【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・ジグソウ、「<a-nation>にも<ルナフェス>にも出たい」
2018年2月に始動を発表したヴィジュアル系バンド、ジグソウ。8月15日に行われるBARKS主催イベント<千歌繚乱 vol.17>に出演が決定している。
“レトロホラーカーニバル”というコンセプトを掲げ、3月に無料音源を配布、4月にお披露目ワンマンライブを行う。現在は8カ月連続リリースを実施中と、始動してから精力的な活動を続けてる彼らだが、その素顔はまだあまり知られていない。今回BARKSでは彼らがどのような思いを抱いて活動しているのかに少しだけ迫ってみた。
◆ミュージックビデオ ほか
※本記事は8月15日(水)に池袋EDGEで開催される<千歌繚乱 vol.17>において、来場者限定で配布される「千歌繚乱 ARTIST BOOK」掲載のインタビューの一部を事前に公開するもの。「千歌繚乱 ARTIST BOOK」ではメンバーへの一問一答アンケートなど、より深い内容が掲載されている。
◆ ◆ ◆
──ジグソウはどんなバンドですか?(※ブキミ(Vo)は欠席)
マル(G):見世物小屋のような世界観のバンドです。
智依(B):僕たちはライブのことをSHOWって呼んでるんですけど、その言葉通り他のバンドより視覚にかなり訴えかけるようなバンドですね。
詩季(Dr):「これまでになかったな」という真新しさもありつつ、ちょっと古臭さもありつつ…その中間というか、そういうバンドです。
マル:僕が結構歌謡曲が好きで。
──でもリアルタイムに歌謡曲を聴いていた世代ではないですよね?
マル:小さいときから好きなわけじゃなくて、ここ2~3年で急に聴くようになったんですよね。で、自分はハマっているものをどんどん音にしちゃうタイプなんでそれをジグソウの曲にも取り入れていこうと。
──じゃあ最近の音楽にハマったらジグソウがそれになる可能性も…(笑)。
智依:EDMとか!?
マル:ダンスミュージックにハマったらダンスになるよ!…キツいね(笑)。
──智依さんの音楽的なルーツは?
智依:ルーツはパンクですね。ガチガチのハードコア・パンクです。
──わぁ!見た目の印象通り!
智依:ですよね(笑)。音楽にハマったきっかけは、セックス・ピストルズ。TSUTAYAに試聴として置いてあったCDを聴いてみて、「なんだ、このヘタクソ!」って思って、そこから。
──(笑)。なるほど、ちなみにベーシストとして尊敬している人はいますか?
智依:ベーシストとして尊敬しているのは、ポール・マッカートニーですね。ビートルズとセックス・ピストルズがルーツなんですけれど、セックス・ピストルズはバンドを始めるきっかけに。もともと僕は最初ベースボーカルやってたんですけど、「歌いながら弾けねえよ!」て思ってたときにビートルズを聴いたら「めっちゃ難しいことしてない?」って思って、「じゃあ、俺歌ってる場合じゃねえや」ってただのベースになりました。
──詩季さんは?
詩季:最初に音楽に触れたのは、兄貴の部屋にあったCDがきっかけかな。8センチのCDがあるじゃないですか。あれが大量にあって、その中に黒夢とかL’Arc~en~Cielとかがあって、小さいときからそういうのが身近にずっと流れていたんですよ。自分から音楽に触れにいったのはORANGE RANGEが一番最初ですね。基本的にはJ-POPです。
──今ジグソウにいるのが全然想像つかない感じですね(笑)。マルさんは、音楽を始めるきっかけになったアーティスはいますか?
マル:音楽をやろうってきっかけになったのは、GLAYです。GLAYを知ってギターを始めて、それでいつの間にかバンドを組んでいたんですよ。
智依:ヴィジュアル系というジャンルに来てからは、ヴィジュアル系もよく聴くようになりましたよ。ヴィジュアル系に来る前もパンクだけじゃなく、演歌のバックバンドとか、いろんなものを通ってきていますし。
──演歌のバックバンド!
