【インタビュー前編】ベリーグッドマン、10周年記念ベストアルバムは最強ラインナップ「喜んでもらえたら嬉しい」
■今が一番楽しいのかもしれない
──泣いても笑ってもあと数本。とにかく9月9日のツアーファイナル沖縄が終わったら、ゆっくり静養してほしいです。
MOCA:そうですね。ただその頃には、甲子園が目の前に迫って来ているので、休みやのに楽しめないかもしれない。
▲MOCA
Rover:だから、今が一番楽しいのかもしれない。
──さあ、そして、8月9日発売の10周年記念のベストアルバム『GOOD GOOD GOOD』。5周年の時に続いて2枚目のベストですか。過去の曲もありますけど、基本は2020年のTEPPAN MUSIC設立後の曲が中心になってます。
Rover:僕たちはTEPPAN MUSICの設立にあたって、すごく成長した人たちだと思っていて。組織としてチームとして、スタッフさんと動く醍醐味を知れたのはTEPPANからなので、過去の曲にはもちろん感謝してるんですけど、僕はTEPPANを設立してから出した音源が一番本当のベリーグッドマンの姿かなと思います。ただ、この前、すごくお世話になっている先輩に言われた言葉があって、それがめっちゃショックやったんですよ。
──何を言われたんですか。
Rover:今までの曲は自然にスッと胸に入って来たけど、いろんな計算やいろんな苦悩があったせいか、「今の曲は練って練って考えている感じがある」って。めっちゃショックやったんですけど、ただその人が言ったのは、「だから生き残っていってるんじゃないか」って。僕たちからしたら、ずっと練って練って作ってるんだけど、それが自然に入って来る時期と、入って来ない時期があって。ここを乗り越えたらまた、その人が言う「自然に入って来る」という時期が来るのかなと。そうなっていけば、10年目の11月15日(結成日)からは、そういう僕たちになれると信じれるし、その言葉が僕の中ですごく腑に落ちたんですね。
──つまり一見否定のようでいて、実は前向きな言葉だったと。
Rover:僕らのことを、本当に知ってくれてるんだと思います。具体的に言うと「ミクロコスモス」「コンパス」「ライトスタンド」「ライオン」とかは、自分たちが狙ってなくて人に刺さった応援歌だけど、それ以降は狙っていってるんじゃないか?って言いたいと思うんですよ。こっちから言わせてもらえば、応援歌をこんなに書いてきて、狙わずして作れなくなっちゃったんですね。オーバーフローしちゃった。でも書き続けたというすごみ、「だからおまえらは残ってるんだ」っていう。その言葉はめちゃくちゃ刺さりました。「Dreamer」「夢物語」「雑草」とか、TEPPAN MUSICから出した応援歌も何曲かあるんですけど、「必ず何かの天才」はすごかったって言われたんですよ。「あ、その違いわかる」って思ったんですね。事情を知る人ならではだなと。
──鋭い指摘ですね。
Rover:そして最後に、「ひとりの人に向けて作るのがいいんだと思う」って言われたんですよ。おっしゃる通りだなと。「必ず何かの天才」も、「アイカタ」も特定の人を思い浮かべながら作った曲なので。でもそこにたどり着けたのも、一回狙いすぎた時期があるからで、10年やってなかったらわからなかった感覚なので、めっちゃ次のアルバムも楽しみなんですね。今話すことではないかもしれないですけど。
──いえいえ。
Rover:ここで一回、僕の中ではきれいなピリオドを打てたなと思います。来年のアルバムがもしあるならば、すごいことになると思うんですよ。“すごいことになるかもしれん”っていうアルバムになるかもしれない。あるいは“必ずすごい天才かもしれん”っていうアルバム。
MOCA:全部聞いたことあるやつやな。
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