【レポート】ミューズ、ファン垂涎のレア曲を多数披露したプレミアム・チャリティー公演開催
UKの国民的なロック・バンドの一つであり、フェスのトリをつとめるなど日本でも大人気のミューズ。
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2022年8月には待望の新作アルバム『Will of the People』の発売も控える彼らが「ウォー・チャイルド」と「国境なき医師団」が主催するチャリティー・ライヴに出演するとの情報を聞き付け、先日FOALS公演に続き「潜入」してきた。この日5月9日の会場は“Eventim・ハマースミス・アポロ”。チャリティーの主旨もありチケット代も60ポンド(約1万円)や140ポンド(約2万3千円)など高めの設定のこの日。とは言え、キャパ5,000人のホールでミューズのライヴを目撃するというのはファンにはたまらない体験。会場には過去のツアー・Tシャツを身にまとったアツいファンが大勢集結していた(会場付近ではミューズが表紙の『Big Issue』の特別号も販売していた)。
500メートル近く伸びたソールド公演の長蛇の入場列に驚きつつ、入り口をくぐると、そこには黄緑色をベースにした“ハマースミス・アポロ”のフューチャー・ノスタルジックなエントランス空間が広がる。一階、そして二階のバーとも曲線の美しさを活かしたデザインで、SF映画のセットに迷い込んだような気分。マーチ売り場には、大勢のファンで巨大な人だかりが出来ていた。
一方、ライヴ会場のホール内は、深緑色を基調としたシックな空間、そのギャップが生み出すスペクタル感もこの会場の魅力と言えるだろう。1950年代から様々なアーティストが出演してきた“ハマースミス・アポロ”はUK音楽の「聖地」の一つですが、クイーンのライブ・アルバム『オデオン座の夜〜ハマースミス1975』の舞台でもある。クイーンとミューズと言えば、ロックをはじめオペラやディスコなどの幅広い音楽性を取り入れつつ、チャートでも大成功を収めたUKロック史のモンスター・バンドという共通点を持つ二組。格式を感じるホール内では、そんな歴史を超えた繋がりにもつい思いを馳せたくなる。
そんな会場の雰囲気も楽しみながら迎えたミューズのライヴ。「Won't Stand Down」や「Compliance」といった新作からの先行曲で早くも大合唱が巻き起こるのはもちろんのこと、ディープなファンが集まることを見越してか、レアな選曲も多数披露。2006年のシングルのB面だった「Assassin("Grand Omega Bosses edit" version)」やキャリア曲の人気曲の「Space Dementia」、さらに2002年のリリースながら、この日20年越しでのライヴ初披露となった「The Gallery」(流石のマシューも演奏前「通の中の通の曲」と紹介していた)等のレパートリーでファンを驚喜させた。
ライヴ後半は「Starlight」「Plug In Baby」「Supermassive Black Hole」など誰もが拳を振り上げずにはいられないライヴ・アンセムをこれでもかと投下。会場は終始大合唱でフロアを揺らし、それに応えた。そして、もちろん最後は壮大な「Knights of Cydonia」のサウンドで、貴重なチャリティー公演の幕を締めくくった。
寄付の目的のため舞台セットも照明のみとストイックで演出が控え目な分、ハードでエモーショナルなロック・バンドとしてのミューズの魅力を、存分に堪能することができた珠玉の一時間半。果たしてこの日のステージが、彼らの新作の方向性を占うものなのかどうか、とても気になるところだ。まずは熱い演奏を通してバンドが伝えた平和への思いを胸に、アルバムを聴くその日を楽しみに待ちたい。
『ウィル・オブ・ザ・ピープル』
※日本盤CDの詳細については決定次第発表いたします
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https://SonyMusicJapan.lnk.to/MuseComp
■収録曲
1. Will Of The People / ウィル・オブ・ザ・ピープル
2. Compliace / コンプライアンス
3. Liberation / リベレイション
4. Won’t Stand Down / ウォント・スタンド・ダウン
5. Ghosts (How Can I Move On) / ゴースツ(ハウ・キャン・アイ・ムーヴ・オン)
6. You Make Me Feel Like It’s Halloween / ユー・メイク・ミー・フィール・ライク・イッツ・ハロウィーン
7. Kill Or Be Killed / キル・オア・ビー・キルド
8. Verona / ヴェローナ
9. Euphoria / ユーフォリア
10. We Are Fucking Fucked / ウィ・アー・ファッキング・ファックト
◆ミューズ オフィシャルサイト
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