【インタビュー】磯山純、音楽プロデューサー小倉良との親密な共同作業で生まれた最新曲「幸せな何かと聞かれたら/MITO!」

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■もし自分が歌えなくなったり、いなくなったとしても
■「こんなことを思って生きていた男がいた」というものが残ったらいい


――そしてもう1曲の新曲が「幸せは何かと聞かれたら」で、この2曲がシングルということになりますか。

磯山:そうです。僕の中では両A面です。どっちも必殺技みたいな感じです。

――「幸せは何かと聞かれたら」は、どんなふうにできた曲ですか。

磯山:鈴木貴彦(Piano Bass World)くんというピアニストが僕の友達にいて、彼のライブで曲を作っているさまをお客さんに見てもらおうという企画があったんです。そこで僕を呼んでいただいて、どういう曲を作ろうか?と思った時に…コロナ禍ですごくつらいと思った出来事があって、ヨーロッパのニュース映像なんですけど、お母さんが看護師で、久しぶりに家に帰った時に、小さい子供が玄関に走って来るんですけど、感染のリスクがあるから手を触れることができないんです。離れた距離でお父さんが子供を押さえて、子供は泣きながら「ママ!」と叫んでいる、というシーンを見て…ほかにも、たとえば老人ホームや施設に入所した人とも会えなくなってしまって、死に目にも会えないとか、そういうつらい現実を見ていると、残された側の人が本当につらそうなんですね。そういう人たちに向けて何かできたらいいなと思った時に…亡くなった方は、残された方がずっと元気でいてほしいと思っていたんじゃないかと思って、そういうことを歌える歌を作りたいなと思っていたんですね。


▲「幸せは何かと聞かれたら / MITO!」

――はい。なるほど。

磯山:その日のうちに曲を作る、という企画だったんですよ。それで「こういうことを歌いたいんだよね」ということを鈴木くんに話したら、「ちょっと考えてきたメロディがある」ということで、その場でバーッと作ったのがこの曲です。

――素敵な曲です。思いが伝わります。アレンジも歌詞に寄り添うようにシンプルで、愛情を感じます。

小倉:ありがとうございます。

――という2曲が揃って、どちらも甲乙つけがたいので、両A面としてリリースしようということですね。曲調もメッセージも、真逆と言っていいほどに違う2曲なのが面白いです。

磯山:そのほうがよりシングルっぽいなという感じが、僕の中ではあるんですね。たとえばDREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE」のカップリングは「嵐が来る」という曲で、“♪私は今にもあなたを殴りそうな手”と歌っているんですよ。「LOVE LOVE LOVE」とはまったく違うんです。僕は90年代、2000年代育ちなので、シングルの2曲はどちらも良い曲でガツン!と行きたいんですよね。両方裏切る感じがあって、でもどっちも良い曲で、そういう感じですね。


▲磯山純

――いろいろな表現の角度を持っているシンガーソングライターですね、磯山さんは。

小倉:そうですね。でも俺的にはちょっと真面目過ぎるかな?と思う。

磯山:あはは。

小倉:ミュージシャンとしては、ね。ミュージシャンは、基本ふざけてるほうがいいと思っているから。ちゃんとしたところはみんな持っていて、それはいつの間にか出ますから。だからいつも崩しています。「磯山くん、硬いよ」って。

――それで「MITO!」を作ってきて、磯山さんに歌わせてやろうと(笑)。

小倉:そういう楽しさを覚えてくれたらいいなと思うんですよ。楽しみながら、でもちゃんと音楽をしている。何も説明しないで、「MITO!」のあとに「幸せは何かと聞かれたら」をパッとやるのがいいんですよ。黙ってやればみんなが感動して拍手する、それが本当だと思うんですけどね。

――この2曲は、もうライブでは披露していますか。

磯山:「幸せは何かと聞かれたら」は、少しずつですね。「MITO!」は一回だけやりましたけど、ワンコーラスしかない時なので、完成版はまだ歌っていないです。振付も考えて、みんなで踊ってもらいたいなと思っています。

