【インタビュー】ベリーグッドマン、新ALは手作りで贈る会心の一発「アーティスト性は今回が一番出ているかも」

ポスト

■『必ず何かの天才』という言葉にまず引っかかってほしい
■特許を取るような思いでいつも作っている


──確か、前のアルバムの時にMOCAさんが言ってたと思うんですけど、アーティストは発明家で、その人だけのオリジナリティを作り上げたら、そのジャンルでは誰も勝てない、ということを言っていて。

MOCA:はい。

──どうですか。どんどん、そっちの方向へ進めてると思いますか。

MOCA:そうですね。タイトルがまさにそうだと思うし、『必ず何かの天才』という言葉にまず引っかかってほしいし、曲を聴いて「そういう内容なんだ」というところは、特許を取るような思いでいつも作っているので。たとえば「アイカタ」というタイトルは、自分たちが出したあとに出しづらいと思うぐらいには、浸透できたかなと思っていて、今回は逆に、シングルで「ナツノオモイデ」という、ちょっと当てに行く思いで、勝負を挑みに行くということもやっていて。

──同名のヒット曲が、過去にありますからね。

MOCA:「夏の思い出」という曲は、あれ以降出しづらくなっていたと思うし、じゃあそこへ行こうという、そういうこともやりつつ、オリジナリティを出していくということで、クセの強いタイトルが多いですよね。「それ以外の人生なんてありえないや」も、もともと「ウェディングソング」という仮タイトルだったけど、Roverが「それ以外の人生なんてありえないや」というサビの言葉を書いてきた時点で、「これ以外のタイトルなんてありえないや」と思ったので。オリジナリティを発明していきたいという思いは、まったく変わってないですね。

Rover:ただ、オリジナリティは大事だと思うんですけど、出しすぎも良くないと思いますけどね。カップラーメンとか、ポテトチップスとか、たまに驚くような味で出たりするじゃないですか。それってオリジナルなんですけど、オーソドックスがあるからこそできることで、スタンダード感みたいなものは持っておいたほうがいいなとは思います。

MOCA:全部、クセ強いタイトルになってくるからな(笑)。


──「GroovyでDancingなParty」も、クセ強めタイトルですよね。イニシャルがGDPで、深読みもできそうな。

Rover:まったく何も考えてないですね(笑)。

MOCA:ノリですね。

──先行シングルだった「散々」も、タイトルとしてはかなり奇抜というか。

Rover:「散々」も、そうですね。

──「散々」は、リアルだと思いましたね。33歳男子の日常と思想が、一番わかりやすく描かれている。

Rover:確かに、一番のリアルなソングですね。意外に正直に書いてるんですよ。テンポを落としたらメッセージバラードみたいになるし、それぐらいちゃんと書いてます。

──「Alarm」だけは異色で、歌詞はかなりきわどい感じの、男女のラブアフェアな感じもありつつ、曲はヘヴィでファンキーでめちゃめちゃかっこいい。

Rover:「音楽の上では何を言ってもいいんだな」というのは、だんだん証明されてきますよね。だんだんと、役を演じられるようになってきたのかもしれないです、ベリーグッドマンが。正直にものを言うだけじゃなくて、「こういう考え方もあるんでしょうね」という提案もできるというか、ちょっとずつ表現の幅が広がってるのかな?と思いますね。「Alarm」で僕は女性目線の歌詞を書いてるんですけど、それもあんまり今まではしなかったので。何かそういうドラマを、『失楽園』的なものを見ての感想文ですね、これは。


──作家的に、成熟してきたのかもしれない。

Rover:そういうところもあるかもしれないですね。たとえば「ライオン」を今作れと言われたら、たぶんできないと思います。「ライオン」がゆっくり1日を過ごしているみたいな、アホな歌なら作れるかもしれないですけど。

──「ライオンは寝ている」とかですかね。

Rover:そういう意味では、進化しているのか何なのかわからないですけど、過去を捨て続けている可能性はありますね。過去を残していてもあんまり意味がないというか、それには絶対に勝てないんだから、「次のものへ、次のものへ」とやっていかないといけないなとは思っています。

