【対談】一樹(BugLug)×海(vistlip)、「ようやく同じステージに立てるようになって嬉しい」
■来てくれた人みんながいい気持ちで「またやってね!」って思ってくれるような1日になったらいいな──一樹
──BugLugからは先輩だったということですが、vistlipから見てBugLugは?
海:同期のつもりです。
一樹:嘘ぉ(笑)。若手くらいの感じで思ってなかった?
海:いや? 一聖は前のバンドで会った時から俺のなかで年齢とまってて(笑)、すごい若いイメージがあるんですけど。ほかのメンバーは歳が近いのも知ってるし、前のバンドで考えたらほぼほぼ同じかなって。なんだったらRuvie(一樹が以前にやっていたバンド)は先輩くらいじゃん。
一樹:そういう意味ではややこしいところもあるけど。まあBugLugとvistlipだったら、やっぱりvistlipのほうがね、ドカンと行ってましたから。
海:だから、どっちも後輩ぶるんですよ。
一樹:ははは。だから今回、そのあやふやな感じを壊して、同じバンドとして戦っていきたいです。
海:未だにBugLugのメンバー、俺に敬語使いますからね。
一樹:なんか海さんには使いたくなるんですよねえ(笑)。男らしさというか、兄さんって感じ?
海:燕は「くん」付けかな。あ、でも一聖だけは俺のこと呼び捨てだし、ゴリッゴリのタメ口でくる。お互い1回話して決めたんですよ。だから、あいつだけは「オイ海!」って言って寄ってくる(笑)。
──BugLugのメンバー全員と仲良いんですね。
海:そうですねえ、全員それぞれ話せる話が違うって感じです。
一樹:だから海さんはいいんだけど、俺vistlipのほかのメンバー……特に智くん(Vo)とかほぼ喋ってないんだよ。<四拍子>の時とかも。
海:基本的にうちのバンドは閉鎖的で、人見知りが揃ってるんで。
一樹:ほんとに。楽屋のドアを閉めがちなんです、彼らは。Yuhくん(G)とTohyaくん(Dr)は、俺の中で攻めたぞっていう感じがあるんだけど、あと智くんと瑠伊くん(B)のふたりが、独特の空気感を醸し出してるんですよ。
海:でもあの人たち、ほんとは話しかけられたいんだよ。でも自分たちから行けるタイプじゃない。
──では、今回のツアーでぜひその距離感を縮めていただいて。
一樹:縮めるっていうか、もうゼロ距離くらいの勢いで行きたいんだけど。海さんどう思います?(笑)
海:うちのメンバーは、自分たちからゼロ距離にするっていうマインドになるやつが皆無だから。ゼロ距離じゃなくて、越すくらいグッと来てもらったほうがいいな。
──結果が楽しみですね。せっかくギタリスト対談なので、お互いのギタリストとしてのイメージについても聞かせてください。
一樹:イメージは……ギターの位置が低い(笑)。
海:これでも上がったんだよ。
一樹:そう? でも屈んで弾く感じでしょ。背も高いし、海さんはギターを持ってるだけでかっこいいギタリストだなと思う。羨ましいです。
海:ありがとうございます。一樹のイメージは、上手くて、わりと天才タイプ。で、ステージで見ると王子様っぽいって思うんだけど、気品漂う華麗な王子様っていうよりは、バカ王子寄りなわけ。
一樹:バカはヤだなあ(笑)。
海:ちょっと頭のねじが外れてる。動きとかも、いきなりわけわかんねえ動きするじゃん(笑)。それであれだけ弾けるのはすごいなって思って観てます。自分とは全然違うタイプなので。
一樹:だから、海さんみたいにステージングがかっこいいギタリストに憧れますよ。モニターに足かけて、コーラスして、みたいな。
海:完全に優くんじゃん(笑)。だから俺、優くんとはタイプ近いというか、感覚が似てるところがある。そう考えると、一樹とは真逆なんだろうなと。
──ツインギター同士って、違うタイプが揃いやすいんでしょうか。
海:どっちかですね。すっげえ似てるギタリストふたりか、真逆のふたりかのほうがうまくいくイメージ。
一樹:うちの場合、優もGLAYが好きとか、結構音楽の趣味が似てるので。だからスタイルは違うけど、好きな音が一緒だったり、プレイ的な部分では似てる部分はあるんですよね。そういうのってある?