小倉:いいですね、その馬鹿馬鹿しさ(笑)。

磯山:振付を「M.I.T.O」にしようと思ったんですけど、ちょっと忙しいので、「M.T」ぐらいにしようかと思っていますけど(笑)。

小倉:衣装は西城秀樹さんばりに、袖の下にヒラヒラをいっぱい付けてね(笑)。それを言ったら嫌そうな顔してたけど。

磯山:…アマゾンか何かで探してみようと思います(笑)。


▲小倉良

――今度ライブをやる東京キネマ倶楽部には、ミラーボールもありますよ。

磯山:そうなんです。ミラーボールもあるし、2階のステージもあるので、いろいろ使えるかもしれない(笑)。

――その、6月11日の磯山純ワンマンライブ、場所は東京キネマ倶楽部。バックを固めるバンドのバンマスは、もちろん小倉良。どんなライブにしたいですか。

磯山:まず、楽しい日にしたいですね。お客さんはいろいろな場所から来てくださると思うんですけど、まだ東京に来ることが不安な方もいらっしゃったり、いろんな事情をお持ちの中で、大切な時間を費やしていただくわけですから。今日も「チケット買いました」というツイッターを見て、「楽しみです」という言葉をもらって、それがすごくうれしかったんです。キャッチボールって、相手がいないとできないじゃないですか。僕にとって、楽曲を受け取ってくださる相手がいらっしゃることがすごくうれしくて、「この人のために頑張ろう」と思わせてくださるので、楽しみに来てくださる方が、より楽しかったなと思ってもらえる日にしたいと思います。派手な衣装を着るかどうかはわかりませんけど(笑)。

小倉:ぜひやってほしいね(笑)。まったくウケなくても面白い。

磯山:着替えの時間がほしいので、5分間ぐらいの小倉さんの超長いソロをやってもらっていいですか。

小倉:ムリムリ!(笑)

――エンタメ的にもお楽しみあり、ご期待ください。ということにしておきましょうか。

磯山:そうですね。でも本当に、エンタテインメントだと思うんですよ。どうしても衣食住のほうが大事だと思うし、音楽はそれを補完するものですけど、心の栄養として大切だと思ってくださる方々が、より元気になって帰っていただくものになればいいなと思います。

小倉:あとは、今の磯山純のすべてを見せるライブにしたいね。

磯山:そうですね。今までずっとやってきたことを、すべて集結させたものをやりたいと思います。

――そして、そのあとは、また<I.S.O.FES.>です。ここ2年はコロナ禍で開催できていないわけですけど、今後復活の予定はありますか。

磯山:そうですね。場所や時期を考えながら、来年はやってみようかなと思っています。

小倉:すごいですよ。なかなかできない。

磯山:言っちゃったんで、やらざるを得ないんですけど(笑)。今後は来年のフェス開催を目指して頑張りたいのと、あとは引き続き自己の成長ですね。ミュージシャンとしてもっと良い曲を書きたい、スキルアップしたいということで、最近本当に思うのは、いつどうなるかわからないということをより強く感じていて、「残したい」という思いが強いんです。自分の作品としてちゃんと形として残しておきたい。自分が歌えなくなったり、いなくなったとしても、「こんなことを思って生きていた男がいたんだ」というものが残ったらいいなと思っています。

取材・文:宮本英夫

リリース情報

Digital Single「幸せは何かと聞かれたら / MITO!」
6月3日(金)Release
各配信サービスへは下記リンクから
◆https://lnk.to/ISOJ-0017

Digital Full Album『Sing for you』
ISOJ-0016
発売中01. サヨナラは2人のレイニーデイ
02. Sing for you
03. 花火
04. Let it be now
05. Special Lady
06. Endless Love
07. 君のかけら
08. Baby I need you
09. 指標
10. 愛がめぐるまで

各配信サービスへは下記リンクから
◆https://lnk.to/JunIsoyama_SFY

ライブ・イベント情報

磯山純ワンマンライブ<Sing for you ツアーファイナル~キャバレーナイトフィーバー~>
6月11日(土)@東京キネマ倶楽部
open : 14:00 / start: 14:45
出演:磯山純 バンド編成 小倉良バンマス

磯山純弾き語りワンマンライブ
<~Birthday Eve Party~>
6月11日(土)@東京キネマ倶楽部
open: 18:00 / start: 18:30
出演:磯山純

各公演のチケットは下記リンクから
◆https://eplus.jp/sf/word/0000056967

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