【インタビュー】木梨憲武が語る、遊んで楽しむ人生観と無限の“コネクション”「音楽もアートもテレビも意識は全く同じ」

■思うのは勝手だし自由だから
■イメージがあるものは絶対に形になる

──本来だったら今年10月9日および10日の2日間、両国国技館で＜第二回 木梨フェス 大音楽会＞を開催することになっていました。しかし、コロナの影響で2022年4月に延期することが、つい先日発表されましたね。

木梨：そう。どうやら＜木梨フェス＞開催に合わせて、『木梨ミュージックコネクション3』の配信スタートが10月3日になってたんですよ。ところが、フェスが延期になった今、なんで曲を出すんだ？っていう（笑）。でも、出来たんだから出しましょうっていうね。フェスの延期日程は来年4月だから、みなさんに半年間、5曲をエンドレスで聴いてもらえるわけだよね（笑）。


──半年の時間ができたということは、フェスに向けて、新たなおもしろいアイデアがいろいろ生まれそうですね。

木梨：予定ではこの後、配信曲をあと7曲ぐらい作ります。そしてアルバムにして、みなさんに聴いてもらって、そこからフェスに突入すると。この予定も書いといてください。そこには、翔やん、さっしー(指原莉乃)、ピコ太郎、ナオト・インティライミ、いろんな強い方たちが参加してくれると思うんで。あと世良公則さんも入ってくれるだろうな、一昨日、道ばたで出会ったんで。

──それだけがきっかけで参加してもらうんですか（笑）？

木梨：そう、入っちゃう（笑）。世良さんが犬の散歩しているとき、偶然成城で会ったんですよ。「あっ、木梨くん!?」と言われて、「ああっ!! 世良さん！」っつって。実は宇崎さんと世良さんが、けっこう一緒に音楽活動をしてて、俺が宇崎さんとやっていることを世良さんも知ってたんだよね。「いいね」なんて言うから、「世良さん、一緒にお願いします！」って。そうしたら「逆にいいの？ 何でもやるから」って言ってくれたから、“はい、出来た！”って感じでしょ、この流れは。所さん家、世良さん家、レコーディングスタジオって、すごい近所だったんですよ。ご近所の付き合いがね、またおもしろいものになっていくという。

──しかし木梨さんの行動力とスピード感には驚かされるばかりです。

木梨：そこで連絡先を交換しなかったら、次に機会があるかわからないじゃない？ 速攻で世良さんにお願いしたところ、世良さんも「喜んで」と言ってくれたから、「ありがとうございます。じゃあ宇崎さんにもメールしておきます」と。そうしたら俺がメール入れるより前に、世良さんから宇崎さんに「ノリさんと道ばたで会って、こういうこと言ってたよ」って連絡してくれたらしく。宇崎さんは「憲武はそんなヤツだから気を付けて」とメールを返したそうです（笑）。

──そうやってコネクションが広がって、新しいものが生まれていく。ワクワクしますね。

木梨：そうですね。今回の『木梨ミュージックコネクション3』はファンクものではなく、俺たちが聴いてきた、俺たちに響く曲。こういうのを若い人たちに聴いてもらったら、どっか刺さるものあるんじゃないかって、ちょっと思ったりね。それにもワクワクしてるし。

──先ほどこれからの予定も話してくれましたが、木梨さん、再び真正面から作詞することも考えていますか？

木梨：箇条書きを歌にしたいなと思ってんだけどね。素敵なふうに描くテクニックは薄いかもしれないけど、まあ、何曲か書きたいなと思ってますよ。家で起こったことをもとに(安田)成美さんの曲「I LOVE YOUだもんで。」は前に書けたんですけどね。出来事が多過ぎるから（笑）。“成美さんアイ・ラブ・ユー”って歌を、俺はお客さんの前で堂々と歌うんですからね。どういうつもりで聴いてくれてるんだろうか？って途中で思いながら（笑）。でも、心を込めて成美さんに歌っているから。成美さんは「ネタにされてる。イジってる」とか言うんだけど、「いや、そんなことないっす。本当の思いです」って。


──木梨家で起こる出来事をのぞき見しているようで、ちょっと恥ずかしくもなりましたけどね（笑）。

木梨：“同じ墓に入るの いやだって もう言わないで”って詞にしているってことは、そう言われたってことで。そんなこと言わないでください、と（笑）。そういう詞であれば思いもこもりますよ。一方で、みんなに響くようなメロディと詞を自分で書けなければ、プロの人にお手伝いもしてもらえばいいし。自分はボーカルとして届けることができるかって。まだまだソロとしては浅いんで、いろいろできるようになりたいなって思ってますね。

