148のツイートから生まれた『Zola ゾラ』、ミカ・レヴィが生み出すサイケデリックな音の宝石箱とは？

デトロイトのウェイトレス兼ストリッパーのゾラは、電撃的に出会ったダンサーのステファニから“フロリダへの出稼ぎ旅”に誘われる。これが48時間の悪夢の始まりだとは露知らず......。2015年、アザイア“ゾラ”キングが自らの実体験をTwitterに投稿し、大きな話題となったスリリングな“148のツイート”をスタジオA24が映画化、全米では1500スクリーンで公開されスマッシュヒットを記録、サンダンス映画祭でも大喝采を浴び、若者を中心に熱狂的なファンを生み出したSNS時代の⻘春ロードムービー『Zolaゾラ』が2022年8月26日(金)公開される。

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不安を煽るSNSの電子音、ジュエリーボックスを開いたようなキラキラしたハープの甘い音、不条理な魅力を孕んだアンビエント・サウンド......混沌としながらも観客を一気に映画の世界観に引き込むサウンドトラックも魅力のひとつとなっている本作。手掛けたのはプログラミングソフト、記譜法、即興演奏を駆使して音楽を制作することで知られ『アンダー・ザ・スキン種の捕食』(13)の映画音楽やロンドンを拠点として活躍するアーティストとしても知られるミカチューことミカ・レヴィだ。

「『Zolaゾラ』の世界は(ヒエロニムス・ボスの有名な三連の絵画)「快楽の園」ように、天国、地上、地獄で構成されています。ゾラのデトロイトの家は天国で、彩度が低い。地上は家を出てフロリダでの最初の36時間で、色彩と光の騒乱。地獄はゾラとステファニがお先真っ暗に陥った段階のことです。何もかも元通りになんてなるわけがなく、彼女たちは家から最も遠い場所に来てしまったのです」とブラヴォー監督が語るように、視覚の世界と同じく、音の世界でも“天国・地上・地獄”の3つに分けたとレヴィは明かし「楽しんでいるはずのものが、一転して罰を与えてくる。そうでしょう? ポテトチップスを食べ過ぎるとチップスになっちゃうよ、みたいな。楽しみすぎていると、ドラムの音は止まってくれなくなってしまうんです」とユーモアたっぷりに語り、物語が進むにつれ、観客に時限爆弾の時間切れが迫っていることを徐々に明かすような仕掛けが密かに仕込まれていることを示した。

あのカニエ・ウェストは本作を二回も見て劇伴の中の一曲「Wanna Trap」のミックスを発表したほか、劇中ではアッシャー、ミーゴス、2チェインズなど、大人気アーティストたちの楽曲が満載なことも話題。こちらも合わせてチェックを。





◆『Zola ゾラ』 オフィシャルサイト