【速レポ】<京都大作戦2022>SUPER BEAVER、「今日も一瞬一瞬の勝負をあなたと一緒にやりにきました」
太陽が丘は、たくさんの人で埋まりSUPER BEAVER登場のアナウンスで、会場にこだまするような大きな拍手が起こった。SEのなか登場した柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原“34才”広明(Dr)が円陣を組んでから、爆音をかき鳴らすと、ステージ袖から颯爽と渋谷龍太(Vo)が登場……ん? なんかちがう。いや、全然ちがう。
◆SUPER BEAVER ライブ写真
登場したのは、前のステージで渋谷に扮していた四星球のドラマー・モリスである。今にも歌いださんばかりにステージ中央で構えるこのニセ渋谷の肩を、ポンポンと叩いたのは本物の渋谷龍太。そしてニセ渋谷に取って代わって口上を述べ、「俺たちが本物のSUPER BEAVER。お世話になります」と言って早速、オーディエンスに手をあげさせた。先輩のおふざけにしっかり乗っかるSUPER BEAVER。普段はなかなか見られないバンド同士の絡みは、<京都大作戦>でなければありえない光景だろう。
ショートコントさながらのはじまりではあったが、4人が揃うと一転。オーディエンスの手拍子を伴奏に、アカペラで歌いだす「美しい日」から、会場はヒリヒリとした緊張感と爆発的な高揚感とが入り混じって、SUPER BEAVERらしいエモーショナルな空間に変わっていく。バンドアンサンブルがどんどんボリュームを上げると、「ジャンプできますか」「大作戦、まだ目覚めてないですか。今年はずいぶん、手拍子小さいですね」「遠慮なしで」と柳沢や渋谷が煽り、冒頭の「美しい日」そして「らしさ」からマックスの熱量を更新する勢いだ。
「ニセモノ注意、ということで。本番前にああいうことやられると大変迷惑でございますのでね、無理くり先輩の楽屋に行って引きずりだしてきました(笑)」と、渋谷はオープニングの顛末に触れる。そして「京都大作戦と自分たちは切っても切れない関係にあるかなと勝手に思っている」と言って京都大作戦との縁をつなげてきた思いを語った。
「我々18年目の新人でございますけども、結成して10年、まだフェスにまったく無縁だった自分たちを発見してもらって、オンステージさせてもらったのが2014年。そこからずっと京都大作戦にも10-FEETにも、京都のあなたにも、京都まで来たあなたにも大変お世話になってます。この場所で今日も、一瞬一瞬の勝負をあなたと一緒にやりにきました。一緒に音楽をしましょう」(渋谷)
湧き上がる衝動感をそのまま音に封じ込めたようなギターやベース、そして全速力で地を駆っていく藤原のパワフルなドラミングが歌を勢い付けて遠くまで放っていく「突破口」。観客が合唱したり声を上げることができない分、メンバーによるシンガロングがいつにも増してタフで、熱い。この爆裂なアンサンブルに続いて、「名前を呼ぶよ」はその歌と言葉をまっすぐにオーディエンスひとりひとりに手渡すように歌う。
バンドの佇まいや放つ音はどんどんスケールを増して、大きな会場も掌握するバンドになっているけれど、その歌はどんなに会場が大きくなっても、フェスの会場でもオーディエンスのすぐ隣でそのリアルな鼓動を聞かせてくれる。バンドとしての着実な成長を見せ、そしてその都度、泥臭くも最高のステージを見せてくれる。この信頼感が、SUPER BEAVERが<京都大作戦>の常連へとなっている所以だ。
「自分たちの18年という歩みが、長かったのか短かったのか。ただ、ダテに重ねてきた18年じゃないのは、最近のライブ1本1本で色濃く感じるようになった」と、渋谷はいう。そしてその矜持を裏打ちする思いを続ける。
「2020年に2度目のメジャーデビューをして。それまでは10年間インディーズで、自主レーベルを作って自分たちで活動してきました。4人でやってきた時間が長かったからこそ、4人では音楽はできないことに気づかされた。ここに立てる意味が、この1日が、俺たちにとってのこの35分が、自分たちにとっての今日のすべてです。この場所に立っていることを嬉しく思いますし。このイベントを作ってくれるたくさんの人がいて、そしてその意思に賛同したあなたがこの場所にいてくれて。あなたがいろんなものをかっこよく守ってくれるから、このフェスが続いているんだと思います」
「来年も京都大作戦に、10-FEETに、あなたに呼んでもらえるバンドでいたいなと本気で思ってます。しっかりと地に足つけて精進しますので、これからも何卒よろしくお願いします」という言葉に続いた曲は、「東京」。人との出会い、その結びつき、かけがえのなさに思いを馳せ、同時に自分の人生が豊かに彩られていくのを実感するような「東京」の生み出すドラマが、MCとも重なる。
メロディアスなベースに心が躍り、高揚していくオーディエンスに向け、「もう1曲やってもいいですか、この瞬間からはじめていこうぜ大作戦」(渋谷)と最後に聴かせたのは「青い春」。いつもならボーカルの声をも凌ぐような会場一体の大合唱で歓喜に満ちるこの曲だが、今回はそのシンガロングの衝動を手拍子や突き上げるコブシに変える。会場の後ろまで、しっかりと手が上がっている光景を見た渋谷は、「今日も大成功しますよね」と笑みを見せた。そして、「次はライブハウスで会いましょう。愛してます、ありがとう」と、充実したステージを終えた。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎瀧本 JON...行秀/青木カズロー
