【ライヴレポート】ALICE IN MENSWEAR × defspiral、連合ユニットが大盛況「ALIspiral、フルソングでお送りします」
ALICE IN MENSWEARが8月12日、赤羽ReNY alphaにて2マンツアー<ALICE IN MENSWEAR COUPLING TOUR 2019『Down The Rabbit Hole』with defspiral>のファイナル公演を開催した。同ツアーは7月7日の西川口Hearts公演を皮切りに全6都市6公演の規模で行われたものであり、全公演アンコールでは両バンド計6名によるALICE IN MENSWEARカバーとdefspiralカバーが実演されるなど、画期的で親密度の高いものとなった。先ごろ公開した速報レポートに続いて、詳細レポートをお届けしたい。
◆ALICE IN MENSWEAR × defspiral 画像19枚
“Are you Ready?”の文字がステージ背面のLEDスクリーンに浮かび上がり、SEに合わせフロアから手拍子が沸き起こる。威勢よくTAKAが「行くぞ!」と叫び、力強いビートが高速で疾走する「AURORA」からライヴをスタートさせた。「PULSE」に突入するなり、「<Down The Rabbit Hole>ファイナルへ、ようこそ!」という呼びかけを合図として一斉に拳を振り上げるオーディエンス。鋭い眼差しと力強い歌声で魅了しながら扇動していくTAKAが、曲中に「行けるところまで堕ちていこうぜ!」と煽ると、MASATOのヒステリックなギターリフがうねりを上げ、熱量ほとばしるステージを展開していく。
「今夜は俺たちdefspiralと、穴の奥へどこまでも堕ちていきましょう。もっともっと乱れてください。踊り明かしましょう!仮面を脱いで」──TAKA
そしてダンサブルなアッパーチューン「MASQUERADE」へ。オーディエンスは一緒に歌いながら激しく踊り、フロアを大きく揺らした。同曲最後のシャウトで「素晴らしい!」という賛辞がTAKAから飛び出すほど、熱狂的な盛り上がりをみせた。妖艶な色香を放つ「LABYRINTH」、エモーショナルなロックチューン「HYSTERIA」、クールな中に熱さを秘めたメロウなナンバー「COLD SLEEP」と続けざまに披露した後、ミラーボールが回る満点の星空の中、バラード「HALO」では壮大な世界観を作り上げた。
「皆さんすべてをひっくるめて愛し、愛されていきたいと思います。あ~、楽しい! すでに楽しいんですけど、ファイナルはこんなもんじゃ終わらないんで。<Down The Rabbit Hole>に相応しいこの地下で騒いでいこうじゃないか。このリズムに合わせて腰を振って揺らしてください」──TAKA
とのMCに続いては、楽器隊が小気味良いリズムとリフを刻み始め、「PARADISE」へ。LEDスクリーン一面に“defspiral”のバンドロゴが映し出されると客席から一層大きな歓声が沸き起こった。
後半もこれぞdefspiralの真髄とも言えるラウドなバンドサウンドで観る者の魂を揺さぶった。「素晴らしき出会いという奇跡に贈ります」との言葉に誘われたラストナンバーは「IRIS」。最後まで最高のテンションでバンドのポテンシャルとエネルギーの高さを存分にみせつけた。「どうもありがとう! またどこかで会いましょう!」とALICE IN MENSWEARにバトンを渡した。
ステージ背後の全面に敷き詰められた大型LEDスクリーンにオープニング映像が流れ、ALICE IN MENSWEARの世界へ。スチームパンクな衣装で身を包んだKOJIに続いて、ゆっくりとした足取りでmichi.がステージに登場した。
1曲目は1stアルバム『Wonderland For The Lost Children』のオープニングナンバーでもある「Lost Child」。メロウな浮遊感が漂う幻想的なサウンドが場内に充満し、美麗なメロディをなぞるmichi.の魅惑的な歌声が冴えわたる。同曲ではLEDスクリーンにリリックビデオが流れ、視覚的にもイマジネーションを刺激しながらALICE IN MENSWEARのさらに深いサウンドホールへとオーディンスを引き込んでいった。
ここで雰囲気が一転。フロア上部のミラーボールとLEDスクリーンの中で巨大ミラーボールがきらびやかに回る中、ダンサブルなロックチューン「PILL≠GRiMM」で場内がダンスフロアと化した。そして、愛の欲望を描いた「capture -捕食者-」では気持ちを掻き立てるような高速ビートに乗せて、エロティックな世界を艶めかしい歌声で聴かせる。
「<Down The Rabbit Hole>にお集まりのうさぎちゃん諸君、ALICE IN MENSWEARです、よろしく! 今夜は今までで一番深い穴の奥底で、7月からたっぷり食べごろに仕上がってきた君たちをテイスティングしたいと思います。俺たちもたっぷり味わってちょうだいね。最後まで一緒に楽しみましょう」──michi.