──残すんじゃなくて、捨てる。超えるんじゃなくて、新しく作る。潔いと思います。

Rover:過去に、「コンパス」という曲を超えようとして、めちゃくちゃ頑張った時期があったんですよ。それを超えたと思えたのが「ライオン」だったんですけど、3年ぐらいかかったんで。で、超えたと思った「ライオン」が、その時のリード曲にはならなかったりして、「超えたのに、こういうことか」みたいな、環境のせいにしていたこともあったんですけど。そこで、超えることって本当に無意味なことだなと思ったし、今を頑張ることのほうが大事だなと思ったんですね。結果的に、「あの曲よりこの曲のほうがいい」と思うのは、僕じゃなくて、聴いてくれる人の話なので。自分は、全部いいと思って頑張るしかない。

──金言だと思います。とてもいいアルバムです。

Rover:ありがとうございました。

MOCA:まだ終わってへんで。「ありがとうございます」やろ。

──いろんな人に聴いてほしいですね。ここから、あらためて。

MOCA:自分たちは、曲を作ればたくさんの人に聴いてもらえるという状況には、まだいないので。アルバムが完成して、ここから始まるなという感じです。いい作品はめっちゃ作ってると思うけど、レーベルをやっている以上はCDを売って育てていくということをしっかりやっていきたいです。そうやって、もがきながらやっているさまを、見ていただけたらいいかなと思います。

取材・文◎宮本英夫


リリース情報

ニューアルバム『必ず何かの天才』
初回限定盤:CRCP-40625 ¥3,500+税
通常盤:CRCP-40626 ¥2,545+税

<収録内容>
【CD】(初回限定盤/通常盤共通)
01. Intro ~必ず何かの天才~
02. 必ず何かの天才
03. new era ※eオールスター2021最終決戦テーマソング
04. それ以外の人生なんてありえないや
05. baby you
06. ナツノオモイデ
07. GroovyでDancingなParty
08. Alarm
09. 散々
10. Distance 
全10曲収録

【DVD】(初回限定盤のみ付属)
<映像タイトル>
BGMドキュメンタリー 〜天才とは何か?〜

■「ナツノオモイデ」配信
https://lnk.to/natsunoomoide

▼各CDショップ/ECサイト別特典
・タワーレコード/タワーレコードオンライン:配信ライブチケット
※10月10日(日)14:00〜のライブイベントの模様を配信

・Amazon:「必ず何かの天才」オリジナルA4クリアファイル
=Amazonに関するご注意=
通常商品カートからお買い求め頂きましても特典は付きません。ご予約・ご購入の際には、通常カートをキャンセルして頂き、再度、特典付きカートよりご予約・ご購入をお願い致します。

・楽天ブックス:オリジナルタッチペン付きボールペン

・TSUTAYA RECORDS:ポストカード付応募はがき
※抽選で30名様にご希望の名前&サイン入りB2ポスターをプレゼント

・その他法人、全国拠点店:ジャケット柄ステッカー

詳細ページ:https://berrygoodman.com/contents/451590

▲『必ず何かの天才』初回限定盤

▲『必ず何かの天才』通常盤

<ベリーグッドマン “必ず何かの天才” TOUR 2021-2022>

10月16日(土)大阪・フェスティバルホール
10月17日(日)大阪・フェスティバルホール
10月29日(金)静岡・三島文化会館
10月30日(土)千葉・君津市民文化ホール
11月13日(土)岡山・岡山市民会館
11月14日(日)広島・広島上野学園ホール
11月21日(日)長野・カノラホール岡谷市文化会館
11月23日(火・祝)北海道・札幌教育文化会館
12月3日(金)岐阜・バロー文化ホール(多治見市文化会館)
12月5日(日)福岡・福岡サンパレス
12月11日(土)滋賀・大津市民会館
12月12日(日)奈良・なら100年会館
12月25日(土)宮城・仙台市民会館(大ホール)
2022年
1月8日(土)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
1月16日(日)東京・中野サンプラザホール
開場17:00/開演18:00 (※10/17大阪公演のみ 開場16:00/開演17:00)

チケット一般発売日:9月25日(土)10:00
チケット料金:¥6,800
特設ページhttps://berrygoodman.com/contents/451058

この記事をポスト

この記事の関連情報