【今さら聞けない楽器のア・ソ・コ】お題「メロトロン」
“楽器”と一口に言っても、多種多様さまざまな部品から構成されているのはご存知の通り。え、そんなの当たり前じゃない?的なものから、和楽器のマニアなところまで、今さら人には聞けない“楽器のア・ソ・コ”、ご紹介します。第27回のお題は「メロトロン」です。
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60年代に開発された鍵盤楽器。鍵盤を押さえるとテープに録音された音が鳴る仕組みになっており、サンプラーの元祖ともいわれる。アメリカのハリー・チェンバリンが開発したテープを音源による伴奏楽器“チェンバリン”を、イギリスのブラッドレイ3兄弟が発展させ、62年からメロトロンとして販売が開始された。
メロトロンは67年に発表されたザ・ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」のイントロで使われたことで一躍注目を集めた。するとローリング・ストーンズやデヴィッド・ボウイらが追随し、さらにはキング・クリムゾン、イエス、ムーディー・ブルースなどのプログレッシヴ・ロック勢がこぞって取り入れたことで、60年代後半から70年代初頭のロックシーンで大ブームを巻き起こした。
その一方で、約7秒しか再生できない、鍵盤から手を離すとテープが巻き戻る仕組みのため、テンポの速い演奏には向かない、複数の鍵盤を押さえると音程が下がるなどの使い勝手の悪さもあり、メロトロンは次第にすたれていった。しかし、その哀愁味を帯びた独特のサウンドは今なお愛されており、根強い愛好者も多い。
文:竹内伸一
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