【ライヴレポート】sadsとの残された日々の幕開け
去る7月6日、東京・赤坂マイナビBLITZにて<FALLING>と銘打たれたsadsの新たなツアーが開幕を迎えた。6月下旬には突如、本年中をもっての活動休止を宣言。その報道はバンドの首謀者である清春自身も驚くほど世をざわつかせることになったが、今回のライヴはそれ以来初の単独公演にあたるものだ。
◆sad 画像
当日は開場/開演時刻に大幅な遅れが生じたものの、場内が暗転して待ち焦がれていた4人がステージ上に登場すると同時に、オーディエンスは溜め込んでいたエネルギーを一気に放出するかのごとく過熱状態に。過去19年に及ぶこのバンドの歴史のなかで生まれてきた定番的キラーチューンの数々はもちろんのこと、このツアーと同じく『FALLING』と銘打たれた待望のニュー・アルバムからの新曲も2曲ほど盛り込まれた刺激的ライヴ・パフォーマンスは、最初から最後までスピード感を落とさず、清春とメンバーたちは攻撃の手を緩めることがなかった。ここのところ<EVIL 77>と題された対バン・シリーズ公演(7月9日、代官山UNITでのミオヤマザキとの競演をもって全7公演を終了)での奇想天外な顔合わせも話題を呼んできた彼らだが、そうした際とは異なる殺気めいたもの、ヒリヒリするような手触りに、その場にいた誰もが酔わされたことだろう。
もちろん彼らのライヴは常に“本気”だ。が、その“本気”の次元が違うのである。そして、まるでロックンロールの本質とでもいうべきものを改めて身をもって体現してみせるかのような彼らのライヴのスリリングな熱さは、これから機会を重ねていくごとにエスカレートし続けていくことになるに違いない。また、7月21日の大阪公演当日からは前述の新作アルバム『FALLING』の会場限定販売が開始されることになるだけに、さらなる新曲群の登場により、ライヴ自体の風景にもさまざまに変化を遂げていくことになるのだろう。
残された日々は決して少なくはないが、これまでの19年からすれば、ごくわずかなものでしかない。その、限りある一瞬一瞬を、悔いの残らぬように、この稀有なロック・バンドと共有していきたいものである。
取材・文◎増田勇一
■<The reproduction 7th anniversary TOUR「FALLING」>
【chapter 1】
07月06日(金) 赤坂BLITZ
07月21日(土) 梅田CLUB QUATTRO
07月22日(日) 梅田CLUB QUATTRO
07月28日(土) 名古屋BOTTOMLINE
08月03日(金) HEAVEN'S ROCK さいたま
08月17日(金) 高崎club FLEEZ
08月23日(木) 柏PALOOZA
【chapter 2】
09月08日(土) 松本Sound hall a.C
09月09日(日) 富山MAIRO
09月27日(木) 京都FANJ
09月29日(土) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
10月05日(金) 水戸LIGHTHOUSE
10月12日(金) 浜松Live House窓枠
10月19日(金) HEAVEN’S ROCK熊谷
【chapter 3 TOKYO 7DAYS】
11月06日(火) 渋谷WWWX
11月14日(水) 新宿LOFT
11月15日(木) 新宿LOFT
11月20日(火) 代官山UNIT
11月21日(水) 代官山UNIT
11月27日(火) 下北沢GARDEN
11月30日(金) 品川Stellar Ball
■<The reproduction 7th anniversary「FALLING」-EVERLASTING TRUTHS->
09月29日(土) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
■NEW ALBUM『FALLING』
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