【速レポ】<中津川ソーラー>DAY2、シアターブルック「音楽は、平和そのものなんや!」

ポスト

ダンス・ホールの始まりか。吉沢Dynamite.jp(DJ)が一人登場して、ターンテーブルとサンプラーでオーディエンスをうねらせていく。その音にメンバーも煽られるようにして登場した。そのメンバーとはもちろん佐藤タイジ(Vo,G)、中条卓(B)、Yasuhiro Yonishi(デッキ)、沼澤尚(Dr)。シアターブルックだ。

◆THEATRE BROOK(シアターブルック) 画像

しかし佐藤タイジがギターを鳴らし始めるとムードは一変。壮大な景色を想起させるコードやフレーズが広がっていく。弾きながら佐藤タイジは語り始めた。



「2012年12月20日、<THE SOLAR BUDOKAN>は日本武道館で始まりました。武道館でソーラー発電だけでやりたいんやって。FUJI ROCKのAVALON(GYPSY AVALONステージ)をやっていた舞台監督に相談して、武道館でどうやったら太陽光でやれるかなって。オマエはアホか、と言われたのを覚えてます。そんでもみんなが協力してくれて。で、これですよ。みんなが集まってきてくれたからやね。太陽光の音はこんなにいいんだってことを、みんなで共有できてんのがさ、素晴らしいじゃん。世界中でもないよ。太陽光は音がいいってことを知ってる人は、こんなにもいないと思うよ。だからみんなで言ってこう。自慢しよう、これ。これが俺の自慢ですよって。ていうか、これが俺の人生ですよ」

そして歌い始めた「Purple Rain」。青空のずっと先まで、中津川を囲む山並みの遠くまで響いていく。佐藤タイジの歌を心地よく聴きながら、腕を上げ揺れるオーディエンス。音楽と自然と人、全てが溶け合ったドラマティックな光景がここにある。佐藤タイジの弾くギター・ソロは、喜びの声となり、歓喜の大歓声となり、響き渡った。





こうして感動的に始まったシアターブルックのライブ。だが「あふれ出すばかり」からはファンキーなグルーヴで、会場を自然の中に生まれた巨大なダンスホールへと変える。リズムやオーディエンスからのバイブレーションも感じながら、インプロで自由自在にフレーズやカッティング・プレイを聴かせる佐藤タイジ。そのフレーズも弾く姿も、最高にセクシーでカッコいい。


「気持ちいい。しかも、音いい。音いいっすね。素晴らしいっすわ。いや、でもホント晴れて良かったですね。昨日とかやって思った。久しぶりやん、有観客で中津川でやるのは。安定感が違うね。<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>はズッシリしてる、10年目やしっていう感じで。この安定感、すんばらしい」

自画自賛が止まらない佐藤タイジ。言わずともわかっていることでも、言葉に出して言うのは大事。みんなからも大拍手が起こり続けた。

新曲「Love On Green」を挟み、今年5月に他界したシンガー=小坂忠の「ほうろう」も披露。佐藤タイジは小坂氏のシャツを着て、感謝と愛情を込め、ファンキーに聴かせていった。さらに新曲「音楽は終わらない」でオーディエンスを酔わせ、躍らせつつ、ステージがエンディングに入ったときだ。



ステージにはジャンベ奏者としてオマール・ゲンデファル、辻コースケが飛び入り。二人の叩く野性的リズムにギターで絡む佐藤タイジ。その勢いのまま突入した「音楽は終わらない」は、ロックもファンクもラテンも何もかも飲み込んだワールド・ミュージックだ。客席エリアでは、メキシコのお祭りを思わせる巨大な骸骨人形が踊り、オーディエンスも自由に身体をうねらせ、生きている喜びと音楽の楽しさを全身で感じ続けた。


「中津川。最高のこのフェスがこれからもきっと続いていきますように、みんなで育てよう。このフェスが育っていったら、もっとましな日本になると思う。音楽は、音楽は、平和そのものなんや!」

曲に乗せて思いをメッセージすると、みんなからの大きな拍手がポジティブなエネルギーとなって、「音楽は終わらない」をさらに活き活きと躍動させていった。さすが、<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>のオーガナイザー。音楽の大切さも感動も役割も伝えるステージとなった。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎三浦麻旅子

【REVOLUTION STAGE】セットリスト

1. Purple Rain
2. あふれ出すばかり
3. Love On Green
4. ほうろう
5. 音楽は終わらない
6. ありったけの愛

■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>

日程:2022年9月23日(金・祝) 、24日(土)、25日(日)
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ

この記事をポスト

この記事の関連情報