【対談】SUGIZO × スティーヴ・リリーホワイト、「スティーヴがLUNA SEAに取り戻してくれたもの」
■スタジオでは私は君と同じだね
■SUGIZOはMr.ディテールだから──スティーヴ
──『CROSS』の曲順はどのようにして決まったのですか?
SUGIZO:曲順はね、いつものように最初に僕がアイディアを出して、それをスティーヴが改造してくれてこうなったって感じです。
──どんな改造が?
SUGIZO:多くの面でスティーヴの意見が入っていますよ。結果的に僕が決めたのは頭と最後ぐらいで。
SUGIZO:それはよく分かる。昨日もスティーヴとメンバーとで食事に行ったんだけど、僕は甘い物を食べたくて、寿司屋の後にカフェへ行ってココアとデザートを頼んだもんな。これが大事なんですよね。
スティーヴ・リリーホワイト:私もだよ(笑)。昨夜、あれからホテルの部屋へ戻ったんだけど、もらったチョコレートを全部食べちゃった(笑)。
SUGIZO:面白いのはね、もしLUNA SEAで作っていたらこのエンディングには絶対ならなかったというところですよ。僕のアイディアとしては、「so tender…」を最後にするけど、現状のように淡泊に終わるんじゃなくて、サビを繰り返して盛大なエンディングにするつもりで作っていたんです。「so tender…」がエンディングなら終わりを壮大にしようよ」って、みんなも「それでいいね」ってなっていたんだけど、スティーヴが「いや、絶対こっちのほうが面白い」って。
──同じ曲でも、エンディングの意味の持たせ方が違うんですね。
SUGIZO:俺のやり方だと、これはデザートではなくメインディッシュで終わる。だけどスティーヴは、ポツンって蝋燭が消えるみたいに、最後フッと終わるでしょう? 命が終わるように終わるのがすごく魅力的でね、スティーヴじゃなかったらこうはならなかった。
SUGIZO:これはスティーヴの素晴らしいアイディアですよ。
スティーヴ・リリーホワイト:ありがとうございます。自信になります(笑)。話し合いを重ねた結果ですね。
──曲順によって、アルバムのイメージは変わるものですか?
スティーヴ・リリーホワイト:そうですね。曲順はストーリーを聴き手に伝えますからね。U2の『ヨシュア・トゥリー』は、A面はヒット曲の嵐で素晴らしいけれど、実は、B面は演奏がこなれてなかったという意味で良くなかった。今回LUNA SEAのアルバム作りのヴィジョンには4つの要素がありました。まず第一にエナジー。LUNA SEAのライヴを見たとき、オーディエンスがクレイジーになるようなエナジーのある曲がウケていたので、そうしたライヴでの盛り上がりもアルバムに込めていきたいと考えました。2つ目がメロディ。RYUICHIは単なるロックシンガーではなくフランク・シナトラのように感情表現ができるヴォーカリストです。だからメロディが大切。3つ目はモダンサウンド。“今の音”を入れることが重要です。
SUGIZO:スティーヴが言っている“今の音”というのは“最先端の音楽”って意味だと思う。
スティーヴ・リリーホワイト:……と言いつつも、昔からのファンも大切にしなければいけないので、4つ目として過去のLUNA SEAサウンドとも繋がる必要があります。今回その4つの要素は見事に達成できたと思います。
スティーヴ・リリーホワイト:スタジオでは、私は君と同じだね(笑)。SUGIZOはMr. ディテールだから。
SUGIZO:スティーヴの助言によって大きく変わった部分もたくさんあるんですよ。例えば「PHILIA」では「これは素晴らしいんだけど、デモの最初のINORANパートが面白くない。これは考え直したほうがいいよ」と指摘があって、INORANが作り直したことですごく良くなった。この曲のエンディングも、もともとの構想ではアウトロがあったんだけど、スティーヴが「これは取っちゃったほうがいい」って言って、ばっさり短くなった。そういう具体的な意見をくれるんですよ。
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