【連載インタビュー #2】叶〜Kanae〜、新曲連続配信と連続配信ライブに新月の願いごと「愛のある言葉をかけてあげたい」

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2020年7月、新月の夜に新しいスタートを切った叶〜Kanae〜が、第一弾配信楽曲「ピアニスト」、第二弾の夏ソング「ぼくのブルーベリーパイ」に続いて、第三弾となるバラード「だれかさん」を9月17日に配信リリースする。この6ヵ月連続配信リリースとシンクロさせる形で、四季折々の演出を散りばめた無観客配信ライブも奇数月の新月の夜に開催中だ。7月の<文月〜ピアニスト〜>に続いて行われる第二回目<青月〜だれかさん>はリリース同日、自身のオフィシャルYouTubeチャンネルから無料配信されることも決定している。

◆叶〜Kanae〜 画像

パニック障害を抱え、幼少の頃から人間関係に悩み葛藤し、シンガーソングライターの道を選んだ人生は前回のインタビューで語られているが、コロナ渦の日々は意外にも彼女の生活スタイルを変化させ、ネガティヴをポジティヴに反転させるきっかけになったと言う。いままさにターニングポイントを迎えている叶〜Kanae〜のインタビュー第二弾をお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■携帯をオフにする時間を作ったら
■鬱々とすることがほとんどなくなった

──前回のインタビューでは、不登校だった時代やパニック障害のこと、音楽に救われたことなどを赤裸々に語っていただきましたね。

叶〜Kanae〜:はい。あの記事を読んだ小学校からの幼馴染に「そんなに苦しい想いをしてたんだ」って言われたり、とっても反響がありました。ありがとうございます。

──あの取材後、新型コロナウイルス感染が世界中で広がり、日本も激動となりました。叶〜Kanae〜さん自身、自粛期間に自分と向き合ったり、見つめ直したことはありましたか?

叶〜Kanae〜:ありました。音楽活動でいうと、春にミニアルバムを発売するつもりでいたんですが、これまで私のリリース形態はCDだけだったので、プレスなどを含めて、このコロナ渦でいつ届けられるのか明確に見えなかったんですね。で、事務所の社長に相談したら「配信はどうだろう?6ヶ月連続で」って提案いただいたんです。それに伴って、無観客配信ライブを連続的に開催していくことも決まっていきました。

──これまでとは違うスタイルで活動をしていこうって?

叶〜Kanae〜:はい。変化としては、今までは夜にジャズバーで歌うことが多かったんですが、コロナの影響でそういう活動もできなくなってしまったので、朝早く起きるようになりましたね。

──生活スタイル自体が変わったんですね。

叶〜Kanae〜:そうなんです。前回のインタビューで「将来は過去の私のように、ひとりで悩んでいる人たちが集まれるような音楽ルームを作りたい」という話をさせていただいたんですけど、その夢に近づけるようにカウンセラーの資格をとるために通信教育を受けたりしていました。

──そうなんですね。ちなみに何時に起床しているんですか?

叶〜Kanae〜:朝4時だったり。

──そ、そんなに早く?

叶〜Kanae〜:はい(笑)。7月からジョギングを始めたんですが、毎朝20分ぐらい走ってます。以前は朝起きると身体がだるかったので、この機会に生活習慣を正したいなと思ったんですね。前はずーっと携帯を手放さない生活だったんですよ。

──わかります。つい気になって見ちゃいますよね。

叶〜Kanae〜:眠るギリギリまで見て、朝も起きたらすぐにスマホをとるみたいな。でも、そういう生活は脳にあまりいい影響を与えないということを知って、携帯をオフにする時間を作ったんです。そうしたら鬱々とすることがほとんどなくなったんですね。

──そんなに変わるものなんですね?

叶〜Kanae〜:ええ。電車も緊張しないで普通に乗れるようになりました。夏には初めて鎌倉のほうにひとり旅もしたんです。

──Twitterにも海の写真がアップされていましたね。

叶〜Kanae〜:はい。いままでやりたかったけど、やれなかったことに挑戦してみようと思うようになったんです。知り合いがいないところに旅するのは初めてでしたけど、自分がワクワクしそうな感情を追いかけてみたら“これは自分に対するご褒美だな”って思えて。たとえば、“今日はここを掃除しよう”、“明日はここを片付けよう”って家の中も徹底的に掃除するようになりました。

──叶〜Kanae〜さんに弟子入りしたいぐらいです。

叶〜Kanae〜:はははは。自粛期間中に生活習慣がまったく変わりましたね。

──ちなみに食べるものも変わりました?

叶〜Kanae〜:変わりました。前から食べ物には気をつけていたんですが、いまは動物性のものを摂らないビーガン生活をしています。

──以前、お会いしたときより美しくなっているし、醸し出しているムードが明るいですものね。

叶〜Kanae〜:嬉しい! あと気づいたのは、いままでは寂しかったり、悲しかったりすると、そういう感情を家族や親しい人に口にしていたんですね。付き合ってきた人にもそうだったし、ネガティヴな気持ちを表現し続けてきた人生だったんです。だけど、音楽でいいエネルギーを伝えられる作品を作りたいと心に決めてからは負の感情を表に出す回数が減って。たまにネガティヴな気持ちが浮かんでもノートに書き出すようにしたり。

──つい愚痴を言いたくなることもありますものね。

叶〜Kanae〜:私は言いすぎていたんです。でも、聞いている側は疲れるだろうし、だんだん嫌になってしまいますよね。そういうことに気づいたんです。同時にさっきの旅の話じゃないですが、自分に時間をかけたり、優しくしてこなかったことにも気づきました。スマホというデバイスからちょっと自分を遠ざけることで、必要なことと必要じゃないことがわかったし。

──自粛期間は叶〜Kanae〜さんにとってはプラスなことが多かった?

叶〜Kanae〜:すごく大変なご時世ですけど、走ったり散歩したりしているときにアイディアが浮かぶことも多かったんです。無観客ライブについてもそうで。ライブハウスは照明機材が揃っているから雰囲気は作り出せるんですけど、コストをかけないで、さらに自分らしい空間を作り出すにはどうすればいいんだろう?って調べて。アイディアを練って実現できたのが7月21日に開催した第1回目の<文月〜ピアニスト〜>だったんです。

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