と艶っぽい口調で誘ったmichi.のMCから、静と動を内包した「GARDEN」へ。切なさを帯びたメロディが、より想いの深さを加増させる「天声」、多彩な音色と3拍子のリズムが印象的な「ハジマリノウタ」と続けて演奏。そして大小様々な歯車が回転するLEDスクリーンの映像をバックに披露された「オートマタ-鋼鉄少女A」では、緊迫感あるアングラな音世界でオーディエンスを釘づけにした。
「今夜も皆さんのイヤらしいステキな力いっぱいの喘ぎ声を聴かせてちょうだい! 初めての方、今からすごいことが行われます。ちゃんとついてきてね」──michi.
と笑いを誘い、michi.の“アン アアァ~ン”というフェイクでコール&レスポンス。「さあ、今夜もイケないケダモノのパーティー!」とシャウトして客席を下手と上手に分けた。上手は“ニャンニャン”、下手は“ピョンピョン”に替えて歌うことをmichi.が説明する横で、ネコ手ポーズとウサ耳ポーズをするKOJIにオーディンスも大喜び。そして、きらびやかな照明の中で「GRAPLEER」をオーディエンスと一緒に作り上げ、ラストチューンの「Pre-TEA PARTY」ではタオルを振り回して会場をひとつにした。
童話の中で物語が展開するように、楽曲ごとにまったく違う世界を魅せたALICE IN MENSWEAR。「ありがとう! 今夜もALIspiral、フルソングでお送りします!」とアンコールを予告してステージを降りていった。
アンコールの幕が上がると、連合ユニット“ALIspiral”のメンバー総勢6名が登場。ドラムをカフォンに、エレキをアコギに持ち替え、まずはdefspiralの「PHANTOM」とALICE IN MENSWEARの「ハジマリノウタ」をアコースティックバージョンで披露した。
「6本のツアーでしたけど、全ヵ所とても濃いライヴを、セッションを繰り広げてまいりまして。その時の景色がいつでも蘇るような素敵な思い出をたくさん作ることができました」──TAKA
「あっという間にファイナルを迎えちゃって、ちょっとさみしい感じもするよね」──michi.
そんな彼らの言葉からも充実したツアーだったことがうかがえた。「それじゃあ、こっからまだまだバーティー、一緒に楽しんでいこうぜ!」とmichi.が煽り、ALICE IN MENSWEARとdefspiralの楽曲を交互に演奏していった。お互いの楽曲をただ一緒に演奏するのではなく、“ALIspiral”というひとつのバンドとして各楽曲が表現される。お互いのバンドをリスペクトし、楽曲をきちんと理解した上での演奏と歌だからこそ、ALICE IN MENSWEARとdefspiralのどちらのファンも心から楽しませ、躍らせ、感動させたのだと思う。
「またこうやって素敵な時間を君たちと共有できることを夢に見て、この後も楽屋で、この6人でイチャイチャしたいと思います(笑)」──michi.
