【速レポ】<中津川ソーラー>DAY3、a flood of circle「走り始めることが大切なんだよ」

ポスト

「最終日! このバンドから始まります。このバンドがいなきゃ<THE SOLAR BUDOKAN>は始まらない!」──MCに紹介され、ベック・ボガート&アピスの「Superstition」が流れる中、オンステージしたのは、a flood of circle (以下AFOC)だ。

◆a flood of circle 画像

「おはようございます!Are you ready!?」と佐々木亮介(Vo, G)が声を上げ、SEの「Superstition」に被せるようにアオキテツ(G)がブルージーなリフをかき鳴らす。1曲目は「Summertime Blues II」。夏の憂鬱を、佐々木がまるでアジテーションするように語るトーキングブルース・ナンバーは、渡邊一丘(Dr)が鳴らすダンサブルなビートとHISAYO(B)が重心の低いプレイで支えるグルーヴが朝一のステージに駆け付けた観客達を踊らせるサビも持つ。





そして、アオキがギターリフを思いっきり泣かせながら、ノンストップで繋げたのは「ミッドナイト・クローラー」。バンドが求める前に手拍子を始めた観客達は、AFOCのライブの楽しみ方を熟知しているようだ。

3曲目の「Sweet Home Battle Field」では、佐々木がギターを持たずにタンバリンを鳴らしながら、ステップを踏んだり、ステージに寝転んだり、自由奔放なパフォーマンスでも観客達を楽しませる。



そして、跳ねるリズムが印象的なポップなロックンロール「理由なき反抗 (THE REBEL AGE)」で気分をちょっと変えたところで、佐々木が観客達に語ったのは、ほぼ毎年出演してきた彼だからこそ語れる<中津川THE SOLAR BUDOKAN>の思い出だ。

「一番の思い出は、広島カープが優勝して、ウエノコウジさんがみんなに胴上げされたこと……じゃなくて、このフェスが始まった9年前、俺達の出番がこのステージの朝イチだったこと。だから、このフェスは俺達から始まったのね(笑)。こんなにソーラーパネルが並んでいるフェスが10年続いてるって、誰のおかげって、みなさんのおかげですよ。すごいと思う」──佐々木亮介


この日、AFOCは中盤に演奏したバラード「花火を見に行こう」、エモいロックナンバー「バタフライソング」、彼らの新しいアンセム「北極星のメロディ」の3曲以外、どちらかと言うと、懐かしい曲を選曲していたように感じられたが、そんなセットリストは9年前のことを思い出したことと関係があったのかなかったのか。

「10年間、変わらないタイジさんのヘアスタイルのサイズ。30年経ったら、小さくなってるかもしれないし、30年後、俺達もどうなってるかわからないけど、走り始めることが大切なんだよ。このフェスがコロナ禍の中、もう1回、走り始めたことがうれしい」──佐々木亮介



そんな言葉を裏付けるように、走り続けることをやめないロックンロールバンドの矜持を歌った「北極星のメロディー」から、AFOCがラストスパートを掛けるようにノンストップで演奏したのは、“Oh Yeah Keep On Rolling”と繰り返す「Boy」、“俺は遠くを目指す”と歌う「シーガル」、そして“土砂降りの中を走ってゆけ”と歌い出す「ベストライド」の4曲だった。

初日の大雨を経験しているだけに「ベストライド」にはニヤリとせずにいられなかった。1日目を踏まえた上での選曲だったのかなかったのか。ともあれ、エネルギッシュなパフォーマンスは、もう1回走り始めた<中津川THE SOLAR BUDOKAN>に対するAFOCなりのエールであると同時に、俺達も何度だって走り始めるぜ、という改めての宣言に思えたのだった。


取材・文◎山口智男
撮影◎柴田恵理

【REVOLUTION STAGE】セットリスト

01. Summertime Blues II
02. ミッドナイト・クローラー
03. Sweet Home Battle Field
04. 理由なき反抗 (THE REBEL AGE)
05. 花火を見に行こう
06. バタフライソング
07. 北極星のメロディー
08. Boy
09. シーガル
10. ベストライド

■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>

日程:2022年9月23日(金・祝) 、24日(土)、25日(日)
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ

この記事をポスト

この記事の関連情報