【ライブレポート】10回目を迎えた「音楽と笑い」の大祝祭! 吉本新喜劇座長・小籔千豊主宰<KOYABU SONIC 2019>
吉本新喜劇座長・小籔千豊が主宰するフェスティバル<KOYABU SONIC 2019>が、9月14日(土)~9月16日(月・祝)の3日間、インテックス大阪5号館、4号館にて開催された。記念すべき10回目となる今回も、小籔本人がブッキングするアーティストや芸人総勢70組以上が出演し、サプライズやコラボ企画も満載で盛り上げた。
<KOYABU SONIC>の最大の特徴は、ステージがひとつということ。これは、「アーティストも芸人もすべての出演者に敬意を表したい、かぶりなく全アクトを見てほしい」という小籔のこだわりで、転換時もオーガナイザー・小籔による出演者とのトーク、若手芸人による楽屋中継などで隙間なく楽しませてくれる。ひとときも見逃せない構成で、休憩を忘れてしまいそうになるが、休みたい時にはフードエリアに設置されているモニターでステージの様子をチェックすることもできる。親子観覧席、KIDSエリア、ベビールームなど子連れでも楽しめるエリアが充実しているのもうれしいところ。細部に至るまで「快適に楽しんでほしい」と願う小籔の想いが詰まっているのだ。
ここでは初日9月14日(土)の様子をピックアップしてお届け! 小籔自身が“心の底からおもしろいと思う芸人”のみを選ぶこだわりのネタブロックは、前半は見取り図、シソンヌ、シャンプーハット、矢野・兵動、後半は、トム・ブラウン、麒麟、ずん、中川家が登場。M-1ファイナリストから東のコント師まで事務所の垣根を超えた人気芸人のネタは、漫才ありコントありで大爆笑となり、出演アーティストが観覧席から楽しむ光景も。ネタ終わりの小籔とのトークでも爆笑の掛け合いで楽しませてくれた。
▲ジェニーハイ
川谷絵音(G,Produce/indigo la End、ゲスの極み乙女。etc)、中嶋イッキュウ(Vo/tricot)、くっきー!(B/野性爆弾)、小籔千豊(Dr)、新垣隆(Key)という個性的すぎるキャラと才能が集結したスーパーバンド、ジェニーハイは、「ジェニーハイのテーマ」、「ジェニーハイラプソディー」のクールな自己紹介ラップからスタートし、最新曲「シャミナミ」など計7曲を披露。ライブ後のトークでは、くっきー!にいじられる川谷Pなど普段見られないメンバーの素顔も紹介。
▲yonige×池乃めだか
他では見ることのできない芸人とアーティストの貴重なコラボもコヤソニの魅力だ。この日は、過去にもチャットモンチーやスチャダラパーなど数々のアーティストと感動の共演を果たしてきた吉本新喜劇の池乃めだかがyonigeのステージに登場し、yonigeの生演奏で代表曲「アボカド」を熱唱。難易度の高い節回しの歌詞を、途中小籔に助けられながらも最後まで見事に歌い上げると、会場からは温かい拍手が。yonigeの2人とは年齢差51歳という軌跡のコラボが実現した。牛丸ありさ(Vo,G)は「家族に自慢します、光栄です」と感慨深い様子をみせた。
イベントも終盤に差し掛かった頃、小籔に「大きな拍手で迎えてください!」と紹介されたのは、闇営業問題による謹慎処分を経て8月19日に復帰した天津・木村、くまだまさし、2700の3組。思わぬサプライズに会場からはどよめきが起こった。それぞれ渾身のネタを披露したあとのトークでは、謹慎中、3組全員に小籔からの差し入れや励ましのメッセージがあったことが明かされ、感謝を伝える一幕も。
▲吉本新喜劇ィズ
3日間全てのトリを務めるのはもちろん、吉本新喜劇ィズ! 2017年に<KOYABU SONIC>を復活させるために結成した同バンドを世に広めるということがこのイベントの最大の目的でもある。宇都宮まき(Vo,G)、福岡晃子(B、元チャットモンチー)、松浦真也(G)、金原早苗(Key)、小籔千豊(Dr)の5人が吉本新喜劇・チャーリー浜をモチーフにした2年ぶりの新曲「Bicycle Beach」などのオリジナル曲ほか、ナンバーガール「透明少女」のカバーなど全5曲を披露。年々磨きのかかる演奏と笑いも交えたパフォーマンスで魅了した。
吉本新喜劇ィズの「アイ ラブ ジョージ!」を出演者全員で歌う恒例のエンディングでは、1コーラスごとに歌う出演アーティストに交じって、矢野・兵動 矢野も歌唱パートを任され大活躍! ドラムはキュウソネコカミのソゴウタイスケが務め、メンバーも大はしゃぎで大団円となった。
チケット完売となった15日(日)は、初出演となった日向坂46、FANTASTICS from EXILE TRIBEなど豪華アーティストが盛り上げ、最終日16日(月・祝)は、コヤソニ常連組のスチャダラパー、TOKYO No.1 SOUL SET、EGO-WRAPPIN’などが出演、さらに川畑康史、すっちー、酒井藍、3座長が揃い、桑原和男、チャーリー浜も登場した豪華な吉本新喜劇に観客は大喜び。これまでにつないできた縁と想いが「音楽と笑いの融合」を生み出した唯一無二のフェスは、今年も大盛況の内に幕を閉じた。
文◎岡田あさみ
<KOYABU SONIC 2019>
大阪・インテックス大阪5号館、4号館
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