【インタビュー】TETORAの成長と頑張る理由
3ピースバンド・TETORAが、2020年2月5日に4曲入りの1stシングル「あれから」をリリースした。昨年2019年に発表した1stアルバム『教室の一角より』が評判を呼んだ彼女たちの楽曲は、新人インディーズバンドの中では異例ともいえるほど、カラオケで歌われることが増えているという。それだけ、TETORAの歌はリスナーにとって自分と重ね合わせることのできる身近なものなのだろう。そうした楽曲が生まれる背景について、3人に話を訊いた。5月17日には地元・大阪のライブハウス梅田CLUB QUATTROで初のワンマンライブを行うことも決定している3人にとって、音楽で生きていく意味とは。
◆ ◆ ◆
■人間的に成長した
──1stアルバム『教室の一角より』リリース以降、カラオケでもかなり歌われているようです。ご本人たちが感じている変化などはありますか。
上野羽有音 (Vo&G / 以下、上野):1stアルバムは、今のメンバーじゃないときに作った曲があったんですけど、今回は全部この3人で作りましたし、バンドが定まって、色んなライブをしたり、初めてツアーをしたりして、たくさん経験を積んで今回の作品を作りました。アルバムを作ったときの自分たちより、シングルを作った自分たちの方が人間的に成長したと思います。
いのり(B&Cho):自分は以前、サポートメンバーだったので、『教室の一角より』の収録曲には私が弾いていない曲もあったんです。今回は全部でベースを弾いてますし、全部の曲が良いので聴いてほしいです。
──自分が正式メンバーになってからここに至るまで、自信になったのはどんなことでしょう。
いのり:観てくれる人の数も増えたし、全然会っていなかった人からの連絡も増えたんですよ。親も、最初は「何歳までバンドやるの?」みたいに聞いてきたんですけど、最近はめっちゃ応援してくれるし、リリースしたらチャリンコでタワレコに見に行ってくれるし(笑)。
ミユキ(Dr):あはははは(笑)。
上野:かわいい(笑)。
▲いのり(B&Cho)
いのり:応援してくれる人が多くなりました。中学以来会ってない人から、「カラオケでバイトしてたらおった(カラオケで流れる紹介映像で見た)で!頑張ってんねんなあ」って連絡が来たり。「ライブ来てな〜」と言っておきました(笑)。
ミユキ:私は、特に身の回りが劇的に変化したというわけではないですけど、まわりの人が自分を見る目が変わったのかなって。応援してくれる人が増えたり、友だちがライブに来てくれたりということが増えましたし、それが自信にもなった気がします。
──まわりからバンドの名前を覚えてもらっていることを実感することもありますか。
上野:ライブのときに、「TETORAっていうバンドです。よろしくおねがいします」って(他の出演者に)挨拶すると、私たちからしたら遠い存在の人たちから「あ、知ってる!」とか言われる機会が増えました。「えっ!マジすか!?」ってCDをお渡ししてます(笑)。
──そういうきっかけから、対バンに呼ばれたりすることも?
上野:前にSABOTENが、私たちと対バンをしたことなかったのにツアーファイナルに呼んでくれたんです。もともと面識はあったんですけど、「なんで誘ってくれたんですか?」って聞いたら、「どんなバンドか観てみたかったから」っておっしゃってくださって。ライブでも打ち上げでも、年齢が違うのに、こんな若造にちゃんと接してくれて、ちゃんと目線を合わせて話してくれました。
──同じバンドマンとして接してくれたということですか。
上野:そうです、それがすごく嬉しかったですね。あと、G-FREAK FACTORYと対バンできたことも嬉しかったです。
▲TETORA/「あれから」
──1stシングル「あれから」は、歌も演奏も自信に溢れている感じを受けました。どんな4曲を入れようと思ったんですか。
上野:不器用なので、“こういう感じの曲を作りたい”と思うと、全然作れなくなっちゃうんですよ。だから、どういう感じにしたいかということは、いったん考えないで、今の自分たちを全部出せるように、とりあえず衝動を忘れないようにと思って、バーッと書きました。1stアルバムを出すぐらいの頃に、次のレコーディングが決まっていたので、ツアーをまわりながら、合間に曲を作ったんです。アルバムのときよりも良いものを作ろうと思って。
──曲って、割とどんどん書ける方ですか?
上野:いいえ。
いのり・ミユキ:(笑)。
──メンバーから見て、大変そうなときもある?
いのり:大変そうなときもちょっと見えました。人と喋ってるときに、「ちょっと曲作らなヤバイねんなあ」とか言ってたり。
上野:(笑)。作ろう、と思うと作れないんですよね。気持ちが入ってるときに、作り溜めてる感じなので。
──曲が降りてくるのを待つとか?
上野:そういう感じばっかりです。
──降りてくるきっかけを作ったりもしますか。散歩したり、映画を観るとか、人によって色々あると思いますが。
上野:散歩もめっちゃしますし、映画もめっちゃ観ます。字を読むのは苦手なんですけど、本はなるべく読むようにしています。あとは、色んな人と喋るようにしています。
──「あれから」というタイトルは、どこから出てきたんですか。
上野:「あれから」は、違う言い方をしたら『教室の一角よりパート2』みたいな感じで作りたくて付けました。『教室の一角より』のバージョンアップ版を作った気持ちでいます。今のメンバーで作ったことも含めて、あれから経験も増えたし、わからないことも増えて、色んなことも知ったので。
──歌ってる気持ちとしては、学生時代と変わっていない?
上野:いや、学生時代にはない、今の気持ちを書きました。今の自分しか書けないと思います。傍から見たら同じかもしれないですけど、私たちからすると、以前とは全然違うと思います。
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