【舞台裏トーク】<SATANIC CARNIVAL>The BONEZ、「俺は鬼プラス思考だから」

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オープニングセッションを含め、全6曲約30分間の完全燃焼。The BONEZのステージは4人で出し得るはずのない膨大なエネルギーを発しながら、愛情と勇気がたっぷり詰まったメッセージとして届けられた。

◆JESSE 画像

そのステージ終演直後に行ったインタビューは、現在のJESSEの絶好調な状態が感じ取れるもの。ときに自虐を交えながら、それを乗り越えた言葉には自信が漲っていた。

   ◆   ◆   ◆

■「悔しいけど、このフェスいいなあ!」って
■こんなキズモノの俺でも呼んでくれるんだから

──久しぶりのサタニックでしたが、どうでしたか?

JESSE:まあ、俺からしたらすべてが久しぶりだから(笑)。

──確かに(笑)。

JESSE:The BONEZのワンマンを終えたばっかだったから、ほかのバンドマンに観てもらえるっていううれしさがあったかな。ほかのバンドから刺激がもらえるし、「やっぱ、俺は対バンが大好きだな」と思った。今までは客が盛り上がりのバロメーターにある程度なってたけど、今はどのバンドもそれが使えないじゃん。だから、ライブ中は己を煽るというか、「もっとイケるだろ、もっとイケるだろ!」っていう気持ちでいるようにしてる。

──やっぱり、お客さんの反応ってわからないものですか?

JESSE:俺はわかる。

──どういうところを見てるんですか?

JESSE:みんなの釘付け度かな。あと、どれぐらいの人がいたのかは知らないけど、今日は人が溢れてるように見えた。そりゃあ、事件を起こしたボーカルがやってるバンドだから久しぶりに観てみたいっていう人も多かったんだろうけど(笑)。


──そんな(笑)。今日は1曲目の「Louder」のときに観客に向かって「聞こえねえなあ!」と叫んでましたね。

JESSE:俺が言う「聞こえねえなあ!」は心の叫びだから。「お前らの“気”が聞こえねえな」って。別に「声を出せ」って言ってるわけじゃなくて、自己主張してほしいんだよね。「声出しちゃいけないんでしょ? 暴れちゃいけないんでしょ?」っていう気持ちは捨てて、「出せよ!」っていう。Let it free, man! お金払って観に来てるんだからさ。

──ライブを観ていると、拍手ひとつとってもすごく感じるものがあるんですよね。

JESSE:ああ、あるある。

──観ている側でそれだから、ステージ上だともっと感じますよね。

JESSE:もちろん。ステージ上はその5万倍ぐらい感じてるよ。みんな声が出せないし暴れられないからライブがやりにくい、やる意味あるのかよって言う人もいるけど、俺にとっては屁でもない。何のマイナスもなくやれてるかな。

──あと、今日のライブで個人的に激アツだったのはハウス・オブ・ペイン「Jump Around」のカバーで。どういうきっかけであの名曲をカバーすることになったんですか?

JESSE:去年、<Rush Ball>に出たとき、あれはコロナになって最初のフェスだったと思うんだけど、みんな何をしちゃいけないのかわからないからジャンプすらしてなくて、拍手だけだったんだよ。それを見たときに「ジャンプさせたくねえ?」って。それでジャンプさせられる曲はなんだろうって話し合ったときに、「ハウス・オブ・ペインがあるじゃん!」「じゃあ、あれをバンドバージョンにしよう」ってことで作り始めたんだけど、実際、今日はみんな超跳んでた。あれは原曲を知らない人でも一度聴けば覚えられるし、今日も3バース目のラップでみんな手ぇ振っててめっちゃきれいだったな。

──あの3バース目の展開はシャレてますね。

JESSE:いいよねえ。あれは十八番になるなあ。


──ところで、Jesseさんにとってサタニックってどういう存在ですか?

JESSE:俺らがガキの頃に初めてアーティスト主導でフェスをやってたのがハイスタで、サタニックも最初の頃のエアジャムみたいにパンクオンリーになるのかなと思ってたら、初年度から幅広いジャンルのバンドが出てて、「悔しいけど、このフェスいいなあ!」って思った。しかも、こんなキズモノの俺でも呼んでくれるんだからうれしい限りですよ。

──あはは! ちょいちょい自虐が入りますね(笑)。
JESSE:そんぐらい余裕があるってことだから。

──それはツアーを回ったことが大きいですか?

