【ライブレポート】0.1gの誤算、「俺たちはこの変わりつつあるⅤ系の中を自分で這い上がるしかない」

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0.1gの誤算が9月19日、緑川裕宇(Vo)のバースデーワンマン<やったれ爆進緑川!!~コロナ禍以降最大規模の挑戦~>を東京・TSUTAYA O-EASTで開催した。

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「王であり先導者であり、教祖、神…ボーカルはそうじゃなきゃいけない。だから俺は、これからも、そうあり続ける」。すべての演奏を終え、ステージを去る間際に緑川裕宇が叫んだ言葉だ。

0.1gの誤算を結成する前、「あのバンドのボーカル良くないね。個性ないね」と、周囲から言われていたという緑川。だが、その言葉を跳ねのけ、今ではカリスマ性を誇るフロントマンとして0.1gの誤算をしっかりと率いている。


この日は緑川バースデーワンマン。緑川裕宇の誕生を盛大に祝う、そんな一夜だった。開始早々から躊躇なく激しい曲を繰り出すのが、0.1gの誤算流。久々のワンマンに胸を躍らせ大集合したファンへ、応援歌を届ける。声出しやモッシュの禁止など、まだまだ制限はあるものの、迫力満点のライブは以前と変わらない。それどころか、新しい楽しみ方を見出しながら、さらに進化を遂げているようだ。


「今日は楽しく音楽で遊ぼうぜ」という言葉通り、ライブ中盤では遊び心が詰まったステージを展開。メンバーがローテーションで音を奏でたり、緑川がドラムやキーボードを担当したりと、今日だけのスペシャルセッションが行われた。その流れからアコースティックバージョンで届けられた「虹彩の遺書」では、前半戦とは一味違うエモーショナルな歌声を会場に響かせた。


新旧織り交ぜたセットリストで会場を沸かせた本編。これだけでも十分濃い内容だが、注目すべきはこの後だ。アンコールでは、新しい衣装に身を包んだメンバーが再びステージに登場。貴族風の豪華な衣装にダークなメイクといった、攻めの姿勢を崩さない0.1gの誤算の新ヴィジュアルを打ち出した。そして、今朝タイトルが決まったばかりだという新曲「Act of rebellion 支配ト破壊ノ血印」をライブ初披露。濃厚な世界観でファンを魅了した。


さらに、「これが新しい0.1gの誤算だ。新しい一歩を踏み出そう」という言葉から「利己的メルヘン症候群」「超旋律的疾走暴曲-ネオヴィジュアロックパロディウス-」と、新コンセプトにマッチしたナンバーを次々と畳みかけていった。


今日のライブを「最高の景色だ」と褒めつつも、「俺たちは、この変わりつつあるⅤ系の中を自分で這い上がるしかない。一生努力するしかないんだ」と、緑川は言う。


そんな、泥臭くもたくましい先導者を生み出したバンド、0.1gの誤算。彼らはこの日、多くのファンに祝福されながら、またひとつ新たな船出を迎えた。

文◎藤代冬馬
写真◎堅田ひとみ(nonfixcreative)

セットリスト

01. 桜花爛漫!天晴れサムライ応援歌
02. 獣猛者戦争~轟け!超誤算狩猟!~
03. 【L】1126【悲劇】
04. NEVER ENDING
05. 廃課金式ラブストーリー
06. 溺愛ヤンデレボーイ
07. フルニトラゼパム
08. オオカミ男と月兎
09. 希少種達の運命
10. 虹彩の遺書(Acoustic Ver.)
11. 必殺!からくり七変化!
12. 【S】0723【終焉】
13. PENETRATE~革命と赫明~
- Encore -
14. Act of rebellion 支配ト破壊ノ血印
15. 利己的メルヘン症候群
16. 超旋律的疾走暴曲-ネオヴィジュアロックパロディウス-
17. 救済バタフライ
18. 有害メンヘラドール
19. アストライアの転生
20. アストライアの入滅

◆0.1gの誤算 オフィシャルサイト
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