【速レポ】<中津川ソーラー>NICO Touches the Walls、「もう僕らはファミリーです」
「中津川 THE SOLAR BUDOKAN、初めまして。サウンドチェックの時点ですでにソーラー電池の威力を実感しております。めちゃくちゃ音がいい。楽しいライブにしましょう!」──光村龍哉(Vo,G)
◆NICO Touches the Walls 画像
意外にも初出演となるNICO Touches the Walls。生々しいサウンドやアンサンブルの妙を楽しんできたバンドだけに、「音がいい」という事実がミュージシャンとしての本能に火をつけたようだ。陽が傾き始めたREVOLUTION STAGEに登場した彼らは、オープニングナンバーとなる「mujina」から、いつも以上にダイナミックなロックの脈動をかき鳴らしていく。「いいねえ、気持ちいいっす!」と言いながら「THE BUNGY」へ。アイリッシュ民謡テイストにこれぞアンセムというメロディや、サポートを務める浅野尚志のバイオリンソロが雄弁に響き渡る。ちなみにソロのバックをピアニッシモで弾いていたが、バンドが客演者を引き立たせるということも、タッチの弱さとプレイのよさを両立させるということも、なかなかできることではない。
続いて、マイナーの響きが妖艶さを演出する「SHOW」、クリーンサウンドのやさしい音色と美しいハーモニーが心地よい「ストラト」。山を臨む一番でっかいステージで聴くこういった曲の気持ちよさったら。光村も、「最初は受け入れてもらえるか不安だったんですけど、急にホーム感が……いやホームを通り越して、ファミリーみたいな感じを勝手に感じております」とのこと。
NICO Touches the Wallsというのは歌詞もめちゃくちゃ最高で、次に披露された「天地ガエシ」は《どんだけ魂燃やして命焦がしても/どこが変わってんだよってツバ吐かれたろ/必殺【鬼の隠し拳:天地ガエシ】で/そっくりそのまま返してやれ》とカウンター精神の塊だ。が、もっと最高なのは、それをものすごく軽妙に聴かせてしまうということ。曲中にテンポを変えてしまう遊び心もあいまって、音楽の多幸感として昇華されているのだ。
「いや最高ですね、なんか。また呼んでください、中津川に。もう僕らはファミリーです」と光村。そして「Funny Side Up!」からノンストップでラストの「VIBRIO VULNIFICUS」へなだれ込む。7月リリースの『TWISTER -EP-』に収録された、最も新しく、最も激しいロックの爆弾をブッ放し、最後に光村はこう言った。「また会おうぜ中津川、I LOVE YOU!」
取材・文◎秋摩竜太郎
撮影◎木村泰之
【NICO Touches the Walls@REVOLUTION STAGEセットリスト】
02. THE BUNGY
03. SHOW
04. ストラト
05. 天地ガエシ
06. Funny Side Up!
07. VIBRIO VULNIFICUS
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
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