【インタビュー #3】DEZERTが語る、「人の青春を奪っていくのがロック」という終わりの美学とその行く先

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■自信を持ってやっていけるバンドだと思ってるから
■関わってくれる人すべてに対して、改めてよろしく


──今回のライヴに“DEZERT”と冠したのはSORAさんでしたね。

SORA:まさに今、千秋の言った通りですよ。“DEZERT”をタイトルにしてよかったなと思います。昨年末に日本武道館での<V系って知ってる?>があって、なんとなくDEZERTを知ってる人もたくさんいたと思うし、ヴィジュアルロックを好きでいてくれる人たちに対して、ちゃんとDEZERTというものを見せて、もっと伝えていきたい気持ちがあったので渋公ワンマンを“DEZERT”というタイトルにしようと。“DEZERT”というタイトルのライヴが控えていると思うと、良いことも悪いことも失敗しちゃったことも、早く反省して次に行かないと成長しない。その焦りも自分には出てきてますね。だから渋公が終わって、その渋公を超えるような自分たちが、高揚感を持って、ファンの子たちがワクワクできるものを生み出していかないといけない。本当にバンドって大変なことをやっているんだなって感じます。でもそれも含めて楽しんでいけたらいいなっていうのは強く思っています。

──渋公ワンマンの先に見据えているものはあるんですか。

Sacchan:常日頃、近い将来のことを考えながら動いていますから。まだ発表されてないこともあるので、なんとも言えないですけど(笑)、そこに向けてやってることもありますし。この先もいろいろと考えているので、そこは楽しみにしていてほしいですね。



──前回のインタビューで、長年ライヴを見ている身近なスタッフの方から、「今のDEZERTのライヴは新しいお客さんがつくんじゃないか?」って言われたという話をしていましたが、今のDEZERTをご自身ではどういうバンドになっていると思いますか。

千秋:いいバンドだなって思いますよ。思い描いてたバンド像ではないかもしれないけどね。バンドって、終わりの美学があるものというか、子どもの頃の衝動だから。人の青春を奪っていくのがロックミュージックで。僕もそうやって青春を奪われたひとり。ただ、青春や思春期が終わった僕たちが、どうやってバンドをやっていくのかに関しても、今はもう落としどころを見つけているんで。俺は、青春時代を送ろうっていう歌を歌うつもりはないし…もちろんライヴの中でそういう瞬間があってもいいと思うんだけど、やっぱり“懐かしい”とか思いたくないし、思わせたくないんですよ。

──“今”、なんですね。

千秋:これからどんどんおじさんになっていって、若いファンも出てくると思うけど、俺らと一緒に歳を重ねていく人たちに対して何ができるかっていったら、僕らは、“その時に思うその時に必要なもの、その時に言ってほしいこと、その時にやってほしいこと”を常に考えて表現することなんですよね。DEZERTの音楽を聴いて“わかるわかる”っていう輪を広げてくれたら、僕は“生きててよかったな”と自分の人生に納得できるんじゃないかと思うので。自信を持ってやっていけるバンドだと思っているから。関わってくれる人すべてに対して、改めてよろしくという想いですね。

取材・文◎吉羽さおり

■<DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT->

9月23日 (土) LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
open16:30 / start17:30
▼チケット
全席指定 ¥6,500(税込)
※営利目的の転売禁止、未就学児童入場不可
一般発売:8月20日(日)
※SOLD OUT



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