【ライブレポート】うみくん、4年ぶりワンマンで「リアルの場で繋がったことが本当に嬉しい」

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うみくんが12月17日、東京・代々木LIVE STUDIO LODGEにて約4年ぶりとなるワンマンライブ<【うみくん】高音厨で有名なうみくんがボカロ歌いまくるライブ/数曲キー下げるけど許してちょんまげ【生誕祭】#略してうみくんライブ>を開催した。ライブで見せたのは音楽への深く熱い愛だった。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆うみくん 画像

2022年10月19日にベストアルバム『【ボカロ曲を原キーで】高音厨で有名な総再生数1億超えのうみくんがベストアルバムを出した件について【歌ってみた】』をリリースしたうみくんが、ワンマンライブ<高音厨で有名なうみくんがボカロ歌いまくるライブ 数曲キー下げるけど許してちょんまげ【生誕祭】#略してうみくんライブ>を開催。ライブ当日に誕生日を迎えたうみくんはファンと共に盛大なバースデーパーティーを行った。



期待感という熱が高まるステージにバンドメンバーが登場し、みきとPによって2018年に生み出された「ロキ」のイントロが鳴りだす。そこに姿を現したうみくんは雄叫びをひとつ上げると、グルーヴ感たっぷりに鳴るベースの音と軽快なギターリフのリズミカルな音と共に小刻みにジャンプをしながら高音を聴かせる。流れるようにスペシフィックなSEが響き、ライブはドラムとベースがアグレッシヴにビートを刻む「ロストワンの号哭」へ。Neruの作詞作曲によって生まれた一曲に生バンドならではの熱が宿る。鋭さと同時に叙情的な空気さえも滲ませるサウンド感はうみくんワールドでのカバーならでは。色鮮やかなペンライントが揺れるフロアに「今日はありがとう!」と笑顔を見せたうみくんは、大きく拳をあげてフロアの熱気に応えた。灼熱ライブがここで空気を変える。ピアノソロで聴かせるイントロが紡ぎだしたのはバルーンこと須田景凪による「シャルル」。シンプルながらジャズのテイストで大人っぽくも軽快なアレンジで聴かせる一曲にうみくんの高音が伸びやかに重なる。その誕生から6年を経ても色あせることなく聴く者の琴線に触れるメロディアスなナンバーは、今宵より鮮やかに発色していった。

「4年ぶりのワンマンライブということで、来ていただいて本当にありがとうございます」と高揚する声で語りかけるうみくん。歓声をあげられない状況でも全身全霊でライブを楽しむオーディエンスに嬉しさと感謝の想いを隠せない。ここで彼自身が一人で録音して用意した「みなさんの声」という多重録音な歓声を流すと盛大な拍手が沸いた。


笑顔を呼び込んだMCに続いたのは「ヒバナ」だ。DECO*27が手掛けたライブユースなアッパーチューン。渾身のシャウトから低音のパートまで、大きな高低差あるボーカルで聴かせると、ライブはNeru&z’5が綴った珠玉曲「病名は愛だった」へ。静かに歌を紡いでいくうみくんが繊細に、けれど感情的に歌声を放ち、女性的な高音と雄々しくも切なげな低音のニ声の歌声を響かせた。余韻を味わうように美しいピアノの旋律が曲と曲とを繋いでいく。一瞬の静寂のあとにうみくんが歌い出したのは「天ノ弱」。164がGUMIをフィーチャリングしてこの曲を制作したのが2014年。軽快なギターで言葉を畳み掛けるようにフロアへとぶつけ、躍動するバンドサウンドがフロアにロックフェスのような熱気を生み出した。続く一曲は「心做し」。ぽつりぽつりと爪弾かれるイントロがフロアの空気を変える。蝶々Pが手掛け、多くのユーザーに愛される人気曲。その切なさ滲むメロディを、声を震わせながら一つずつの言葉を差し出すように歌い上げるうみくんが印象的だった。