海:俺とYuhの共通点は、どっちも超hideフリークっていう。
一樹:あ、そうなんだ! 初めて聞いた。
海:でもそこから、パーンって離れてて。やりたいって思うものとか、出したい音とかが、ことごとく合わないの。だから楽よ。「俺この曲のアルペジオ弾きたいんだけど」って言った時に、向こうが「そこは俺も弾きたい」っていう話に絶対ならない。話し合うことなく、すっげえスムーズに決まる。
一樹:まじで? 奇跡的なバランスだね。うちとはちょっと違うかな。うちは、俺がいろいろ弾くのを最近ちょっとやめて、シンプルにしてて。向こうがどういうのを弾いてくるか探って、返ってきたものに対してどうしようかって考える感じ。もらったパンチに絡みつくようなスタイルになってる。
──それぞれやり方があるんですね。
海:音づくりに関してはYuhのこだわりが強いから、彼に合わせるか、邪魔にならない方向にするか、全然違うものにするかの3つから選ぶ感じだなあ。俺もこだわりたいところはこだわるけど、そうやって自分が柔軟になれるところは、全体が良くなるなら全然なんでもいいかな。
一樹:それは俺も一緒かもしれない。バンドが良くなるんだったら自分を全然変えられるというか。
海:うん。特に、俺って主役じゃないから。真ん中のボーカルが主役なのは当たり前なんですけど、ボーカルがいなくなった瞬間の主役ってリードギターのYuhなんですよ。そこで俺が無駄に目立とうとしても喧嘩するだけになっちゃうから。どうやって支えるのか、うしろに一歩弾くのか、包むのかみたいな選択肢があるだけで。だから逆に言えば楽っすよ。
一樹:羨ましい。俺は逆に、みんな前に行ってくださいって感じかな。俺は俺でいいプレイをしたいし、いいステージングをしたいってだけなので。
海:そう、上手ギターってひとりで戦う人が多い気がする。うちのYuhも、根本のマインドが「俺は俺で戦う」っていう感じだから。
一樹:まさにそれだ。まず自分が解放的にやれないと、いいライブって言えないんですよね。自分的に100点取れてからがスタートっていうか。そこまでいって、ほかのみんなも良かったらパーフェクトになる。
海:弾きたがりなタイプのギタリストって、わりとみんなそういうタイプが多い気がする。だから俺は、バッキングメインのギターって極論言うといなくても成り立つんだけど、より良くするっていう立ち位置だと思ってて。まあ、僕はマイクも結構使うから、そういう意味では卑怯なんだけど(笑)。
──今年、BugLugは10周年で。vistlipは2017年に10周年のアニバーサリーを経験されてるわけですけど、振り返ってみるといかがでしたか?
海:10年目の壁、って言うじゃないですか。10年より先続けられるかどうかって結構違うよ、とか言われてたんですけど、10周年の時は全然実感なかったんですよ。でも、10周年の終わりのライブかな。次で11年目です、っていう時に、すっげえそれを感じて。あ、こういうことなんだって正直感じたことがあります。同じ体験をして、ライブやってもらわないとわかんない感覚だと思うんですけど。まあBugLugは大丈夫だと思うんだけど、メンバー全員がそれに対して疑問を感じてしまうと今後どうしようか、って話になるのかなっていうのは思いますね。やっぱり10年もやってると、バンドのルーティーンみたいなのも出てきちゃうし、新しいものをつくることってなかなか難しくなってくるじゃないですか。
一樹:難しいね。
海:僕は個人的に、10周年のタイミングで正直すっごくそれを感じちゃっていて。このままだと先が見えないなって思ったんですよ。でも、10周年が明けて、特にそういう話もせず、とりあえず新譜のデモ出ししましょうって集まった時に、ほかのメンバーがつくってきたものを聴いて「10年経って、こいつらこんなものつくってくるんだ!」って驚かされて。それを実際レコーディングして、急に安心できました。Yuhの曲だったんですけど、「おまえよくこのタイミングでこんなのつくったな!」って言ったら、「何が?」って言われたけど(笑)。
──深いですね。今のお話聞いていかがですか?
一樹:僕は、とにかく今できることを丁寧にやっていこうっていう思いがあって。やりたいことをやっていかないとバンドとして飽きちゃうし。ただ、みんな共通してるのが、BugLugが好きでずっと続けていきたいから、そのためにいろいろ活動してるっていうところなので。今の話は初めて聞いたけど、すごくいいアドバイスをいただけたなと思いました。
海:BugLugは大丈夫だと思うけどね。新譜を聴くたびに、こいつら何考えてこの曲つくった?みたいな驚きがあるから。
一樹:そんなに深く考えないんですよ、俺たち。これかっこいいよね、よしやろう!みたいな、結構直感的なので。だから続けてこられたのかな、10年。
海:大事だよね、その直感とか初期衝動とか。ファンも増えて、関わる大人も増えてくると、気にする部分が増えるじゃん。
一樹:あるある。
海:そこで、強気になのか、バカなのかどっちかわかんないですけど、「俺らがこれをやりたいんだ!」って思えるかどうかなんですよ。ほかのメンバーのおかげもあって、俺はそう思えたので。
──新曲と言えば、BugLugはニューシングル「カラクリリック」が出ますし、ちょうどこのツアー後すぐにvistlipの新しいミニアルバム『No.9』がリリースになりますね。
海:ほんとはツアー前に出てるはずで、それを新しい武器として戦いに行くぞって思ってたのに、出てねえやっていう(笑)。
一樹:延期したの?
