【速レポ】<京都大作戦2019>dustbox、「今まででいちばん半端ねえのお願いします」

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13時過ぎ、熱いライブが続きオーディエンスの放つ熱気だけでも相当にムンムンとした源氏ノ舞台に、さらに眩しい日差しが照りつける。ここに登場するのは先週に続いての出演であり、<京都大作戦>皆勤賞のdustboxだ。

◆dustbox 画像(15枚)

SUGA(Vo/G)は「ただいま!」と大きな声で挨拶し、「倍返しだね。思いっきりやろうぜ」と言って「Right Now」で勢いよくライブをスタートした。スピード感のあるYU-KI(Dr)によるドラムのビートとアグレッシヴなJOJI(B/Vo)のベースに、オーディエンスの興奮が一気に湧き上がってもみくちゃの人の上をダイバーがひっきりなしに転がっていく。


ブライトなメロディに拳もシンガロングの声も上がって、続く「Riot」での“ゴー!”を合図にその盛り上がりはグイグイと加速。エコーがかけられた「大作戦!」というJOJIの叫びで、3人のアンサンブルが攻撃的にオーディエンスに食ってかかっていく。頭から容赦なくファストチューンを連投するdustbox。でもそれでもまだまだと、マシンガン的な超高速のギター&ベースのリフをオーディエンスに撃ち込む「Break Through」で、「今日の<大作戦>に、壁なんていらねえ!」とSUGAが絶叫。哀愁混じりのタフなメロディと硬質のサウンドで、ぎゅっと源氏ノ舞台を一体化した。

今年20周年を迎えたdustbox。5月には9thアルバム『The Awakening』をリリースし、現在アルバムを携え2020年まで続くた全国ツアー真っ只中だ。このツアーはもちろん、最新作でもダスト節をアップデートし、グッド・メロディを丹念に磨き上げ、3人のバンド感を上げながらその道を切り開いている「俺たちの旅は、まだ終わらない」とSUGAが語ると、「Bird Of Passage」「You Are My Light」と続けていく。涙を笑顔に変えるタフで晴れ晴れとしたメロディが、SUGAのハイトーン・ボーカルで丘の向こうへと突き抜けていくのは爽快だ。自然とシンガロングの声も大きくなる。


歓声は止まず、喋りだそうにも興奮の声を上げる観客に、「人の話を聞け!」とJOJI。「前回も言ったけど、緊張するんだわ。曲を知らない人たちもこうやって盛り上がってくれてるのよ、こんな嬉しいことないから。マジでありがとう」と本当に嬉しそうに語ると、SUGAも「嬉しいよね。同じフェスに2週連続出るのは初めての経験なので。セットリストどうしようか考えたけど。いつも通り、自分らしくやるわ」と言う。そして「うしろ! 丘の上! 君たちの声も聞かせてくれ。前! 全力出せよ。2019年、倍返しだぜ、奇跡を起こそうぜ」(SUGA)と煽ると「Here Comes A Miracle」でオーディエンス渾身のシンガロングを指揮。嬉しそうにその光景に目を細めると、「今日はやるぞ! 倍返しの「Hurdle Race」、今まででいちばん半端ねえのお願いします」(SUGA)と挑発して、これでもかと言わんばかりの超高速のギターリフを見舞った。

先週の出演時には「Hurdle Race」で10-FEETが乱入し大きく盛り上がったが、今回は、一味ちがう。SUGAが10-FEET「ヒトリセカイ」のイントロのコードをゆっくりとかき鳴らす。“おお!”と声をあげオーディエンスがざわつくなか、息を吸い込み歌い出したのはドラムのYU-KIだ。やや照れがあったのか、JOJIに「ちゃんとやれ」と笑われ、舞台袖から出てきた10-FEETのNAOKIに「お前が歌うんかい!」と突っ込まれる。そしてステージには10-FEETの3人が揃い、「やりますか」というSUGAの言葉で6人で「ヒトリセカイ」をプレイ。

JOJIはNAOKIにベースを託してマイク片手にオーディエンスを煽り、TAKUMAは中央で竹ぼうきをギターに見立てながらもマジに歌い、KOUICHIはYU-KIの傍で一緒にドラムを叩く。本家よりもややメロディックな6人体制でのレアな「ヒトリセカイ」。セッションと呼ぶにはだいぶおふざけが満載だが、それでも“このときを待ってた!”と、オーディエンスのシンガロングも熱い。


「よかったね4日間、ちゃんとできて。おめでとうございます。これからもこの最高のイベントが続いていくでしょう。君たちもこの場所を守っていってください」。SUGAはそういって10-FEETの3人を見送り、オーディエンスに声をかけると「ありがとうございました、全員に贈ります」と、陽のメロディが眩しい「Tomorrow」をプレゼントすると、もうちょい時間があるのでと言って、超ファストなショートチューン「Just One Minute」で、このライブと京都大作戦の4日間のドラマを凝縮し、ダスト節の明るいメロディにのせて解き放った。


取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN

【dustbox セットリスト】

01. Right Now
02. Riot
03. Break Through
04. Dance Until Morning
05. You Are My Light
06. Here Comes A Miracle
07.Alone In This World
08.Hurdle Race
09.Tomorrow
10.Just One Minute

■<京都大作戦2019 -倍返しです!喰らいな祭->

6月29日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
6月30日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月06日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月07日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
開場 9:30 / 開演 11:00 / 終演 20:00予定

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