サステナブルな木材を使用したエレアコ&エレガットギター、テイラー x 島村楽器のコラボで発売
環境負荷の少ないサステナブルな木材を使用したエレアコとエレガットギターが島村楽器より登場。環境保全と持続可能な開発に注力している、アメリカでトップクラスのシェアを誇るギターブランド、Taylor Guitars(以下テイラー)とのコラボレーションによるモデルで、エレクトリックアコースティックギター「LTD EG Academy 12e」およびエレガットギター「LTD EG Academy 12e-N」が、全国の島村楽器店舗、島村楽器オンラインストアで発売が開始された。
島村楽器ではCSR活動として、不要になった楽器を客から預かり点検・修繕のうえ全国の児童養護施設の子供達やJICA(国際協力機構)を通じて開発途上国の子供達に届ける『楽器で世界を笑顔にしよう~楽器リサイクルプロジェクト~』を2013年10月~2018年9月まで展開。また環境負荷がかかりにくい素材で作られた楽器の販売を通じて環境保全活動に取り組む『Evergreen Project(エバーグリーンプロジェクト)』を2018年9月から続けている。かねてから高い環境意識で経営に取り組んでいたテイラー社は、島村楽器のこうしたCSR活動を評価すると同時に、島村楽器からの「環境に配慮した商品を共同開発したい」との提案にテイラーの共同創設者のボブ・テイラー氏が賛同。島村楽器の『Evergreen Project』の一環として、「LTD EG Academy 12e」、「LTD EG Academy 12e-N」の開発が決定。ディーラーオリジナルモデルとして島村楽器限定で販売されることとなった。生産はテイラーのメキシコ工場で行われるが、同工場でのディーラーオリジナルモデルは世界で初となる。
▲テイラー社 共同創設者のボブ・テイラー氏と、島村楽器代表取締役社長 廣瀬利明氏。
島村楽器は販売元として、より一層環境保全に尽力できればとの考えから、同モデル1点の売上につき1,000円を「鎮守の森のプロジェクト」に寄付し、植樹費用として役立てる。「公益財団法人・鎮守の森プロジェクト」は、災害から人々を守る役割も担っている森林を、植樹を通じて保護し育てていくための団体。島村楽器ではギター販売本数に応じた植樹費用の寄付を行うことで、未来を担う次の世代に私たちの想い伝え、「楽器」と「自然」との幸せで持続的な共存を目指す。
「LTD EG Academy 12e」と「LTD EG Academy 12e-N」は、テイラー社が展開するラインアップの中でも比較的安価で、ビギナーでも演奏しやすい「アカデミーシリーズ」を元に開発された。アカデミーシリーズはネックがやや細めで握りやすい、弦高が低く押さえやすいなど、取り回しの良さから男性はもちろん女性からも多くの支持を得ている。今回発売の2モデルはその演奏性の高さを受け継いでいる。
使用される木材は、地球環境に配慮した材のみを選定した。たとえばギターの指板とブリッジにはテイラー社が共同経営するアフリカ・カメルーンの製材工場で伐採・製材されたアフリカンエボニーを使用している。テイラー社の保有林や共同経営する製材工場では、伐採→植林を適正なサイクルで繰り返しながら木材を供給しており、「森林を減らさずに木材を調達」する、持続可能な開発を実現している。またボディ、ネック、サイド、バックなどにも持続可能な林業、そして同社が取り組む森林再生・植林プロジェクトに由来する木材を使用。これらの材料をフェアトレード(公正取引)することで原産国労働者の生活環境向上にも貢献していることから、サステナブル(持続可能)かつエシカル(地球環境や人、社会、地域への配慮)な製品であるといえる。
ボディトップにはラッツスプルース材、ボディサイド・バックにはメイプル材を使うことで、サウンドは明るいトーンに。音の輪郭が明瞭で弱く弾いてもこもらず、弾き方のニュアンスも出しやすいため、ライブのみならず自宅で楽しむギターとしても適している。「LTD EG Academy 12e」は、弾き語り・バンド演奏など幅広いジャンルで使用可能なエレクトリックアコースティックギター。ナイロン弦の「LTD EG Academy 12e-N」は、柔らかく爪弾くような音質が特徴で、ボサノバ調のやわらかな音楽を奏でたい方などに向いたエレガットギターとなっている。
<テイラー社 共同創設者 ボブ・テイラー氏からのメッセージ>
