) / 清春 / Major in Body Bear (from台湾) / NakamuraEmi / OAU / PLECTRUM / ROCKIN’ QUARTET (大木伸夫, ホリエアツシ, 村松拓, TOSHI-LOW, 内澤崇仁) / ROCK’N’ROLL GYPSIES (花田裕之, 下山淳, 池畑潤二, 市川勝也) / SOIL&“PIMP”SESSIONS / 10-FEET / 打首獄門同好会 / うじきつよし / ヤバイTシャツ屋さん / DUCK HOUSE
【Village Of illusion】ermhoi / Kaoru Inoue / DJ KENTARO / 武藤昭平 with ウエノコウジ / OBRIGARRD / Rei / TOMOYUKI TANAKA (FPM)
【9月24日(土)】シアターブルック w/ 河村隆一 / ACIDMAN / a flood of circle / the band apart / ComplianS+Afro Begue (佐藤タイジ, KenKen, Omar Gaindefall, 津田悠佑, 佐々木俊之, Naoto) / FIVE NEW OLD / FLYING KIDS / 吉川晃司 / 木村カエラ / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / STOCKMAN / NONA REEVES / Nothing’s Carved In Stone / Nulbarich / 奥田民生 Solar Session / Omoinotake / Original Love / リーガルリリー / サンボマスター / ストレイテナー / 土岐麻子 feat. 堀込泰行 / うじきつよし
▼チケット
・2日通し入場券 15,900円
・9月23日(土) 入場券 9,800円
・9月24日(日) 入場券 9,800円
【各プレイガイド】
▼イープラス
https://eplus.jp/ntsb23/
▼チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/solarbudokan-23/
Pコード:2日通し入場券:780-841 / 1日入場券:248-631
▼ローチケ
https://l-tike.com/solarbudokan/
Lコード:42780
▼サンデーチケットセンター
https://www.sundayfolk.com/go/ntsb2023/
▼プレイガイドぎふ
https://www.cnplayguide.com/gifu-np/
※キャンプ券・駐車場券はイープラスのみ受付
【往復シャトルバス乗車電子チケット】
中津川駅(にぎわい広場)⇆ 会場(中津川公園)
http://solarbudokan.com/2023/access/index.html#sec-4
【フード&フリマ出店】
http://solarbudokan.com/2023/area/shop/
【オフィシャルグッズ】
http://solarbudokan.com/2023/goods/
【公式アプリ】
アーティストの出演日程やタイムテーブルに加え、プレイリストを試聴できるなどの機能を搭載
・iOSアプリ:https://apps.apple.com/us/app/id1466179992
・androidアプリ:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.eplus.solarfes
主催:中津川 THE SOLAR BUDOKAN 実行委員会
■“こどもソーラーブドウカン2023”コンテンツ紹介
▲うじキングダム こどもパレード
▲内澤崇仁(androp)
出演:うじきつよし、内澤崇仁(androp)、辻コースケ、伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)…and more
【HY HeartY Village@こどもソーラーブドウカン】
▲HY HeartY Village
※申し込み方法など詳細は後日発表
【ドラムであそぼう】※協力:パール楽器製造株式会社
▲こどもドラム教室
【水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室】※協力:トヨタ自動車株式会社
未来のエネルギー水素の特長を「作る」「貯める・運ぶ」「使う」の3つのシーンで学び、みんなで実際に水素を作る実験をします。作った水素で燃料電池自動車「MIRAI」の模型を走らせてみよう。
【RAV4で快適キャンプ体験】※協力:トヨタ自動車株式会社 ✕ KEEN
▲伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)
▲NAOTO
出演:伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES) ✕ NAOTO(Violinist)
【みんなで作る「太陽のステージ」】※画家 近藤康平 ✕ 木こりの熊さん 監修
▲木こりの熊さん
【TOYOTA こどもソーラー食堂 BY 伊地知潔】
▲水素で動くFCキッチンカ
【中津川少年少女合唱団 SOLAR CHILDREN スペシャルステージ】
▲中津川少年少女合唱団
【Moving eによる「こどもソーラーブドウカン」への電力供給】
▲Moving e
■クラウドファンディング“ソーラーサポートプロジェクト”
▼受付サイト
クラウドファンディングサービス“Fanpla Action”
https://action.fanpla.jp/tsb2023
▼参加受付期間
9月5日(火)19:00~9月30日(土)23:59
※印の下記コースはリターン品発送の都合上、9月13日(水)23:59まで
▼サポートコース一覧
・ソーラーサポーター コース:1,000円(税込)
・エコバッグ コース(※):2,500円(税込)
・もみ殻リユースカップ コース(※):3,000円(税込)
・Tシャツ コース(※):4,500円(税込)
・サイン入りTシャツ コース(※):10,000円(税込)
・バックステージツアー コース(※):10,000円(税込)
・アフタートーク コース(※):10,000円(税込)
▼サイン入りTシャツ参加アーティスト(順不同)
・LOW IQ 01
・a flood of circle
・JUN SKY WALKER(S)
・the band apart
・NONA REEVES
・Omoinotake
・土岐麻子 with 堀込泰行
・Nothing's Carved In Stone
・ストレイテナー
・androp
・佐藤タイジ
関連リンク
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◆<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013>速レポ特集ページ
◆<THE SOLAR BUDOKAN 2012>レポート
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