智依:1週間か2週間ぐらいでやめちゃったんですけどね。周りのおじさんたちがうますぎて…。「5小節のソロ下さい」とか言われるんですよ、「5小節…?」ってなりますよね。
──(笑)。そんな経歴があったんですね。
智依:まぁそんな経験も、今は何ひとつ活きてないです。今はベース振り回しているだけなんで。
──こういうそれぞれのルーツや経験が合わさった上で「鋏」とか「とびおりくん」みたいなヴィジュアル系界隈でも独特な曲をやるって結構意外な感じがするんですけど、曲って誰が作っているんですか?
智依:メインはマルが原曲を持ってきて、ブキミと自分もたまに作ってます。
──ジグソウの曲のこだわりは?
マル:ダサくてもいいんで、とにかく耳に残る何かがあったらいいかなっていうのはあります。「とびおりくん」なんてダサいところしかないじゃないですか。
──でもすごい耳に残りますよね。一回聴いたら覚えちゃう。歌詞も独特ですしね。
マル:歌詞はブキミが書いてるんですけど、彼の説明によると「とびおりくん」は一見自殺する人の曲みたいに思えると思うけど歌詞を紐解くと実は結構前向きなことを歌っているらしいです。
智依:歌詞に「空に飛び降りる」「宙ぶらりん」とか、矛盾を含んだワードが出てきますが、ブキミの中ではちゃんと一本でつながっているんですよね。
マル:嫌いな自分を殺して新しく生きる、とかそんな感じだと思います。
──「鋏」はどういうイメージで作ったんですか?
マル:「鋏」は、原曲をブキミが持ってきていて。よく覚えていないんですけど“メチャクチャにしてやろう”みたいな気持ちがあって、グチャグチャした感じを出した曲です。
──でも、サビではノスタルジックな感じがあって。
マル:そうですね、サビはちゃんと耳に残るきれいなものであってほしいなっていう思いがあります。
──歌詞のストーリーは?
詩季:ブキミの説明、理解しようと思ったけどなんかよくわかんないんですよね。
──「とびおりくん」と「鋏」がいまのところ代表曲でしょうか。
智依:SHOWだとどの曲も作り上げ方がすごくて、なんなら「鋏」と「とびおりくん」が一番シンプルかもしれません。
──現在は8カ月連続リリース中なので、続々と新曲もできているんですよね。すべての曲タイトルも既に発表されていますが、それを見ただけではどんな曲か想像ができなくて…。
詩季:「少女TYPE[B]」とか聞くと、“ちょっと病んでる曲かな”って思うけど「オレンジ」って聞いたら“SMAPかな”みたいなね(笑)。確かにまとまりないんですけど、どれもジグソウとして一本筋が通っていると思います。
智依:全部聴けばジグソウの振り幅がなんとなくわかるかな、って感じです。
──8月8日には「痣。」、9月9日には「SEAMLESS SUICIDE」のリリースが予定されていますね。
マル:「痣。」は、原曲自体はジグソウが始動するだいぶ前から僕の中では完成していました。同じリフを繰り返したり、シンプルな構成なんですよ。でもギターリフはこだわりが強いので、それを感じてくれたらなぁって思います。
智依:この曲はほぼできあがってから聴いたんですけど、Windowsのピンボールってゲームみたいな音なんですよ(笑)。昔のゲーセンみたいな。ループが多いので、曲が上がってきたときにもう、ベースのフレーズこれしかないんじゃね?みたいな状態でほぼほぼいじってないです。ベース的なポイントは、バスドラムが1拍、2拍とオンタイムで入っているんで、そこにカチッと合わせるくらいです。
詩季:ドラムはキックの数が多くて。片足でやるには頑張らなきゃいけないし、でも両足でやっても遅すぎるしっていう微妙なテンポ感と戦いました。
──「痣。」はライブでいうとどんな立ち位置の曲になりそうでしょうか。
智依:多分ジグソウの曲の中で、一番静かな曲ですね。ただ、SHOWで魅せる際には竿隊の動きを完璧にあわせるのがテーマです。途中までまったく動かないんですけど、その体勢をキープするのがすごい辛いです。
マル:SHOW後半にこの曲が来るともうしんどいですよね。中腰の状態で動けないんで、「腰いてえ、腰いてえ」と思いながらやってます(笑)。
智依:3曲目とかにくると、結構汗をかいた状態で中腰でストップするから汗が真下にたれてくるんですよ、だからこの曲が終わった後、ステージの自分の足もとに水たまりができてて。その次の曲で激しい曲がきたりするとコケそうでコケそうで。
──ちなみに歌詞はどういうストーリーですか?