テイラーは島村楽器のパートナーとして、この特別なギターを、環境にやさしい楽器の販売とその収益の一部を森林保護活動に寄付する『Evergreen Project』のために製作できたことをたいへん誇りに思います。私たちはギター、プレイヤー、そして森林に対して、一切妥協することなく素晴らしいギターを作り続けることによって、より良い未来を創造することにコミットしています。当社のマスタービルダーであるアンディ・パワーズの説明にあるように、このギターに使われた木材は私たちが「森林の管理人」としてコミットしていることを象徴するものばかりです。私がギタービルダーとして常にゴールのひとつに掲げていたこととして、私が幸運にも生涯にわたってギター作りに使うことができた自然資源をちゃんとケアできる人間でありたいということ、そして次の世代の楽器ビルダーやミュージシャンのためにより良い世界を残すということです。私は現在、(過去には私たちの業界は一方的に消費するだけだった)森林資源の再生プロジェクトに夢中になっています。カメルーンのエボニーやハワイのコアなどたくさんの革新的なプロジェクトを、研究者達とパートナーシップを組んで始めています。それらが原動力となり森林の長期的な建全性と森林のエコシステムの再生に繋がるような復旧のプログラムも始まりました。社会的責任(Social Responsibility)もサステナビリティの一部です。我々のサプライチューンに関わる、世界中の全ての人たちが経済的に建全な生活を営むことができなくてはなりません。そして運が良ければ、私たちの取り組みが他の人たちのインスピレーションになるかもしれません。
<テイラー社 共同所有者 兼マスタービルダー アンディ・パワーズ氏からのメッセージ>
このギターのために選択した木材はテイラーのパートナーである木材供給者の皆さんが取り組んでいる、環境に配慮したうえで先進的な林業を反映したものです。今回の2種類のギターは、まずはメイプル材を選択するところから始まりました。メイプルは、木目の美しさはもちろんのこと、機能性が高く、楽器に使われる木材として長い歴史を持っています。サイド&バックのレイヤーウッドにはビッグリーフメイプルを採用し、ネックにはクォーターソーンロックメイプルを選びました。どちらも持続可能な林業を代表する木材です。ボディトップにはラッツスプルースを選択しました。さまざまな種類があるスプルースの中でも、ラッツはカナダの一部の地域でのみ採れる木材で、シトカスプルースとイングルマンスプルースの自然交配種です。刻々と変化する自然環境に対応することができるので、楽器に使われる木材としてはとても将来性が高いといえます。そしてトーンも今まで使用してきたスプルースの中でもトップクラスです。
テイラーのアフリカンエボニー保護プロジェクトに関してはすでに多くが語られていますが、このギターのブリッジ、指板、ペグヘッドの化粧板に使われているソリッドエボニーは私たちが所有するカメルーンの製材工場クレリカムから来ています。私たちは革新的なリサーチと植林プロジェクトを通してこの特別な木材の保護に努めています。
最後に、アームレストに使われているマホガニーはフィジー島が原産国で、先進的な考えを持っていたイギリス人が非常に管理の行き届いたプランテーションを一世紀以上前に残してくれていました。自分たちが植えた木が将来のビルダーたちのためになることを予想していたのです。この考えが今私たちが取り組んでいる数々のプロジェクトのインスピレーションになっています。
<島村楽器代表取締役社長 廣瀬 利明氏からのメッセージ>
2017年に初めてサンディエゴ近郊にあるテイラーの本社とメキシコ工場を訪れた私は、テイラー社の経営方針に大きな感銘を受けました。ギターメーカーであれば常に最高のギターを生み出すことを追い求めるのは勿論ですが、共同創設者であるボブ・テイラー氏から語られる、孫の代までギター演奏を楽しめるように森林保全のことも考えながら世界各地で木材調達や森林保全を行っている取り組み。本社の壁一面に貼られている従業員一人ひとりの写真に代表される、社員のことを大切にする社風。エル・カホン工場とメキシコ工場で接した従業員一人ひとりから役員に至るまで、活き活きとした表情で働きテイラーのギターへの愛情を口にする様子。
今回、テイラー社に弊社限定モデルのアカデミーシリーズを2種類製作してもらい、お客様にお届けすることができることを大変嬉しく思います。ボブ・テイラー氏とテイラー社が志している、孫やその先の代までギター演奏を楽しんでもらうために環境保全のことを考える取り組みに、弊社としても今後もしっかり取り組んで参ります。このギターの売上の一部も、弊社が2年前から協力させていただいている「鎮守の森プロジェクト」に寄付させていただきます。一人でも多くのギタリストの皆様に、このギターを末永くご愛用いただくことを願っております。
製品情報
価格:110,000円(税別)
◆LTD EG Academy 12e-N
価格:120,000円(税別)
発売日:2020年8月14日
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