おばけプレイヤーAstell&Kern KANN CUBE、6月22日(土)より発売

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ハイレゾオーディオブランド「Astell&Kern(アステルアンドケルン)」から新製品として発表されていたハイレゾプレーヤーKANN CUBE(カンキューブ)が、2019年6月22日(土)に発売されることが明らかとなった。

KANN CUBEは、これまでのAstell&Kernラインナップの中でも群を抜いて異色なプレイヤーで、「最高品質のサウンドのためですから、ダウンサイズはあきらめていただきますよ」と言わんばかりのサイズを誇っている。ざっと幼稚園児のお弁当箱サイズだ。iPhoneの計測アプリで図ってみてもご覧の通り。となりに並べたAK320がミニプレイヤーに見える。


その図体から期待されるサウンド・クオリティを裏切ることなく、KANN CUBEから飛び出すサウンドはとにかくパワフルで、オーディオマニアが所持しているような能率の低い高インピーダンス・ヘッドホンや、平面駆動のような潜在能力を引き出すのが難儀なヘッドホンでも、何事もなかったかのように極上の音像を叩き出してくれる。音の輪郭はシャープで非常にクリア、生ぬるさは皆無で精密さとダイナミックさが同居した非常に頼もしいロックンロールなプレイヤーだ。

このようにどでかく重たくなったのも、ESS Technology社SABRE PROシリーズ最新の8ch DAC「ES9038PRO」をポータブルオーディオプレーヤーとして初めてデュアル搭載したことと、十分な駆動を確保するためのバッテリーを積んだことが直接的な要因のようだ。が、イヤホンやヘッドホンのクオリティが極限まで高められている現状において、いつでもどこでも据え置きオーディオ・レベルのサウンドを堪能できるようになったという事実は、音関連を職業にしている専門家から無類の音楽好きにまで、心からの歓迎をもって迎えられることだろう。

もちろん、このおばけサイズを持ち歩くことを苦としない選ばれしものだけが、KANN CUBEの由緒正しきユーザーとなってしまうわけだが、古くはカセットデンスケや初代ウォークマン、あるいは初代ゲームボーイなど、ずしりと手にした存在感にこそ、オーナー心をくすぐる所有感が潜まれていたような気もする。

消費の時代はとうに終わり、もったいない精神で地球をいたわる省エネ時代だが、このような遊びココロあふれるイキ過ぎた設計であればこそ、たっぷりの愛情を注くことで高揚感ほとばしる高テンションな毎日が存分に堪能できるのではないかと思っている。

文:BARKS編集長 烏丸哲也


Astell&Kern KANN CUBE(カンキューブ)
発売日:2019年6月22日(土)
価格:オープン(直販価格 税込199,980円)
【主な特徴】
・ESS ES9038PRO SABRE 8ch.DAC x2 搭載
・驚異的な高出力と低ノイズ化の両立
・Mini XLR 5-pin搭載
・7,400mAh大容量バッテリー内蔵
・Quad-Core CPU搭載
・PCM 384kHz/32bit、DSD256(11.2MHz/1bit)のネイティブ再生
・HP/ライン出力:3.5mm/3極、2.5mm/4極(バランス)
・デジタル:USB DAC機能、USB AUDIO出力、光デジタル出力(3.5mm出力端子と兼用)
・Femto Clock搭載
・急速充電、高速データ転送に対応
・内蔵ストレージ128GB
・高解像度5インチHDディスプレイ


◆KANN CUBEオフィシャルサイト
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