【メールインタビュー】SPIRAL DELUXE「エレクトロニック・ミュージックのシナリオに人間的な要素を復活させようというクリエイティブな提案なんだ」
Photo by Jacob Khrist
DJ/プロデューサーのジェフ・ミルズ率いるエレクトロニック・ジャズ・カルテット“SPIRAL DELUXE”が待望のデビュー・アルバムをリリースする。エレクトロニック・ミュージック界のパイオニア的存在が長年の構想を形にしたのがこのグループだ。ドラムマシンやパーカッションを担当するジェフ・ミルズに加え、バッファロー・ドーターの大野由美子(Moog Sync)、日野“JINO”賢二(B)、ジェラルド・ミッチェル(Key)が集結、文字通りのスーパー・グループとなった。
◆SPIRAL DELUXE画像、動画
◆ ◆ ◆
■即興演奏の面を探索するグループを
■作る必要性があると思った
──まず、SPIRAL DELUXEを結成した理由は?
ジェフ・ミルズ:エレクトロニック・ミュージックにおいて、即興演奏の面を探索するグループを作る必要性があるというのが、このストーリーの根幹だ。このジャンルの大部分はプログラミングやプリプロされた楽器とマシンをもとにしているが、僕はそれらプログラムと実際の楽器の演奏はもっと平衡すべきだと思ったんだ。僕の場合は、マシンの演奏だけどね。エレクトロニックやテクノ・ミュージックがプレイされているところでは、大抵、 “アーティスト・ソロ”がシナリオから欠如しており、そのため、オーディエンスはアーティストが自発的に創り出すところを見聞きする機会が減っている。
これについて真剣に向き合おうとすることがあまりにも少なく、今では一般的に“ソロ演奏はエレクトロニック・ミュージックとは結び付かない”と考えられている。それって事実じゃないと思うんだ。DJがミキサーのEQを変更・調整したり、ポーズしてリズムを作るのは、即興演奏という考えに傾いている一例だ。意図したり前もって準備していたのではない何かを作ろうとする。だから、SPIRAL DELUXEはできる限り最良の形で人間的な要素をシナリオに戻そうというクリエイティブな提案だ。自分たちの楽器を使い、テクノロジー以上に語れる方法を考えるようアピールすることだね。
──SPIRAL DELUXEとはどういうグループなのでしょうか?
ジェフ・ミルズ:SPIRAL DELUXEは、さまざまなバックグラウンドを持つミュージシャンの集団だ。その集団が一体となり、音楽における、ある種のアイディアに取り組もうと考案された。僕らのヒストリーや経験を用い、独自もしくは特別なものを発見するのが目的だ。だから、実際に集まることはこのコンセプト──ユニット、1つの声として一緒にプレイする相互作用──において重要な部分だ。
──バンド内でのあなたの役割は? どうやってコラボレーションしているのですか?
ジェフ・ミルズ:決断は民主的に下してる。このバンドのメンバーは4人だから、行き詰まったときは5人目がジャッジする。スタジオで一緒に作業しているときは、全員が先に進めようと同意するまで、あれこれやってみる。でも、いくつかの面では、SPIRAL DELUXEのコンセプトの基本方針からブレないように、僕が最終決断を下すときもある。セッションでは基本的に、解放的で気楽でリラックスしてる。僕らは全員、プロのミュージシャンで、自分が愛することをしている。だから、彼らと一緒にやるのはスーパー・クールだ。
──各メンバーはあなたから見て音楽的にどういう人物でしょうか?
ジェフ・ミルズ:ユミコ(大野由美子)は、しばしばカウンターバランスになる。いま起きていることを総合的に見られる人物だ。物静かで控えめで、彼女の考えと行動はより思慮深い。これは、グループにとってとても助かる。素晴らしいソリストで、猛スピードで創作しがちのジェラルド・ミッチェルとは対照的だ。彼女はミニモーグのエキスパートで、アクセントの点ではすごく特別だ。
ケンジ(日野賢二)は、このバンドにたくさんのエネルギーをもたらしている。とびきりのベース・プレイヤーだ! いつも新しいアイディアにオープンだし、いつも僕らに何かを見せる準備ができている。真にプロフェッショナルで、彼のコメントはとても重要で、僕らみんな、真摯に受け止めている。ニューヨーカーだから、話が上手い。もともとベース・プレイヤーのユミコとはお互いを特に理解し合っている。ケンジとジェラルドには特別な絆があり、素晴らしい友人同士で、それは作品の中でもわかる。
ジェラルド(・ミッチェル)は音楽の天才だ。これまでに僕が学んだのは、彼には基盤と領域をレイアウトしておくだけでいいってことだ。そこで彼は自分の好きなように探索する。彼と僕はデトロイトの出身で、同じ高校に通ってさえいたんだ。僕ら2人ともアンダーグラウンド・レジスタンス(UR)と関係があり、マイク・バンクスとコラボしてた。だから、僕らには何が“起きてる”かについて似たような認識がある。リズム時計も似ている。
とにかく3人全員が素晴らしいコラボレーターで、僕らはどこまで可能か、踏み出したばかりだと思う。
◆インタビュー(2)へ
DJ/プロデューサーのジェフ・ミルズ率いるエレクトロニック・ジャズ・カルテット“SPIRAL DELUXE”が待望のデビュー・アルバムをリリースする。エレクトロニック・ミュージック界のパイオニア的存在が長年の構想を形にしたのがこのグループだ。ドラムマシンやパーカッションを担当するジェフ・ミルズに加え、バッファロー・ドーターの大野由美子(Moog Sync)、日野“JINO”賢二(B)、ジェラルド・ミッチェル(Key)が集結、文字通りのスーパー・グループとなった。
◆SPIRAL DELUXE画像、動画
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■即興演奏の面を探索するグループを
■作る必要性があると思った
──まず、SPIRAL DELUXEを結成した理由は?