「一段とステップアップしてカッコよくなった6人で、またみんなと会えたらいいなと思ってます。ありがとうございました!」──TAKA
一列になって手を繋ぎバンザイする彼らに、オーディエンスは大きな拍手と歓声を贈った。
なお、同ファイナル終演後には12月よりALICE IN MENSWEARの全国ワンマンツアーが開催されることが発表となった。ワンマンツアー<ALICE IN MENSWEAR TOUR 2019〜2020『蜜月茶会』>は、2019年12月13日の横浜BAYSIS公演から2020年2月24日の新宿BLAZEファイナルまで、横浜、柏、浦和、心斎橋、名古屋、札幌、宇都宮、仙台、姫路、福岡、広島、新宿といった全12都市13公演の規模で行われるもの。ALICE IN MENSWEARの全国ワンマンツアーは自身初となる。チケットのオフィシャル先行は8月25日(日)23:59まで。
取材・文◎牧野りえ
撮影◎河井彩美
■2マンツアー<ALICE IN MENSWEAR COUPLING TOUR 2019『Down The Rabbit Hole』with defspiral>8月12日@赤羽ReNY alphaセットリスト
01. AURORA
02. PULSE
03. MASQUERADE
04. LABYRINTH
05. HYSTERIA
06. COLD SLEEP
07. HALO
08. PARADISE
09. SILVER ARROW
10. IRIS
【ALICE IN MENSWEAR】
01. Lost Child
02. PiLL≠GRiMM
03. capture
04. GARDEN
05. 天声
06. ハジマリノウタ
07. オートマタ
08. GRAPPLER
09. アビエイターズ
10. Pre-TEA PARTY
【ALICE IN MENSWEAR & defspiralスペシャルセッション】
en1. PHANTOM (※acoustic / defspiral)
en2. ハジマリノウタ (※acoustic / ALICE IN MENSWEAR)
en3. Selenade (defspiral)
en4. Pre-TEA PARTY (ALICE IN MENSWEAR)
en5. ESTRELLA (defspiral)
en6. ALFHEIM (ALICE IN MENSWEAR)
■<ALICE IN MENSWEAR TOUR 2019〜2020『蜜月茶会』>
12月13日(金) 横浜BAYSIS
18:30 / 19:00
(問)サイレン・エンタープライズ 03-3447-8822
12月21日(土) 柏ThumbUp
17:00 / 17:30
(問)サイレン・エンタープライズ 03-3447-8822
12月28日(土) 浦和ナルシス
17:00 / 17:30
(問)サイレン・エンタープライズ 03-3447-8822
▼2020年
01月12日(日) 心斎橋VARON
17:00 / 17:30
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
01月13日(月・祝) 名古屋HeartLand
17:00 / 17:30
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
01月25日(土) 札幌Crazy Monkey
17:00 / 17:30
(問)WESS 011-614-9999
01月26日(日) 札幌Crazy Monkey
16:00 / 16:30
(問)WESS 011-614-9999
02月01日(土) HEAVEN'S ROCK宇都宮 2/3(VJ-4)
17:00 / 17:30
(問)サイレン・エンタープライズ 03-3447-8822
02月02日(日) 仙台spaceZero
17:00 / 17:30
(問)ニュース・プロモーション 022-266-7555
02月07日(金) 姫路LIVE HOUSE Beta
18:30 / 19:00
(問)サイレン・エンタープライズ 03-3447-8822
02月09日(日) 福岡DRUM SON
17:00 / 17:30
(問)BEA 092-712-4221
02月11日(火・祝) 広島SECOND CRUTCH
17:00 / 17:30
(問)キャンディープロモーション 082-249-8334
02月24日(月・祝) 新宿BLAZE
17:00 / 17:30
(問)サイレン・エンタープライズ 03-3447-8822
▼チケット
前売¥5,500- / 当日¥6,000-
スタンディング・別途ドリンク代・3歳以上チケット必要
一般発売:
・09/14〜 (12/13横浜公演〜1/26札幌公演)
・10/26〜 (2/1宇都宮公演〜2/24新宿公演)
【(1)オフィシャル先行(抽選)】
対象公演:12/13横浜~1/26札幌(7公演)
受付期間:8月13日(火)12:00~8月25日(日)23:59
受付URL:http://eplus.jp/alice1920/
制限枚数:各公演お1人様4枚まで
※e+会員登録[無料]が必要
【(2)オフィシャル先行(抽選)】
対象公演:2/1宇都宮~2/24新宿(6公演)
受付期間:9月下旬
※詳細後日発表
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