【速レポ】<中津川ソーラー>LIVE FOR NIPPON 武藤昭平 with ウエノコウジ presents SOLAR JAM、「がんに打ち克って、戻ってきました!」

ポスト

おかえり武藤昭平。まさに奇跡の復活である。事前予告はなし。だがこんなにうれしいサプライズはない。LIVE FOR NIPPON 武藤昭平 with ウエノコウジ presents SOLAR JAMは、武藤昭平の復帰ステージとなったのだ。

◆LIVE FOR NIPPON 武藤昭平 with ウエノコウジ presents SOLAR JAM 画像

サウンドチェックにてロバート・ジョンソンの「Love in Vain」をプレイしたのはウエノコウジ(B)、それからウエノが「一番信用してるミュージシャン」と紹介する堀江博久(Key)、藤井一彦 (G/THE GROOVERS) 、白根賢一(Dr/GREAT3)という面々。さらに「かわいい後輩、若頭」の佐々木亮介(Vo/a flood of circle)、「ロックンロール業界で一番使いやすい男(笑)」という百々和宏(Vo/MO’SOME TONEBENDER)のボーカル陣だ。ウエノは「朝からブルースはきついねえ」と漏らしつつ、「カープ女子に負けじとブルース女子を増やしたい」とも。藤井と白根は苦笑いをしていた。





本編は「乱気流ガール」(THE GROOVERS)で幕を開ける。ウィンドミルを炸裂させるなど、ダイナミックな弾きっぷりの藤井が、朝一とは思えないエネルギッシュなボーカルでバンドを引っ張っていく。続いて、ブルースの灯が消えない理由をぎゅっと詰めこんだ「美しき人よ」を空の青に溶け込ませてみせた。ここで「おはようございます若頭です、よろしくどうぞ」と佐々木がオンステージ。武藤昭平 with ウエノコウジが今年リリースした『JUST ANOTHER DAY』から、サザンロックナンバーの「ウェイブ」をやると、ブルーノートのツボを突く歌唱に「いいねえ、もうこの曲亮介にあげる」とウエノ。カントリーテイストの「ローリン・サーカス」を経て、後半戦へ突入していく。



百々和宏、さらに急遽駆けつけた青木ケイタ(Sax)を迎えた「コロンブス」は、ドス黒いリフからの開放的なサビが最高に気持ちいい。「ビールのおかわりください」(百々)「俺も!」(ウエノ)「ここステージだぞ!」(堀江)なんてやり取りを挟みつつ、トム・ペティの「I Won't Back Down」へ。この曲で百々は一旦ハケる。改めてウエノがバンドメンバーを紹介したところで、「急遽なんだけど、もうひとりだけゲストが来てます。……たぶんみなさんびっくりしますよ!」と、呼び込まれたのが、まさかの武藤昭平だったのだ。湧き上がるどよめきと大歓声に、両手を広げながらポーズを決める武藤。そして「いくよ!」と気合一発、「シンガポール急行」に入る。声はどうかと思えば、心配なんて蹴散らすほどパワフルかつごきげんだ。1曲終わってうれしそうな笑みを見せる武藤に、「おかえりなさい、がんじゃなかったの?」とウエノ。すると「がんに打ち克って、戻ってきました!」という力強い復活宣言が飛び出した。さらに「悪いことばかりじゃない……」と続け、「エブリデイ・イズ・ラッキーデイ」を歌い上げる。ロックンロールとは人間の底力なのかもしれない、そう思わされる光景だった。ラストはアクト全員がオンステージしての「凡人讃歌」。「ラララ」とウエノのベースだけで大合唱が続いた時間は祝宴そのものだった。最後に「ありがとう中津川!」と叫んだ武藤は、メンバーたちに囲まれながらステージを後にしたのだった。







取材・文◎秋摩竜太郎
撮影◎三浦麻旅子

【LIVE FOR NIPPON 武藤昭平 with ウエノコウジ presents SOLAR JAM@RESPECT STAGEセットリスト】

01. 乱気流ガール
02. 美しき人よ
03. ウェイブ
04. ローリン・サーカス
05. コロンブス
06. I Won't Back Down
07. シンガポール急行
08. エブリデイ・イズ・ラッキーデイ
09. 凡人讃歌

■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>

2018年9月22日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ

この記事をポスト

この記事の関連情報