【レポート】<THE SOLAR BUDOKAN>DAY1、a flood of circle「転がり続けろ。止まれないヤツらに愛を込めて」
“今日が世界で一番新しい「今」なんだ”──そんな最高なフレーズを高らかに歌い上げたのは、初年度より出演を重ね、もはや<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>の顔役と呼んでも過言ではないa flood of circleだ。<THE SOLAR BUDOKAN 2020>を開催するにあたって、オーガナイザーの佐藤タイジが開催宣言で「100%やりきることが大事やと思った」と話していたが、そのバトンをしっかりと受け取ったパフォーマンスを見せつけてくれた。
◆a flood of circle 画像
ソーラーパネルに囲まれた中津川公園内特設ステージに登場し、滾る気持ちをしっかりと込めて、ひとつひとつの音を鳴らした「Summertime Blues II」で口火を切り、佐々木亮介(Vo/G)が「かかってこーい!」と叫んで「Dancing Zombiez」へとなだれ込む。無観客に躊躇する様子など微塵もない。その熱気に引っ張られるようにコメント欄も盛り上がりを見せていく。配信という形でも、やはり圧倒的な熱量は響くのだ。
獣のように雄叫びを上げ、エネルギーを爆発させたのが新曲「Beast Mode」。その攻撃力と色気が合わさったサウンドはまさに彼らの真骨頂と言えるはず。さすがのステージに釘付けになっていると、ここで佐々木が「Are you ready?」と呼びかけた。まだまだこれからだぞ、こんなのは序の口だと言わんばかりに投下した新曲「ヴァイタル・サインズ」は圧巻のひと言。佐々木は客席へ突っ込むかのようにステージから飛び出し、ピンヴォーカルさながら自らを解放していく。アオキテツ(G)、HISAYO(B)、渡邊一丘(Dr)の3人がせめぎ合うサウンドも凄まじい。
そして、広がる空がバンドを包み込むような環境も相まって、素晴らしいスケール感で響かせた「Honey Moon Song」への導入では、いつものようにフリースタイルで言葉を紡ぎ始める。その瞬間の想いがこめられたメッセージは格別なものがあるだろう。
「ギリギリなのって、別に、今始まったことじゃなくね? だから、今始まることじゃなくて、Rock'n'roll、転がり続けろ。止まれないヤツらに愛を込めて。オレたちの可能性にかけて」──佐々木亮介
その後も「New Tribe」、佐々木が「兄貴のような人たち」と語る9mm parabellum bulletのカバー「Black Market Blues」、一心不乱に踊り狂いたくなるゴキゲンなハイテンションナンバー「Lucky Lucky」と続け、卓越した一撃をこれでもかと繰り出してくる彼ら。まさに有言実行なスタイルに惹きつけられっぱなしだ。
「生きてるうちに行けるところまで行く。止まるなよ」と佐々木が口にし、アオキの鮮烈なギターから始まった「Boy」で強く突き進み、最後は代名詞とも言える「シーガル」へ。どこまでも頑ななまでに明日を信じる彼ららしさが詰め込まれた名曲だ。困難や制限に抗いながら魂を燃やすのもロックバンドが持つ魅力であり、存在意義でもある。例年とは違った状況ではあったが、決してブレることなく、バンドの意思を強烈に突きつけてくれたライブだった。
取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎柴田恵理
【a flood of circle@中津川公園内特設ステージ セットリスト】
02. Dancing Zombiez
03. Beast Mode
04. ヴァイタル・サインズ
05. Honey Moon Song
06. New Tribe
07. Black Market Blues ※9mm Parabellum Bulletカバー
08. Lucky Lucky
09. Boy
10. シーガル
【配信第一週目タイムテーブル】
■ハイブリッド型オンラインフェス<THE SOLAR BUDOKAN 2020>
9月26日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:シアターブルック / a flood of circle / 怒髪天 / 奥田民生 / 田島貴男 (ORIGINAL LOVE) / PUSHIM with HOME GROWN / 小坂忠 with SOLAR JAM (佐藤タイジ・KenKen・Dr.kyOn・沼澤尚) / NOTHING BUT THE FUNK (US)
▼DAY2
9月27日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:ACIDMAN / the band apart / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / 武藤昭平with ウエノコウジ / Nothing’s Carved In Stone / ROVO / The Sunpaulo / Cian Ciaran from Super Furry Animals (UK)
▼DAY3
10月3日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Anly / THE BAWDIES / ComplianS (佐藤タイジ・KenKen) / 藤原さくら / NakamuraEmi / 四星球 / ストレイテナー / Major in Body Bear (Taiwan) / ヤバイTシャツ屋さん
▼DAY4
10月4日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Afro Begue feat. ComplianS / THE BACK HORN / Char / 民謡クルセイダーズ / 仲井戸“CHABO”麗市 / OAU / ROTH BART BARON / 竹原ピストル / 10-FEET
※仲井戸“CHABO”麗市はコメント出演と<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>でのSPECIAL SESSIONを配信予定
【チケット】
販売開始:9月9日(水)18:00〜イープラスにて
・1日券:3,000円 (税込)
・1日券 [サポート1000]:4,000円 (税込)
・1日券 [サポート2000]:5,000円 (税込)
https://eplus.jp/tsb20-st/
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