【ライブレポート】Ken Yokoyama、新ドラマー加入後初ツアーで「世界一のロックンロールずら」

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Ken Yokoyamaが3月から4月にかけて<New Age Tour>を行なった。前任ドラマーの脱退はすでに2018年末の段階でメンバー自身から語られ、その後任として元FACT/Joy OppositesのEijiこと松本英二が加わったことが2019年に入ってから発表されている。今回のツアータイトルが、松本英二の名前も掛けて付けられたのはもちろんだろうが、メンバーチェンジによってKen Bandが新たな段階に入ったことも感じさせる。

◆Ken Yokoyama 画像

<New Age Tour>最終日となった4月2日の恵比寿リキッドルーム。ツアー全ヵ所でゲストバンドを務めたBURLがストレートなパンクでオーディエンスを熱くさせた後、ステージにセットされていくKen Bandの機材。FACT時代は2バスのゴツいドラムセットを愛用していた松本英二だが、ステージに並んだのはシンプルな3点セットを基調としたもの。とはいえカーボンブラックのシェルが、猛々しい雰囲気を放っていた。



夜8時過ぎ、まだ客電が点いたままだったが、Ken Bandがステージに現れた。それぞれが軽く音出しをしたところで横山健が挨拶する。

「地元東京からやってきましたKen Bandです。<New Age Tour>へようこそ」──横山健

そう言うと、ベースのJun Grayと向き合って、静かにコードを鳴らし始めた。曲は春という季節にもふさわしい「Cherry Blossoms」。静かなイントロ直後、横山健はしっかりと松本英二を見た。それと同時に炸裂し始めたバンドサウンド。新たなKen Bandを祝福するように、フロアではクラウドサーフが次々に起こり始めた。オーディエンスのエネルギーを思いっきり浴び、自然に笑顔がこぼれる横山健、南英紀、Jun Gray、そして松本英二。勢いを加速させながら次から次へと曲を叩きつけていく4人だ。





「もんげー! ドラムが替わって、えっ君 (※松本英二の通称)になりました」と横山健が紹介すると、その松本英二は「どぉも〜、ポオー!」などと妙にハイテンションな奇声を上げる。「えっ、FACTのときからそんなキャラだっけ(笑)? こっちが慣れていくしかないずらー」と横山健。そこから下ネタへ突入するブレのなさに、松本英二も思わずニンマリ。いちいち喜んじゃうあたり、下ネタに松本英二はまだ慣れていないようでもある。

その松本英二がどうしてもやりたかった曲のひとつ「Not Fooling Anyone」から再びプレイへ突入。曲が続くなか、横山健がマイクをフロアに投げれば、オーディエンスは我先にとマイクを奪いながら歌いまくる。新生Ken Bandの一発目のツアーだが、慣らし運転のような気配はステージにもフロアにも一切なし。全開である。





「1本1本良くなっていって、俺たち4人は、もういい雰囲気ができてる」と横山健。「ノーミス、当たり前だ、馬鹿野郎!」と堂々と言い切る松本英二。が、筑波のライブではミスもあったそうで、すぐに謝る誠実さ。またメンバーチェンジ後、今までにないほど一生懸命にリハーサルに入ったというKen Band。そして横山健は、こう言葉を続けた。

「過去曲ばっか練習していたわけじゃないから。えっ君を入れた4人で新曲を作った。それを聴いてくれ」──横山健

次の音源にも入る予定だという新曲「Runaway With Me」は、まさにバンド内の雰囲気の良さがそのまま音にも息の合ったアンサンブルにも表われている。松本英二のドラムプレイは、FACT時代から知られていたように、どんなに高速リズムであろうが音の一発一発に芯があって重い。Jun Grayのアタック感あるベースサウンドと一緒になったとき、リズムセクションとしての強力さがあらわになる。またそうなれば、南英紀も横山健もタイトなリフ刻みから変幻自在のソロフレーズまで、思う存分に弾きまくることができる。






「バンドの雰囲気、最高だろ? メンバーチェンジにネガティブなイメージを俺も持ってたけど、これ、いいだろ! 世界一のロックンロールずらよ。俺はKen Band、どこにも負けないと思ってる。メンバー替わって、俺は最低あと10年できると思ったよ」──横山健

