【インタビュー後編】Psycho le Cému、新コンセプトを発表「メンバー全てが能力者なんです」
■渋公はバンドマンにとって重要な場所
■僕らにもたくさんの想い出がある
──今の時世にふさわしい、強く響くメッセージのように感じます。コンセプトやキャラクター設定については、皆さんで話し合って決められているんですか?
DAISHI:うん、ホントそうですよ。ZOOMで打ち合わせもするんですけど、やっぱりオンラインはあまり良くないですねぇ。
AYA:ふふふ。
seek:ZOOMになると、“今、俺しゃべってます。はい、次どうぞ”感がやっぱり出てくるもんね。
DAISHI:ZOOM打ち合わせが浸透してから、バンドが急に鈍くなったイメージが僕にはありますね。やっぱ、デニーズやで(一同笑)。
──ファミレスで顔を合わせて話し合うことは大事だ、と。
DAISHI:こめかみが痛くなるぐらいまでしゃべりますからね、こういう打ち合わせのときは(笑)。
Lida:設定がどうやこうやって。
DAISHI:普通のバンドさんやったら考えれないぐらいのものを。「宇宙に行こう!」みたいな話もするもんな?
seek:デニーズで隣に座ってる人は、たまんないと思います。
DAISHI:ヤバいと思うよな。この髪の毛のヤツらが「海賊船で行く? 宇宙船で行く?」みたいなこと言い出すわけだから(一同笑)。
seek:ヤバいヤバいヤバい!って(笑)。
DAISHI:「いや、俺、金属動かせるほうがええと思うんよ」とか、ヤバいで(笑)。
▲seek (B)
──デニーズでは隣に座っている人たちをギョッとさせるかもしれませんが(笑)、非現実的にも聞こえる打ち合わせを経て、今、現実につらい想いをしている人たちに作用していく。そういう力をコンセプトが帯びていくわけですよね。
seek:そこがPsycho le Cémuの面白いところで。そういう根っこのパーソナリティーみたいなのはあるんですけど、基本、非現実的なファンタジーの世界をやっぱり皆さんはステージに観に来てくれてると思うし。そこに楽しさを感じてもらえるんやろうなとはすごく思いますね。そういうライヴをつくっていけたらなと思います。
DAISHI:うん。
──5月3日のライヴが楽しみです。
seek:5月3日のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)に関しては比較的、オープニング要素が強いと思います。まずはここで観ていただいて、このテーマやストーリーを改めて、ファンの方も含めて一緒につくっていけるような展開にもっていければな、と思っています。
──チケットの一般発売は4月10日(日)からスタートするそうで。
seek:そうですね。振替公演も含めて、全国ツアーも一旦終わっていることでしょう。
Lida:うん、終わってるはず。
──渋谷公会堂という場所も、前編インタビューで語っていただいた地元・姫路公演とはまた違った意味で、ドラマを感じる会場ですよね。
seek:そうですね。昨年できなかったというところがやっぱり大きい。あとは昨年末、DAISHIさんが虫垂炎になって、年明けて1月末に僕とAYAくんがコロナにかかって。自分たちの活動を思ったように進められていない、というのはすごく感じているんですね。だから、ここからまた再スタートという感じでやっていけたらいいなということが、まずあります。そういう意味で言うと、リスクの高い中でしたけど、昨年10月からのツアーでは各地方に行けたことはやっぱりすごく大きかったなと思っています。
──そうですよね。実際に、コロナ禍で完全に歩みを止めるアーティストも多数いた中、Psycho le Cémuの皆さんは果敢に活動してこられたと思います。
seek:もちろん“どこの会場も満員です”という状況ではなかったですけど、やっぱりその土地土地でしか観られない人たちがすごくいることを痛感できたのは大きくて。もともとのテーマは20周年の締め括りツアーで、20年間の活動の中でお世話になった地方に行きましょう、という想いがあったので、いつもよりもヴォリュームが大きいツアーを予定していたんですね。そういう意味で言うと、こんな状況下ではありましたけど、全国の人たちがこういう時期でも待ってくれてるということを全国を廻ることで改めて実感できたので、やっぱりすごく感じるものが多い旅やったなと思っています。
▲YURAサマ (Dr)
──やはり、直接会うということに大きな収穫があったと。
seek:自分たちとしても、リスクを抱えながら、このコロナ禍でも配信をはじめ、精力的に活動したり、チャレンジもした。でもやっぱりステージに立つということを続けてきたんですね。毎回ライヴが終わってから2週間経って「感染者ゼロでした」と報告する、そういう一つずつを積み重ねてきたんです。自分自身がコロナにかかってしまったということも経験しましたし。またここから、僕らを取り巻く環境を整えて積み重ねていけるように活動していきたいなと思っています。今回は、渋谷公会堂という場所をスタートに、また皆さんに会いに行けるような活動をできたらいいな、と。
──ではLINE CUBE SHIBUYA公演へ向けたお気持ちを、一言ずつ聞かせてください。
Lida:渋谷公会堂という会場名の頃から、すべてのバンドマンにとってすごく重要な場所で、僕らにもたくさんの想い出があって。Psycho le Cémuとしてはコロナの影響でいろいろと延び延びになってそのステージに立てなかった時期があるからこそ──もちろん渋谷公会堂だけじゃないんですけど、ライヴのステージに立てるということの意味とか、このバンドがステージに立つ意味を、5月3日までの残り時間で、すごく考えたいと思っています。そして、5月3日を迎えた時、それに対する“いい答え”を導き出せたら。来てくれるお客さんや、今まで応援してくれているみんなに対しても、また一つ良いステージを届けたい、今はそういう想いです。新しいコンセプトは、そのツールであり、新たなスタートでもあるから、僕らにとってもみんなにとっても、いいステージを目指したい、ただそれだけです。
YURAサマ:渋谷公会堂公演の実現は僕らにとっても久しぶりなので、行くことが楽しみ。当時のこととか思い出せたらいいな、と。
seek:以前ライヴしたときとは、もう建物が変わってもうたからね。
AYA:そや、楽屋とかも全然違うってこと?
seek:全く違う。
YURAサマ:以前のこと、あんまり思い出さんな~……じゃあ、初めて行く会場ということで(笑)。5月3日はここ数年、僕たちの記念日として定期的にライヴをやるようになってきているんですが、日程としてもゴールデンウィークなので、いいですよね。毎年必ずやります、とまでは言わないですけど、ずっと応援してくれている方も、それ以外の方も、「ゴールデンウイークと言ったらPsycho le Cémuだよね」と言えるようなものをつくっていく、そんなライヴとして挑みたいと思ってます。
AYA:周年という大事なライヴでもあり、新しいコンセプトが初めて披露されるライヴでもあるんですが、公演が終わって帰る時にみんなに「今回のPsycho le Cémuのテーマ、めっちゃ面白いな」と思ってもらいたい、という気持ちでつくっているので、そこに特化はしたいですね。もちろん感謝の気持ちもあったうえで、ひとつの物語として楽しんでもらえる、そういうものにしたいと思っています。
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