スティーヴ・ハウ「エイジアの成功はジョン・ウェットンにとってプレッシャーだった」
スティーヴ・ハウが、エイジア初期におけるジョン・ウェットンの状況や彼との別離について語った。
◆エイジア画像
エイジアは80年代初め、ハウ(G)、ウェットン(Vo,B)、カール・パーマー(G)、ジェフ・ダウンズ(Key)のラインナップで結成され、1982年にデビュー・アルバム『Asia(詠時感〜時へのロマン)』を発表。アルバムは9週間全米1位に輝き、1stシングル「Heat Of The Moment」のヒットと共に、彼らは瞬く間にビッグ・バンドとなった。
ハウはこの成功はウェットンにとって必ずしも居心地のいいものではなかったと、『Classic Rock』誌に語った。「もちろん、素晴らしいことだった。イエスがあんな風にばらばらになった後、正しさを証明できたように感じた。でも、僕はすでにイエスで、アメリカでソールドアウトのアリーナ・ツアーをやるみたいなレベルのことは経験していて、カールもそうだったけど、ジョンにとっては違ったんだ。と、僕は思う。本当にプレッシャーがかかってた。あれほど大きな成功が影響し、彼はすごく内向きになってしまった。壁を作ってた」
ウェットンは2枚目のアルバム『Alpha』(1983年)リリース後に、アルコールの問題を理由に解雇され、翌年復帰はしたものの、ハウとの関係はこじれた。今回のインタビューで、ウェットンとの不仲について問われたハウはこう答えている。「君が耳にしているであろう話は、僕は好きじゃない。そう単純じゃないんだよ。何もかもが手に負えなくなった。僕らの誰もが『Alpha』のミックスには満足していなかった。ツアーはクレイジーだった。朝からシャンパンだらけだ。それで、僕はバンドと一緒に飛行機に乗り込むのではなく、車で移動するようになったんだ。カオスだったよ。それぞれのパートや曲順、シングル・ヴァージョンでプレイするのかアルバム・ヴァージョンにするのかなんてこと忘れるようになった」
「それで、ジョンと話をしたんだ。彼は“僕のせいだけじゃない”って言ってた。ああ、そうだ。でも、彼が歌いプレイしながら、僕らが知りもしない方向に行ってしまうなら、それは僕らにとっては問題だ」
エイジアは2006年にオリジナル・メンバーで再結成を果たし、ウェットンは引き続きエイジアで活動を続けていたが、2017年1月に癌の合併症によりこの世を去った。
Ako Suzuki