JESSE:それよりも、「これは俺の好きなことなんだな」って思ったから。俺はどんなにキズがついてもこれを人に見せられる、人に理解させられる自信があるなって思った。事件を起こしたあと、周りの人たちと少し距離が空く時があって、「ああ、じゃあ、俺はもう音楽はいいかなあ。嫁と子どもたちだけに曲書こうかなあ」って思って、それでソロを始めたんだけど、ソロで曲をつくればつくるほど「人と一緒につくりたいな」と思ったし、人とつくったら今度は「これを多くの人に聴かせたいな」と思って、そのときに「やっぱ、俺はバンドマンなんだな」って思った。だから、今まで以上に自信がある。

──自分の思いを再確認したからこその自信。

JESSE:事件を起こしたことで気付けんだと思う。ちょっと足元がふらついてたんだと思う。俺はもう20年選手だし、もう一度ケツの穴締めろよっていう。実際、締めたいと思ってたし、あの事件がいい機会だったんだと思う。

──いまはコロナ禍ですけど、そんな中でもポジティブにとらえられることって何かありますか?

JESSE:もちろん。例えば、今日のサタニックだって本当は別のスケジュールが入ってたけどコロナのせいでなくなったおかげで来れた人もいるだろうし、コロナのせいで仕事がなくなったけど、だからこそ生まれたばっかの子供と一緒にいられた親もいる。コロナのせいでライブができなくなったから、もっとメンバーと向き合って新曲をつくってるバンドもいっぱいいると思う。今までの当たり前はなくなったけど、“当たり前ボケ”してた俺たちの目を覚まさせてくれたんだと思う。欲を言えば、いろんなことを元通りにしたいと思うんだろうけど、個人的にはこれまでの日常にようやく戻れてるし、ツアーを回ったことで前までの自分を追い越してすらいるし、俺は”look on the bright side”(よくない状況だからこそ楽観的に考える)だよ。俺は鬼プラス思考だから(笑)。

──今後、The BONEZの活動はどうなっていくんでしょうか。

JESSE:ライブをちょいちょい入れたいし、来年はロングツアーに出たいし、The BONEZはあと2年で10周年だからデカいキャパでやれたら良いなと思うし、普通のバンドと同じような目標を立ててるかな。それがコロナのせいで実現できなくなるとしても、地図だけは引くつもり。

──止まらない。

JESSE:止まらないし、止めないで。怒られるまで進む。で、コロナが明けたら日本で一番最初に客席に向かってダイブするバンドマンになる。ダイブして怒られるのはファンじゃなくて俺になるべきだと思う。「Jesseが飛んだらしいぜ!」ってザーッと噂が広まってさ。もちろん、それは今じゃないと思うけど、「ダイブしていいですよ」なんて国は絶対言わないから、勝手に「今じゃね?」って俺が決めるつもり。

取材・文◎阿刀大志
撮影◎梶原靖夫

■<SATANIC CARNIVAL 2021>

6月5日(土) 富士急ハイランド・コニファーフォレスト
6月6日(日) 富士急ハイランド・コニファーフォレスト
・物販 / FOOD AREA:start09:30
・ライブ観覧エリア:open10:30 / start11:30 ※19:25終演予定
▼6月5日 出演アーティスト
バックドロップシンデレラ (※new)
The BONEZ
Dizzy Sunfist
Fear, and Loathing in Las Vegas
マキシマム ザ ホルモン
NAMBA69 (※new)
Northern19 (※new)
ROTTENGRAFFTY
SiM
SPARK!!SOUND!!SHOW!! (※new)
Survive Said The Prophet
suspended 4th
WANIMA
▼6月6日 出演アーティスト
04 Limited Sazabys
10-FEET
Age Factory (※new)
coldrain
G-FREAK FACTORY (※new)
ハルカミライ
HAWAIIAN6 (※new)
HEY-SMITH
Ken Yokoyama
MONGOL800
NOISEMAKER
SHADOWS
TOTALFAT (※new)
[O.A.] PALEDUSK (※new)
▼チケット ※全て電子チケットでの取り扱い
【一般発売】
2日通し券 ¥17,800 / 1日券 ¥9,500
発売開始:5月22日(土)〜

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