【速レポ】<中津川ソーラー>クラウド・ルー、カラフルで万華鏡的な歌声にタイジ飛び入り
日差しが眩しい午後のREALIZE STAGEに登場したのは、台湾のシンガー・ソングライター、クラウド・ルー。パーカッションとふたり編成でのステージとなる。
◆クラウド・ルー 画像
拍手に迎えられ笑顔で登場したクラウド・ルーは、アコギを手にとってステージ中央の椅子に腰をかけると、ギターのボディでリズムをとりながらメロディアスに口笛を吹く。その口笛の陽性のメロディとカホンの軽やかなビートに、自然と観客から手拍子が重なって1曲目の「Que te pasa? 你在幹嘛?」へ。とにかく、キャッチーなグッドメロディとジェントルな歌声が気持ちいい。そのポップ性の高さも、ジェイソン・フォークナーやブレンダン・ベンソン、あるいはアップルズ・イン・ステレオなどを彷彿とさせるもので、ギターとパーカッション、歌という、ごくごくシンプルな音だけで、とてもカラフルなサウンドを生み出すアーティストだ。
中国語での歌ゆえに、なんとも不思議な耳心地ではあるけれど、その発語感だったり、音そのものもマジカル。しかもこの方、とても器用で、抑揚のあるメロディから、ファンキーでリズミカルなメロディ、ファルセット的なヴォーカルも、カズーなしでエフェクティヴな声色やブラスのような声色出せたりと、曲が進むごとに、観客をグイグイ引き込んでいく妙手なのだ。
「こんにちは、クラウド・ルーです」という自己紹介とパーカッショニストを紹介して「早安,晨之美!」を披露すると、続く「慢靈魂」では「スペシャルゲスト、タイジさん!」と佐藤タイジを呼び込んで、ふたりでギターを爪引き、クラウド・ルーがメロウな歌を響かせる。後半、流麗なギター・フレーズをきめてくる佐藤タイジとの白熱したセッションで、その曲はとてもきらびやかで、美しい輝きを増していった。野外という、開放的な空間にもとても似合っている。曲の終わりに、固い握手を交わしたふたりはお互いに、「クラウド・ルー、最高!」「タイジさん、最高!」と笑顔で讃えあった。
続く3曲「魚仔」、「100種生活」「別在我睡著的時候打電話給我(Jazz Ver.)」はギター1本でひとりで歌を聴かせていく。パーカッシヴにギターをかき鳴らしながら、万華鏡的にカラフルな歌声を弾ませる。「別在我睡著的時候打電話給我(ちなみに英語タイトルだとDon’t call me baby)」はジャズバージョンということだったが、ファンキーなノリで、彼のシアトリカルな表現が存分に堪能できる曲になって、観客の歓声も一段と高い。落ち着いた感じで椅子に腰掛けていたが、どんどんエキサイティングになっていくギタープレイと同時に両足がピンと宙に浮いていく。ギター1本でもエンターテイナーぶりが冴える。
「OH YEAH!!!」では、再びパーカッションとふたりで魅せ(この曲では、しっかりカズーも使っていた。なんだ、持っていたのか!)、ラスト「我愛你」で再び佐藤タイジをステージに呼び込んでセッション。「クラウド・ルー、最高だよ!」と満面の笑みを見せる佐藤との熱い抱擁で、明るくポップなステージを締めくくった。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎平野大輔
【クラウド・ルー@REALIZE STAGEセットリスト】
02. 早安,晨之美!
03. 慢靈魂(w/ 佐藤タイジ)
04. 魚仔
05. 100種生活
06. 別在我睡著的時候打電話給我(Jazz Ver.)
07. OH YEAH!!!
08. 我愛你(w/ 佐藤タイジ)
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
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