【速レポ】<中津川ソーラー>佐藤タイジ&華純連、「阿波踊りは四百年続くレベルミュージック」
2018年、突如として誕生したコラボレーションプロジェクト=佐藤タイジ&華純連。いくつかのフェスに出演もしているが、佐藤タイジがオーガナイザーを務めるこの<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>で観たかったファンも多いはず。
◆佐藤タイジ&華純連 画像
13時35分、まずステージに出てきたのは、東京・高円寺の阿波踊り集団“華純連 (かすみれん)”。西洋楽器の多い音楽フェスに、楽器でありながら邦楽器。そして着物姿。とてつもないインパクトをオーディエンスに与えると同時に、神前での厳かな行事も思わせる静粛さで空気も張り詰めた。鉦 (しょう)と笛を合図に始まった華純連によるお囃子のなか、佐藤タイジもステージに現れる。
「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損、損。これは徳島に四百年続いている阿波踊りの哲学でございます。ひと握りの権力者に対し、阿波踊りでは、踊る阿呆と言います。つまり阿波踊りの前では皆平等。そして阿波踊りは四百年続くレベルミュージックだということを、この中津川で声を大にして伝えたいわけでございます。ソーラーの仲間達よ、私の後についてきてください」
宣言にも似た言葉の直後、自ら「踊らなソンソン」と声を張り上げる佐藤タイジ。そこに鳴り響く太くドラムのでかいグルーヴに、華純連による祭り囃子。さらに佐藤タイジのフィーリング豊かなギターフレーズが絡みつく。
「世界初、阿波踊りレベルファンクです。ええじゃないか、ええじゃないか、でございます。華純連、最高やろ! これでアメリカツアーやろうと思ってるから」
そう約束して、威勢のいい「先祖代々」や男の色気も漂うファンキーなナンバー「Funky最高責任者」などが続く。
実際に阿波踊りとロックのコラボレーションは世界で初めてのことだろう。しかし、新しいあまりに拒否反応めいたものが起こることはない。なにしろ祭り囃子というのは、日本人ならDNAに生まれながら刷り込まれているようなもの。そして新しいといっても、鳴っているのは音楽。音楽とは音を楽しむことだ。それを真っ正直にピュアに体感できるレベルミュージックがここにある。エモーショナルなギターも凄まじいカッコよさ。また佐藤タイジと華純連の面々が、お互いに呼吸し合いながら生む躍動感に、阿波踊りするファンもどんどん増えていく。
「中津川と阿波踊りって合ってますよね」と言いながら披露する「ありったけの愛 (佐藤タイジ&華純連ver)」は、歌詞も阿波踊りに絡めた内容で、佐藤タイジがこのプロジェクトに掛けた思いまでも伝わる。その思いに応えるように曲の後半から華純連の子供達10人が踊りで登場。優しいまなざしで迎えるのは佐藤タイジだった。
「佐藤タイジ&華純連、これからもよろしくお願いします」と改めて丁寧な挨拶から最後は「お囃子」。ギターを置いた佐藤タイジは阿波踊りしながら“ヤットサー! ヤットサ!”と調子よく掛け声を上げれば、もうここは日本の祭りである。誰も彼もが踊る阿呆になって楽しむ姿があった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎平野大輔
【佐藤タイジ&華純連@REDEMPTION STAGEセットリスト】
02. 先祖代々
03. Funky最高責任者
04. 愛し合う者たちよ
05. ありったけの愛 (佐藤タイジ&華純連ver)
06. お囃子
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
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