セットリスト
2.らしさ
3.突破口
4.名前を呼ぶよ
5.東京
6.青い春
■10-FEET主催<京都大作戦2022 〜今年こそ全フェス開祭!〜>MISSION IMPOSSIBLE-KYOTO 2022 ~Hope for whole day festivals this year!~
2022年7月03日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月09日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月10日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30/start11:00
■出演アーティスト ※50音順■
▼7月02日(土)
【源氏ノ舞台】打首獄門同好会 / ウルフルズ / SHISHAMO / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】Unblock / Suspended 4th / NAMBA69 / HERO COMPLEX / 夜の本気ダンス / LABRET
▼7月03日(日)
【源氏ノ舞台】Creepy Nuts / G-FREAK FACTORY / SiM / 四星球 / 10-FEET / ヤバイTシャツ屋さん / WANIMA
【牛若ノ舞台】Age Factory / THE冠 / SHADOWS / SHANK / Hakubi / LONGMAN
▼7月09日(土)
【源氏ノ舞台】ACIDMAN(出演キャンセル) / The BONEZ / サンボマスター / 10-FEET / Dragon Ash / Vaundy / My Hair is Bad / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】上江洌.清作&The BK Sounds!! / go!go!vanillas / SHE'll SLEEP / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / Dizzy Sunfist / NOISEMAKER
▼7月10日(日)
【源氏ノ舞台】クリープハイプ(出演キャンセル) / Ken Yokoyama / 湘南乃風 / 四星球 / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / マキシマム ザ ホルモン
【牛若ノ舞台】KOTORI / Saucy Dog / SHIMA / TETORA / Paledusk / HOTSQUALL
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代金の払戻しは行いませんので、予めご了承下さい。
▼チケット料金
1日券 8,778円(税込) /前2日券 17,556円(税込) /後2日券 17,556円(税込)
▼チケットに関するお問い合わせ
(問)インフォメーションセンター(平日のみ)
https://ticket.kyoto-daisakusen.kyoto/contact
▼公演に関するお問い合わせ
(問)サウンドクリエーター https://www.sound-c.co.jp/contact/
電話でのお問い合わせ:06-6357-4400 (月・金12:00~15:00 ※祝日を除く)
【京都大作戦2022 新型コロナウイルス感染症対策について】
「京都大作戦2022」では、新型コロナウイルス感染症の予防と感染拡大防止及び、お客様・出演者・スタッフの安全を確保するべく、感染症対策ガイドラインを定め、対応に最善を尽くして参ります。チケットのご購入ならびにご来場に際しましては、必ずご確認いただき、ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。(オフィシャルサイト掲載文言抜粋)
京都大作戦2022 新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン:https://kyoto-daisakusen.kyoto/22/guideline/
この記事の関連情報
SUPER BEAVERが出演『アサヒスーパードライ』新WEB CM、11/19に配信開始。主催ライブ招待キャンペーンも実施
SUPER BEAVER、メジャー再契約後フルアルバム3枚をレコードで3か月連続リリース
10-FEET、バンド史上屋内最大規模のライブ映像作品を12月発売決定。全31曲・約2時間半のライブ+ドキュメンタリー映像も
HY主催フェス<HY SKY Fes 2025 &前夜祭>第2弾発表にSUPER BEAVER、imase、大塚愛、CHEMISTRYなど5組
SUPER BEAVER、新曲「まなざし」が映画『金子差入店』主題歌に決定
【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>10-FEET、「ジャンルの壁や境界がない」
【ライブレポート】フェスの改革と変化。音楽フェス文化を次世代へつなぐ<フジロック>の現在地
SUPER BEAVER、ライブ映像3本を収録した映像作品集リリース決定
【速レポ】<京都大作戦2024>10-FEET、今年も新たな伝説の1ページを加え閉幕「ほんまかっこよかったから、ライブもみんなも!」