【ライヴレポート】Psycho le Cému、＜MUD FRIENDS＞で「僕らもバンドを続けていく」

MUCC、Psycho le Cému、Waiveの3バンドによるイベント＜MUD FRIENDS 2000〜2018＞が10月14日から10月18日、大阪および東京にて4公演の規模で開催された。現在のシーンで中堅世代に位置するの3バンドの共演は実に刺激的なもの。先ごろ公開した全体レポートに続いて、Psycho le Cémuに着目したオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆＜MUD FRIENDS＞Psycho le Cému 画像

デビューも年齢もほぼ同じ3バンドの出会いは、2000年5月20日のOSAKA MUSE (※旧“心斎橋MUSE HALL”)で開催されたイベント＜Charade vol.7＞に遡る。


当時のPsycho le Cémuのメンバーは、MUCCの勢いを肌で感じ取っていたという。Psycho le Cémuの地元･関西で行われたイベントにも関わらず、一番の集客数を記録したのがMUCCだったということからも、脳裏にその事実が色濃く記録されたようだ。

その頃からMUCCに対してライバル心を強く抱くようになったPsycho le Cémuメンバーだが、イベントで対バンすることが次第に多くなり、メンバー同士の年齢が近いこともあって、自然と両者の間に仲間意識が芽生えていったという。

一方のWaiveとは、同じ系列の事務所に所属していたこともあって、当時から親しい関係にあり、お互いを切磋琢磨しあう間柄でもあった。しかしながら、Waiveは2005年に解散、Psycho le Cémuも2006年に活動休止する。


それぞれの解散／休止後、メンバー個々は音楽活動を継続し、イベントで共演するなど交友関係を続けていた。いつの日か、この3バンドでの共演を夢見てきたそうだ。

そして2015年、Psycho le Cémuは活動を再開。Waiveも活動休止中ながら、2019年の4月にワンマンライヴの開催を発表したことで、夢の現実化が一気に加速。ついに2018年の10月に東京および大阪でのライヴ開催を発表する運びとなった。ツアー日程の中にOSAKA MUSEの名前もしっかりと入っていたのは、3バンドのこだわりの表れでもあったはずだ。



ファイナルとなった10月18日、ZEPP TOKYO公演にて大トリを務めたPsycho le Cémuのseek(B)が、MCで語った言葉があるので、ここにご紹介したい。

「Psycho le Cémuもいろいろあったけど、MUCCとWaiveが近くに在り続けてくれていたことで、ステージに戻ってくることが出来ました。僕らもバンドを続けていくので、みんなもバンギャル、続けてください！」──seek

現在も音楽活動を継続している同期のバンドは数少ない。Psycho le Cémuにとって、MUCCとWaiveという存在は、共にこのシーンを引っ張っていくライバルであり、泥友(MUD FRIENDS)ならぬ戦友だろう。紆余曲折を重ねながら音楽活動を続けてきた結果、戦友と再会できた。それはきっと、これから彼らが目指す場所への強力な援軍になったはずだ。




DAISHI(Vo)は、ZEPP TOKYO公演の最後の楽曲「REMEMBRANCE」の前にMCでこう語った。

「悲しいときや辛いとき、常にこの歌が僕の中に流れてきます。みなさんも、そんなときはどうかこの歌を聴いて、日々を過ごしてください」──DAISHI

これは会場のオーディエンスに対して放った言葉であるが、自身の決意とも取れるような気がした。

Psycho le Cémuは12月、ロールプレイングな世界観が展開される東名阪ツアー＜FANTASIA＞を開催するほか、ひとつのメロディに対して3つのアレンジで異なるサウンドを構築した会場限定シングルCD「FANTASIA」をリリースすることが発表となっている。

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