マル:これは、虐待をテーマにしたとブキミが言っていました。
マル:「SEAMLESS SUICIDE」って和訳すると絶え間ない自殺になりますが、ブキミによるとこの“自殺”は比喩らしいです。歌詞がどんなストーリーかとかは知りません。
智依:重いテーマの曲のが多いっちゃ多いけど、暗く聴こえるけど本当は明るいことを言っているときもありますね。ぱっと聞いた感じだと暗いです。
──「SEAMLESS SUICIDE」はどんな曲ですか?
マル:ジグソウの中では一番激しい曲にしようと思って。コーラスしながらギターを弾く曲なんですけど、すごい難しいんですよ。でもギターがちょっとうねっている感じとか、そういったところにこだわりました。あと、ただ激しいだけじゃなくて要所要所に遊び心というか、童謡っぽいけどちょっと音のずれたサウンドを入れたりして、“ただの暴れ曲じゃないよ”みたいな感じを作っています。
智依:早いのと展開が多いんですよね。ボーッとしてたらすぐ次の展開、次の展開っていうのがくるんで、せわしないです。ベースはほとんどギターとフレーズがユニゾンなんで、特にこだわりはないですね。むしろコーラスしながら弾くから“歌いづらいなこのフレーズ”って思ったとこで手を抜いてる(笑)。
詩季:ドラムもとにかく早いんで、それに負けないように「ウォーッ」っていう感じで(笑)。
──その後も来年1月まで毎月リリースが続きますが、ジグソウとして伝えたいメッセージはどのようなものなのでしょうか。
マル:テーマ云々というか、伝えたいことは多分一個もないと思うんですよ(笑)。でも、表現したいことはあるかもしれないです。
智依:何かを伝えたいから曲を作ってるんじゃなくて、“レトロホラーカーニバル”ってコンセプトに沿っているような気がします。
──SHOWもコンセプトに沿っててすごいみたいですしね。
智依:SHOWはまさに見世物小屋ですね。小道具もたくさん使うし、視覚的に楽しめます。説明することが多すぎてここでは語れないけど。
マル:ゲネの時点でしんどいです。体がバキバキ。今朝もゲネだったんですけど、終わってから腰が痛すぎて階段上がるとき中腰で上がってますもん。
──ゲネでそれって!
智依:ゲネもただ動きを確認するだけじゃなくて全体で俺とマルの動きが合っているかどうかというのを見るので、全力でやらないとだめなんですよ。ズレがあったらNG。ダンスみたいなもんです。
マル:ほかのメンバーに「次行こう」って急かされても、体が動かないよね。
──智依さんとマルさんが作りこんだステージングをしている間、ブキミさんは?
マル:カクカクしてる。人形のような動き。
智依:異色です。「その長尺、そんなことやるボーカルいる?」って思いますよ。
──<千歌繚乱 vol.17>のステージが楽しみです。
智依:多分ヴィジュアル系でここまでステージを作りこんでるバンドはいないと思うんで、期待しててください。
マル:個人的には10月14日の<ジグソウが贈る一足早いHALLOWEEN>ライブが楽しみです。
智依:目標ってなるとまた違うような気がするんですけど、こういうコンセプトでこんだけ詰めてやっていると、バンド以外のところでも呼ばれるんじゃないかなって思うんです。ひとつの芸術みたいなもんだから。バンドとかヴィジュアル系とか、そういうので枠を飛び出たいなって考えてます。
詩季:僕は明確な目標っていうのはなくて、着々と大きくなれればいいなって思います。
──すごい堅実! いつか立ちたいステージとかありますか?
マル:公民館?