バンドメンバーを紹介し、「シリアスな曲が続いたので、ここからは気軽に楽しむ曲も入れつつ今日は楽しんでいきましょう!」と声をあげたうみくん。軽やかなサウンドからライブは「DAYBREAK FRONTLINE」へ。Orangestarが描き出すエモーショナルなピアノダンスロックの勢いを加速するように疾風怒涛のバンドサウンドが会場を揺らす。“日が昇るようなイメージでアレンジをした”とアルバム完成時に語っていたうみくん。ここから再びライブはアクセルを踏みこむようだ。畳み掛けるは「千本桜」。黒うさPの手で生み出されて以来10年以上の時を最前線で音楽シーンを引っぱるボカロの名曲を、笑顔いっぱいで歌い上げるうみくんの熱いパフォーマンスに応えるように、フロアではピンクのペンライトの光が旋風を巻き起こしていた。そんな一曲に続いたのはDECO*27の「乙女解剖」。妖艶さのあるメロディは狂気を孕みながらも都会的。低音から高音までのふり幅の大きなポップチューンを、軽やかに楽しげに歌う姿を見れば、オーディエンスもマスク越しに笑顔に。


「ここでオリジナル曲も……」と告げると柔らかなアコースティックギターの音と優しく支えるようなリズムに包まれるように「泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて」を歌ううみくん。ペンライトの光もまた、どこか柔らかな印象を纏ってフロアで揺れた。

「世界もいろいろ状況が変わってしまって、みんなそれぞれに大変なことがあって。その中でも動画を見てくれたり“いいね”を押してくれたり、そんなみんなとのご縁がリアルの場で繋がったことが僕は本当に嬉しいです。ありがとうございます」──うみくん

ライブの最後はうみくん自身がずっと好きな一曲と紹介して、カンザキイオリによる「命に嫌われている。」を贈る。剥き出しの感情が乗る一曲を、言葉を噛みしめ、確かめるように歌う彼のまっすぐな気持ちが乗ればそれは“うみくん”の表現となって、聴く者の全身に音をぶつけるような重力を宿していた。


「太陽系ディスコ」、そしてうみくんが歌い手YouTuberとして人気を獲得するきっかけとなった「Let it go」を聴かせたアンコールまで、自身の歌も含めた14の歌が感じさせたのはうみくんが魅了されたボカロの世界、高音厨という表現の魅力、そして彼の歌への愛情。4年ぶりのワンマンライブにして実は初めての長丁場のワンマンライブだったというこの夜のステージは“高音厨ソングって最高!”という熱で幕を閉じたのだった。

取材・文◎えびさわなち
撮影◎Eriko Yoshida

■初のボカロカバーベストアルバム『【ボカロ曲を原キーで】高音厨で有名な総再生数1億超えのうみくんがベストアルバムを出した件について【歌ってみた】』

2022年10月19日(水)リリース
https://umikun.lnk.to/umikun_best
【完全生産限定プレミアム盤(う民舗ver.)】¥23,100(税込)
【完全生産限定プレミアム盤(ワーナーミュージックストアver.)】¥23,100(税込)
・スペシャルBOX仕様
・オリジナルパーカー
・オリジナルマスクケース
・A5ポストカード
・うみくん限定ボイス付きトランプ(♡1)
・初回生産限定盤(CD+DVD+フォトブックレット) ※市販商品と同一内容
・イベント参加券 ※“う民舗ver.”と“ワーナーミュージックストアver.”でイベント内容が異なります


▲プレミアム盤ジャケット


▲プレミアム盤特典一覧


▲初回生産限定盤ジャケット

【初回生産限定盤(CD+DVD+フォトブックレット)】¥4,950(税込)
・「シャルル」MV、メイキング映像収録のDVD付き
・封入特典「うみくん限定ボイス付きトランプ♤4」

【通常盤(CD+フォトブックレット)】¥3,300(税込)
・封入特典「うみくん限定ボイス付きトランプ♧2 」 ※初回プレス分のみ


▲通常盤ジャケット表面


▲通常盤ジャケット裏面

▼CD収録曲
01. シャルル
02. ロキ
03. ブリキノダンス
04. ロストワンの号哭
05. ヴァンパイア
06. エンヴィーベイビー
07. ヒバナ
08. 病名は愛だった
09. DAYBREAK FRONTLINE
10. 天ノ弱
11. 脳漿炸裂ガール
12. 乙女解剖
13. 太陽系デスコ
14. 九龍レトロ
15. 命に嫌われている。





「シャルル」配信 https://umikun.lnk.to/CHARLES
「命に嫌われている。」配信 https://umikun.lnk.to/INOCHINIKIRAWARETEIRU
「ヴァンパイア」配信 https://umikun.lnk.to/VAMPIRE

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