海:そうなんですよ。でも新曲はやると思います。音源出てない状態であの曲やるの、なかなかハードル高いなって思ってますけど。
一樹:やってくんなきゃイヤですよねえ。俺たちもツアー前にシングルを出すので、新曲で戦いに行きます。最新のBugLugと最新のvistlipでね。
──では、最後にひと言ずつ意気込みを。
海:出番はうちが先でしょ? だからもう、やりづらい空気つくりますよ。「やりづれえな、これ」っていう空気をつくってやろうかなと思ってます。
一樹:やりづらいのヤだなあ(笑)。僕自身は、vistlipと対バンできることがすごく嬉しいので、その喜びをライブで表現して。来てくれた人みんながいい気持ちで「またやってね!」って思ってくれるような1日になったらいいなあと思います。
海:なんて素晴らしいコメントか(笑)。
一樹:本気で思ってるからね。だから、このあともvistlipとは長くおつきあいしたいので。BugLugも頑張りますので、よろしくお願いします。
海:こちらこそ。でも、当分<四拍子>はできないじゃない? ひとつ凍っちゃってるバンドいるから。まあ、また違うことをやれればいいなと思うけど。
一樹:そうだね。これで3バンドで回るっていうのは絶対ないからさ(笑)。<四拍子>だったのに。
海:うーん、なくはないんじゃない? じゃあ早く解凍しろよって、ヴォーカル同士で言い合ってもらうとか(笑)。
一樹:またやりたいからね。とりあえずハコでも押さえとく? いつ復活してもいいように。
海:毎年仮押さえしとくか(笑)。
一樹:信じてますから。またやれることを。
海:それまではとりあえず、己龍を仲間外れにして……(笑)。
一樹:いや、己龍とも仲良いから!(笑)。
取材・文◎後藤寛子
写真◎大塚秀美
<BugLug 10th Anniversary「Que Sera Sera」>
※ASOVIP会員限定ワンマン
3月13日(金) 名古屋E.L.L
※ゲスト:vistlip
3月14日(土) 長野JUNK BOX
※ゲスト:vistlip
3月23日(月) KYOTO MUSE
※ゲスト:DEZERT
3月25日(水) FUKUOKA BEAT STATION
※ゲスト:RAZOR
3月27日(金) 高松DIME
※ゲスト:RAZOR
3月29日(日) 岡山YEBISU YA PRO
※ゲスト:甘い暴力
4月03日(金) 仙台darwin
※ゲスト:DEZERT
4月11日(土) UMEDA TRAD
※ゲスト:アリス九號.
<ASOVIVA – from 1 to 10 ->
1部:BugLug THE MOVIE- from 1 to 10 -上映
開場 15:45 / 開演 16:30
2部:ASOVIVA from 1 to 10 Live
開場 17:30 / 開演 18:00
[チケット]
・VIP ※SOLD OUT
¥13,000(税込)
※ASOVIP限定
・着席V.I.P ※SOLD OUT
¥11,000(税込)
※ASOVIP限定
・レギュラー
¥6,900(税込)
※1部・2部、両方ご覧いただけます。
・ライブオンリー
¥5,900(税込)
※2部のみご覧いただけます。
・新人さんいらっしゃ~いエリア
¥3,000(税込)
※2部のみご参加いただけます。
※後方席。
[一般先行]
受付期間 2月29日(土)12:00~3月22日(日)23:59
(問)NEXTROAD 03-5114-7444 (平日14:00~18:00)
ニューシングル「カラクリリック」
【初回盤A】RSCD-327/328 (CD+DVD) ¥1,800+税
【初回盤B】RSCD-329/330 (CD+DVD) ¥1,800+税
【通常盤】 RSCD-331 (CD) ¥1,500+税
vistlip ニューミニアルバム『No.9』
【PREMIUM EDITION】 CD+DVD(2019.11.1 LIVE at マイナビBLITZ赤坂全曲)
MJSA1286〜7 ¥7,200+税
【LIMITED EDITION】 CD+DVD(バラエティ動画「ROUGH the vistlip」収録)
MJSA1288〜9 ¥3,300+税
【vister】 CD+DVD(MUSIC VIDEOフルサイズ+メイキング動画収録)
MJSA1290〜1 ¥3,300+税
【lipper】CD(ボーナストラック「RADIO the vistlip」SP版収録)
MJSA1292 ¥2,500+税
vistlip全国ツアー<Good vibes CIRCUIT ZERO>
2020年3月29日(日)鹿児島SR HALL
2020年3月31日(火)長崎ホンダ楽器・アストロスペース
2020年4月9日(木)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
2020年4月11日(土)金沢AZ
2020年4月12日(日)長野LIVE HOUSE J
2020年4月17日(金)mito LIGHT HOUSE
2020年4月19日(日)越谷EASYGOINGS
2020年4月24日(金)仙台CLUB JUNK BOX
2020年4月25日(土)盛岡Club Change WAVE
2020年4月29日(水・祝)広島CAVE-BE
2020年4月30日(木)岡山CRAZYMAMA 2ndRoom
2020年5月4日(月・祝)神戸VARIT.
2020年5月5日(火・祝)ESAKA MUSE
2020年5月6日(水・祝)KYOTO MUSE
2020年5月9日(土)札幌SOUND CRUE
2020年5月15日(金)名古屋SPADE BOX
2020年5月16日(土)静岡SUNASH
2020年5月22日(金)新横浜NEW SIDE BEACH!!
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