詩季:それはちょっと(笑)。憧れてる場所ってのはないので、そのときそのとき、自分たちの器に合せた場所でSHOWを続けていきたいですね。
マル:<a-nation>とかね。
一同:(笑)。
マル:あ、あと<LUNATIC FEST>出たい。むしろ<LUNATIC FEST>開きたいです。
──それもう<LUNATIC FEST>じゃない…(笑)。とりあえず、<千歌繚乱vol.17>をよろしくお願いします。
マル:とにかく来てくれ。
智依:来てくれ。見てくれ。
詩季:来てくれ。見てくれ。楽しんでくれ、ですね!
取材・文◎服部容子(BARKS)
◆ ◆ ◆
ジグソウが出演する<千歌繚乱vol.17>、チケットは現在イープラス
にて発売中。
<千歌繚乱vol.17>
出演:ヴァージュ/CANIVAL/ギャロ/SAVAGE/ジグソウ/MORRIGAN
会場:池袋EDGE
料金:【一般チケット】3,800円 【当日券】4,000円 ※ドリンク代別途
【一般チケット】
7月9日(月)12:00~8月14日(火)
[イープラス]
チケット購入ページURL:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002263404P0030001
<ジグソウ8ヶ月連続会場限定音源発売記念ゾロ目2マンSHOW「ジグソウパズル-DAY OF SHOWING THE SAME NUMBER-」>
OPEN 18:00/START 18:30 ADV ¥3500/DAY ¥4000(D別
Aチケット→e+にて公演日の2か月前の10時より販売開始
Bチケット→当日券
バンド予約無し
2018年06月06日(水)東高円寺二万電圧
ジグソウパズルVol.1-少女TYPE[B]-
ジグソウvsモンストロ
会場限定音源「少女TYPE[B]」発売
2018年07月07日(土)池袋RUIDO K3
ジグソウパズルVol.2-ブリキのオモチャ-
ジグソウvsDatuRΛ
会場限定音源「ブリキのオモチャ」発売
2018年08月08日(水)池袋CYBER
ジグソウパズルVol.3-痣。-
ジグソウvsモルヒネ
会場限定音源「痣。」発売
2018年09月09日(土)新宿SAMURAI
ジグソウパズルVol.4-SEAMLESS SUICIDE-
ジグソウvsXXX
会場限定音源「SEAMLESS SUICIDE」発売
2018年10月10日(水)池袋EDGE
ジグソウパズルVol.5-オレンジ-
ジグソウvsXXX
会場限定音源「オレンジ」発売
2018年11月11日(日)SHINJUKU RUIDO K4
ジグソウパズルVol.6-無差別に降る雨は灰色-
ジグソウvsXXX
会場限定音源「無差別に降る雨は灰色」発売
2018年12月12日(水)高田馬場AREA
ジグソウパズルVol.7-「もういーかい?」「まーだだよ」-
ジグソウvsXXX
会場限定音源「「もういーかい?」「まーだだよ」」発売
2019年01月01日(火)都内某所
ジグソウパズルVol.8-GODLESS JUVENIL VEIN-
ジグソウvsXXX
会場限定音源「GODLESS JUVENIL VEIN」発売
1st Maxi Single「鋏」
【A type】CD+DVD ¥2000(tax in)
DISC1(CD)
1.鋏
2.とびおりくん
DISC2(DVD)
1.鋏-MUSIC CLIP-
2.making of 鋏 OFF SHOT
【B type】CD ONLY ¥1500(tax in)
DISC1(CD)
1.鋏
2.とびおりくん
3.近所のあの子
<千歌繚乱vol.18>
出演:EVERSSIC/Soanプロジェクトwith芥/ヘルタースケルター/The Benjamin/More
会場:渋谷REX
料金:【先行チケット】3,500円 【一般チケット】3,800円 【当日券】4,000円 ※ドリンク代別途
・チケット受付
【先行抽選受付】
7月13日(金)12:00~8月19日(日)16:00
チケット購入ページURL:[チケットデリ] http://ticket.deli-a.jp/
【一般先着受付】
8月20日(月)12:00~9月25日(火)
[イープラス]
チケット購入ページURL:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002265279P0030001
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