【インタビュー】MSTK™、謎多き大型ロックバンドの全貌「大人だからできるヤンチャがしたい」

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■大人になってこだわりを無くしたわけじゃない
■垣根が無くなった。そんな境地に辿り着けた

──“こんな歌を歌いたい”っていうリクエストはするんですか?

MASATAKA:改まってはないですけど、何でもない会話の中で常にそういう話はしてますね。

AZ:新曲「my Home」は、『タマホーム』のCM狙いで書いた曲ですからね(笑)。サビで“タマホーム”に変わるべきフレーズとして、“マイホーム”を当てはめて書きましたから!

O.N.Z.B:ディープ・パープルノ「バーン」!

──そうだね(笑)。

AZ:ちゃんとCMにできるように、サビは30秒尺にしてあるし。

JIN:さすが(笑)!

AZ:そう、緻密な計算のもとに作りつつ、“家がいいね”という言葉も至るところに散りばめてます。

MASATAKA:歌い出しから“家がいいね”だからね(笑)。めちゃくちゃキャッチーでポップな1曲です。

▲O.N.Z.B(B)

AZ:もう1曲の「Under the Gate」は、MASAさんの地元の下関をテーマに書いた曲でもあるんです。「Under the Gate」を日本語にすると“下関”ですから(笑)。

──うわっ。

MASATAKA:うわって、まぁでもそうなりますよね(笑)。でも、歌詞を見たら、もっと“うわっ”ってなりますよ(笑)。

AZ:MASAさんが山口県出身なのは知っていたので、勝手に下関だと思い込んで「Under the Gate」を作り始めたんです。デモが出来上がったタイミングで、“聴いてくださいよ! 下関の歌を作ったんです!”と言ったら、“え!? 俺、岩国だよ”って言われ……(一同爆笑)。

MASATAKA:下関とは真逆の位置ですからね(笑)。俺も人生で2回くらいしか行ったことがない。

AZ:それもあって、ハンドル切ったんです! 3番のBメロに“間違っちゃいないけど、俺はロックカントリー”っていう歌詞を入れました!

──うわっ……“ロックカントリー”……つまり“岩国”。

MASATAKA:マウンテンマウスって歌ってますから!

────うわっ……“マウンテンマウス”……つまり“山口”。

AZ:あはははは。そうなんです(笑)。サビを直訳すると“下関、下関、遠いぜ下関”と歌ってもらってます(笑)。

──というか、そんなダジャレのような歌詞が乗ってる曲だとは想像つかないくらい、キラキラとした印象の同期が特徴的な疾走感のあるキャッチーなロックですけどね、「Under the Gate」は。種明かしされないと気付けないレベル。

MASATAKA:すごいですよね。そういうとこもMSTK™の魅力なんですよ。

AZ:この曲、ただ“虎河豚を食べに行きたい!”っていうだけの曲ですから。“虎河豚の曲を書いたら、いつか美味しいもの食べに行けるかなぁ〜”と。“東京では3万円する”っていう歌詞も入ってます(笑)。「ちょっとカッコ良く、英語っぽく歌ってください」っていうリクエストをMASAさんに出しましたけど(笑)。

──そんなリクエスト通りに歌えてるMASATAKAさんが素晴らしいですけどね。

MASATAKA:でしょ(笑)。楽しくやれたらOKなんで! かなりヤラレてる歌詞ですけど、それをとことんカッコつけて歌うっていうのが、最高に楽しいんですよ! それを初ライヴの1曲目に持ってきちゃうという遊びができるのも、このバンドならではの“大人の遊び”なのかなって。それこそがMSTK™。

▲Nosuke(Dr)

──そうですね。そういうダジャレ的な歌詞ばかりではないですしね。経験を歌詞に落とし込んだ、深みのある人生を歌ってる曲もありますから。さすが、大人の余裕を感じます。

MASATAKA:今回リリースする2曲の新曲以外にも、新曲はできているんですけど、どれひとつ曲調が被ってないんですよ。

AZ:そう。JINの曲もすごくいいですよ!

MASATAKA:爽やかなんです。

JIN:爽やかだけど、若干暗いかな。

AZ:歌詞はブライダルの大御所『ゼクシィ』のCM狙いで書きました!

O.N.Z.B:全部タイアップ狙イ(笑)!

AZ:O.N.Z.Bが作った曲も、Nosukeが作った曲もかなり振り切ってますからね! このご時世、何処へでも発信することができるから、そこに向けて書いたらいつか届くかもしれないし。

──たしかに。

MASATAKA:大人になってこだわりがなくなったわけじゃないんですよ。こだわりはちゃんとあるけど、垣根が無くなった。歌やお芝居やいろんなことをやってきて、今、そんな境地に辿り着けた気がするんです。みんなが書いてくれた曲を、自分のものにしたいっていう感覚で向き合ってるというかね。きっと、メンバーそれぞれがそういう想いでやってる、MSTK™は。僕自身、MSTK™のボーカリストを演じてみたいっていう感覚で歌ってますし。それがすごく楽しいんです。

──この先の展望としては?

MASATAKA:今、コロナ禍という状況の中、配信という形がメインになっていますけど、やっぱり、バンドやお芝居って、生で感動を与えられるものだと思うんですよ。そういうバンドや演者だけが残っていくと思う。MSTK™もそういうバンドになっていきたいと思いますね。

AZ:当分の間、会場にたくさんのお客さんを入れてライヴをするのは不可能だと思うので、今できることをやりたいですね。ということで、これを読んでくれた皆さん、MSTK™に何をやって欲しいかリクエストしてください! “こんな曲を作って欲しい”でもいいし、“校歌を作って欲しい”でもいい。“こんな歌詞を書いて欲しい”でも、なんでも。こういう時期だからこそ、一緒に何かを作って発信できたら面白そうじゃないですか? リクエストが形になるって楽しそう。お客さんの意見を取り入れていきたい。MSTK™の活動はすごく自由だから、いろんなことをやりたいんです。どーせ“大人のミステイク”なんだから、とことんミステイクしちゃいましょう!って感じですかね(笑)。

Nosuke:ゲームのホームの中でライヴするとか、そういうチャレンジも今どきですし、やってみたいですね。

MASATAKA:いろんな可能性があると思います。最初にこのバンドを立ち上げたとき、AZがすごくいいことを言ってくれたんですよ。「1人なら早く行けるけど、5人ならもっと遠くへ行ける」って。

取材・文◎武市尚子
撮影◎okadai



■2曲同時配信「Under the Gate」「my Home」

2020年10月2日配信スタート
▼配信先
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▲「Under the Gate」


▲「my Home」


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