その言葉にグオーッと熱い歓声が巻き起こる。ここから曲は去年夏からライブでやっている新曲「Helpless Romantic」をはじめ、イントロからでかいコーラスも巻き起こった「I Won't Turn Off My Radio」、Woodsticsのミニギターを弾きながら「Beliver」など様々な曲が続く。そして「Ricky Punks III」になったとき、フロアから起こるのは“PUNK ROCK!”コールだった。コール&レスポンスを求めなくても、自然に生まれる熱さと一体感。誰もがイキイキとした表情になっている。パンクロックの、ロックンロールの、そして音楽の力。




「サンキュー、ありがとう。こんなに来てくれてありがとう。柄にもなく感謝の気持ち込めてやるわ。喰らってくれ!」と「Punk Rock Dream」へ。どこまでもブチ上がるオーディエンスだった。

「えっ君、加入ライブにしては会場が小さすぎたな。コラムにも書いたように、俺はアンコールやらないって心に決めてる。今日はやりきって帰るから」──横山健

そう言って繰り出したのは「Conme On, Let's Do The Pogo」。フロアではステップやらダンスも起こるなど楽しさでいっぱい。喜ぶオーディエンスの姿を見ながら、今日だけはこのまま帰りたくないと思ったか。「コラムではアンコールやらないって言ってたけど、もう1曲やって帰るわ」とラストナンバー「What Kind Of Love」を叩きつけた。




メンバー本人も言うように、雰囲気の良さはもちろん、バンドサウンドの固まり具合も相当なもの。それでもライブごと、さらに良くなっていくことも自覚しているメンバー4人。「誰にも負けない…」、その言葉はKen Bandからの宣戦布告のようにも感じ取れた。

また、すでに公表されているように<New Age Tour>の第二弾と第三弾もこれから行なわれる。さらに6月には<SATANIC CARNIVAL '19>もある。期待しかない。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎Teppei Kishida

■<Ken Yokoyama「New Age Tour」>4月02日(火)@東京・恵比寿 Liquid Roomセットリスト

【BURL】
01. TIGER SHOUT
02. I WANT TO MAKE A THOUGHT INTO A FORM
03. FUCK
04. BIG FUCKIN' NOISE
05. FREEDOM SOUND
06. IN THE WAR
07. TOMORROW
08. DISASTER
09. COME ON BOY
【Ken Yokoyama】
01. Cherry Blossoms
02. My Shoes
03. Maybe Maybe
04. Save Us
05. Not Fooling Anyone
06. Last Train Home
07. I Fell For You, Fuck You
08. Runaway With Me
09. Brand New Cadillac
10. WALK
11. Helpless Romantic
12. I Won't Turn Off My Radio
13. Believer
14. Support Your Local
15. Ricky Punks III
16. Longing(A Quiet Time)
17. Soulmate
18. Let The Beat Carry On
19. Still Burning
20. Punk Rock Dream
21. Come On, Let's Do The Pogo
22. What Kind Of Love

■<Ken Yokoyama「New Age Tour II」>

4月24日(水) 名古屋 CLUB QUATTRO
4月25日(木) 京都 MUSE
4月27日(土) 高松 MONSTER
4月28日(日) 和歌山 SHELTER
open18:00 / start19:00
※全公演ゲストバンド:DRADNATS
▼チケット
前売 ¥3,300-
※餓鬼割先行(年齢制限有) ¥1,000-
一般発売:3/30(土)

■<Ken Yokoyama「New Age Tour III」>

5月29日(水) 浜松 窓枠
5月30日(木) 大阪 BIG CAT
6月01日(土) 米子 laughs
6月02日(日) 周南 RISING HALL
6月11日(火) 山形 ミュージック昭和Session
6月12日(水) 石巻 BLUE RESISTANCE
※全公演ゲストバンド有り(後日発表)
open18:00 / start19:00
※6/11山形公演のみopen17:00 / start18:00
▼チケット
前売 ¥3,300-
餓鬼割先行(年齢制限有)¥1.000-
※6/2周南公演のみ、スタンディングおよび後方指定席の2券種となります
一般発売:4/20(土)

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