ジェフ・ミルズ:エレクトロニック・ミュージックにおいて、即興演奏の面を探索するグループを作る必要性があるというのが、このストーリーの根幹だ。このジャンルの大部分はプログラミングやプリプロされた楽器とマシンをもとにしているが、僕はそれらプログラムと実際の楽器の演奏はもっと平衡すべきだと思ったんだ。僕の場合は、マシンの演奏だけどね。エレクトロニックやテクノ・ミュージックがプレイされているところでは、大抵、 “アーティスト・ソロ”がシナリオから欠如しており、そのため、オーディエンスはアーティストが自発的に創り出すところを見聞きする機会が減っている。
これについて真剣に向き合おうとすることがあまりにも少なく、今では一般的に“ソロ演奏はエレクトロニック・ミュージックとは結び付かない”と考えられている。それって事実じゃないと思うんだ。DJがミキサーのEQを変更・調整したり、ポーズしてリズムを作るのは、即興演奏という考えに傾いている一例だ。意図したり前もって準備していたのではない何かを作ろうとする。だから、SPIRAL DELUXEはできる限り最良の形で人間的な要素をシナリオに戻そうというクリエイティブな提案だ。自分たちの楽器を使い、テクノロジー以上に語れる方法を考えるようアピールすることだね。
──SPIRAL DELUXEとはどういうグループなのでしょうか?
ジェフ・ミルズ:SPIRAL DELUXEは、さまざまなバックグラウンドを持つミュージシャンの集団だ。その集団が一体となり、音楽における、ある種のアイディアに取り組もうと考案された。僕らのヒストリーや経験を用い、独自もしくは特別なものを発見するのが目的だ。だから、実際に集まることはこのコンセプト──ユニット、1つの声として一緒にプレイする相互作用──において重要な部分だ。
──バンド内でのあなたの役割は? どうやってコラボレーションしているのですか?
ジェフ・ミルズ:決断は民主的に下してる。このバンドのメンバーは4人だから、行き詰まったときは5人目がジャッジする。スタジオで一緒に作業しているときは、全員が先に進めようと同意するまで、あれこれやってみる。でも、いくつかの面では、SPIRAL DELUXEのコンセプトの基本方針からブレないように、僕が最終決断を下すときもある。セッションでは基本的に、解放的で気楽でリラックスしてる。僕らは全員、プロのミュージシャンで、自分が愛することをしている。だから、彼らと一緒にやるのはスーパー・クールだ。
──各メンバーはあなたから見て音楽的にどういう人物でしょうか?
ジェフ・ミルズ:ユミコ(大野由美子)は、しばしばカウンターバランスになる。いま起きていることを総合的に見られる人物だ。物静かで控えめで、彼女の考えと行動はより思慮深い。これは、グループにとってとても助かる。素晴らしいソリストで、猛スピードで創作しがちのジェラルド・ミッチェルとは対照的だ。彼女はミニモーグのエキスパートで、アクセントの点ではすごく特別だ。
ケンジ(日野賢二)は、このバンドにたくさんのエネルギーをもたらしている。とびきりのベース・プレイヤーだ! いつも新しいアイディアにオープンだし、いつも僕らに何かを見せる準備ができている。真にプロフェッショナルで、彼のコメントはとても重要で、僕らみんな、真摯に受け止めている。ニューヨーカーだから、話が上手い。もともとベース・プレイヤーのユミコとはお互いを特に理解し合っている。ケンジとジェラルドには特別な絆があり、素晴らしい友人同士で、それは作品の中でもわかる。
ジェラルド(・ミッチェル)は音楽の天才だ。これまでに僕が学んだのは、彼には基盤と領域をレイアウトしておくだけでいいってことだ。そこで彼は自分の好きなように探索する。彼と僕はデトロイトの出身で、同じ高校に通ってさえいたんだ。僕ら2人ともアンダーグラウンド・レジスタンス(UR)と関係があり、マイク・バンクスとコラボしてた。だから、僕らには何が“起きてる”かについて似たような認識がある。リズム時計も似ている。
とにかく3人全員が素晴らしいコラボレーターで、僕らはどこまで可能か、踏み出したばかりだと思う。
◆インタビュー(2)へ
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