【インタビュー】SHANK、新作EPとライブ映像作品に“本質と実験”「進化してる部分がないと意味がない」
■ライヴでどういうアクションを起こすのか?
■もう1回、初心に戻るみたいな
──「Rising Down」は配信シングルとして先行リリースされましたが、ありそうでなかったタイプの曲ですよね。
庵原:こういう突き抜ける系のサビはあんまりなかったし。
──これはそういったイメージで制作していったんですか?
松崎:イメージとしては、閉鎖的なところから急にパンって開くのをやりたかったんです。リズムのよくある感じではなくて、ちゃんと開くというか、手順を追って、無理やり開かずにやろうって。そうですね、無理な展開をつけないっていうのは、今回の制作で意識したポイントかもしれないです。
▲松崎兵太(G, Cho) |
庵原:アニバーサリーイヤーとか、そんなに大切にするバンドじゃないんで、オレら(笑)。
──実際、区切りがいいわけでもない、11周年記念ワンマンとかもやってますしね(笑)。
庵原:だから、そういうのは何でもいいんですけど(笑)、作品に関しては出すたびに何か新しさだったり、進化してる部分がないと意味がないと思ってるんですよね。
──だからこそ、今までにないアプローチをやってみようと。
松崎:そうでしたね。あと、いつごろからか、自分らのやりたいことばっかりを詰め込むようになってた部分もあると感じてて。純粋なお客さん目線というか、“ライヴで観たときにどういうアクションを起こすのか?”っていうのを意識したんですよね。好き嫌いはあるだろうし、それがどこまでお客さんとリンクしてるかは別としても、もう1回、初心に戻るみたいな。もちろん、バンド側が納得いくモノというのが大前提ではありますけど。
──歌詞に関しては、今の世の中を取り巻く閉塞感とリンクする内容になってますよね。
庵原:そうなんですよね。書いたのは去年だから、たまたまなんですけど。まあ、予言というか(笑)。
──予言するつもりで書いたわけじゃないと思いますけど(笑)、生のライヴを連想できたりもして。この閉塞感は、庵原さんご自身が抱いてたモノだったんですか?
庵原:まあ、そうですね。基本的には韻を踏むために単語を羅列して、そこから歌詞を書いていくんですけど、意味がまったくないわけじゃないし。実体験じゃない、ということでもないですから。
──バンドも順調ですし、あんまりそういうのはないのかなと思ってました。
庵原:でも、バンドだけじゃなく、いろんなことに対してですからね。様々な捉え方ができるようには書いてますし。
──続く「Bright Side」も光に手を伸ばすような歌詞になってますよね。
庵原:これは急ぎで物件を探して引っ越したら、めちゃめちゃ陽当たりの悪いところだったんですよ。壁も薄いし。契約があと2年残ってるけど引っ越したいな、っていうことですね(笑)。
──あっ、そういうことでしたか(笑)。
庵原:西日は入るんですけどね(笑)。陽当たりのことを全然考えてなかったんですよ。
──サウンドとしてはSHANKの真骨頂かなと感じました。余計なモノは全部削ぎ落として、コンパクトかつ高性能な曲に仕上がってます。
庵原:たしかに、余計なモノは省くようにしてますね。
松崎:こういう曲は特に、短い時間でやれることを詰め込みたくて。ダラけることをしたくなかったんです。あとは、その中でどう変化と緩急をつけるかぐらい。そこを踏まえてSHANKっぽいっていうか、無理しないで無駄を省いてってやったら、こんな感じかなって。メロコアというジャンルのど真ん中の曲をSHANKが作るんだったら、こういう曲だろうなと思います。
──この曲は1分59秒で2分を切りました。
庵原:もう、曲が短いのは仕方ないですね、これは。
──逆に壮大な曲を作ってみようと考えることはない?
松崎:一生、ライヴでやらなくていいのなら(一同笑)。
庵原:曲の尺を稼ぐために取って付けたようなフレーズを繰り返すようなのは、やってて飽きちゃうんですよ。ちょっと物足りないぐらいがちょうどいいのかなと思います。
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