──ソロに向けての野望は尽きないですか？

木梨：思い出作りのくせに、野望も入れようとしているからね。

──その行動力やバイタリティの源はどこにあると思っていますか？

木梨：“さあ、今日は何をしようかな。天気悪いからスタジオのほうがいいかな”とか、家でジッとしてられないだけだからさ。おかげさんでいろんなことさせてもらっているんで、毎日飽きないんですよ。同じひとつの動きじゃない、臨機応変にいろんな動きというのは、じじいなりに疲れるんだけど、でも楽しいことは疲れないんだよね。

──常に刺激を求めている感じも？

木梨：自分から求めると、そうでもない日もあるんだけどね。予期せぬ刺激が急に来たり。世良さんと道ばたで会うってなに？みたいにさ（笑）。今度の「事後報告」という曲には世良さんが入ってくるなとかね。

──あれっ!? 宇崎さんは「事後報告」という曲をとうとう作っちゃったんですか？

木梨：そうなのよ！ 「いっつも事後報告だよな」とか俺に言う宇崎さんが、それをおもしろがって「今、阿木(燿子)に話して、そういう曲を書いているから」っつってね（笑）。さすがでしょ。俺がラジオで何を言ったとか、GYAO!でこうだったとかっていうことを、SNSのタレコミで宇崎さんは知っててさ。いろんな新しい情報が行ったり来たりしてるから、楽しく広がっていってるなって。

──なるほど。

木梨：ライブも気持ちいいんでね。楽しみは広がるばかりですよ。たとえば2日間のイベントだったら、1日目は自分だけ、2日目はいろいろな人を呼んでフェス形式で開きたいなと思ったり。よし、武道館でやろうとか、人が入らなくても球場でライブやってみようとかね。「見てくれ。こんなに人が入らないんだぞ！」って（笑）。赤字はね、ユニバーサルが背負えばいいんだから。うちの事務所は一切絡まないで、ユニバーサルが早とちりしちゃったみたいな感じを、今週のラジオで発表しようかなと（笑）。だって「球場でやりますよ」って言わないと、誰もその体制にならないし。やっちゃいけないわけじゃないんだから。そこにいくらお金を掛けて演出するかってのは、ユニバーサルだけが出せばいいんだから。強い思いで（笑）。でもユニバーサルもたくさんのアーティストを抱えているから。どこまで僕にかまってくれるかは、あなた次第ってことで。

──一番強い脅し文句（笑）。でも夢がどんどん広がって、次々に現実にしていくという木梨さんでしょうね。

木梨：どうせやるんなら豪華メンバーで。よし、スポンサーも募集しようと。「映画を撮りたい」ってのもずいぶん前から言ってるから。俺が撮って、とっ散らかったらいけないから、助監督に成美さんを置こうかなとか。いや、成美さんを監督にして、俺が主役になろうかなとかね。思うのは勝手だし、自由だから。やるにはどうしたらいいって想像したり、モノを言うところからまず始まるでしょ。イメージがあるものは絶対に形になると思っているからね。仲間の応援と、お金が掛かるのであればお金の応援と。でも自分だけ儲けるつもりでやってるわけじゃないですよと。分配も、はい、ユニバーサルさん、あとは俺、俺、俺なんてね（笑）。それは冗談だけど、想像したものが成功したとき、また次ができる。頭で想像するイメージは、いつも大きく描いていきたいなとは思う。

──最後に今回の作品を聴く方に、改めて言葉をいただけたらと思います。

木梨：コアな音楽ファンのみなさんには、それぞれ好きなアーティストがたくさんいると思うんです。それを連続して聴いていったとき、この『木梨ミュージックコネクション3』の5曲をちょっと差し込んでみてくださいと。今までとは違うジャンルだと思うんで。クッション的にいかがですか、差し込んでみませんか、というのが今回の売りなんでね（笑）。差し込みと、休憩がてらに。違う調味料みたいに分かりやすくなっております。カレー味、塩コショウ、タバスコみたいなニュアンス。「これを是非！」というつもりは全くございませんが、配信は1曲250円になっております（笑）。

取材・文◎長谷川幸信







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