【詳細レポート】BAND-MAID、<宣告>ツアーファイナル「覚悟は伝わってますか?」
堂々と“世界征服”を宣言したBAND-MAID。最新アルバム『WORLD DOMINATION』をひっさげての東名阪ツアー<BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 2018【宣告】>のファイナル公演が4月13日に東京・ZEPP TOKYOにて開催された。
◆ライブ画像(全14枚)
平日にも関わらず、ZEPP TOKYOは身動きをとるのも難しそうなほど超満員。ステージセットは真紅のヴェルベットの幕にゴージャスなシャンデリアが配されたヨーロッパのお屋敷のよう。暗転すると天井のミラーボールが赤い光に照らされて妖しく反射し、会場に揺れるような歓声が轟いた。
メンバーが定位置につき、赤と青のレーザービームが飛び交い、オープニングは太いギターリフで始まるアルバムのタイトル曲と言ってもいいナンバー「DOMINATION」だ。その音圧、エネルギッシュな演奏に負けない彩姫のヴォーカル。5人の出す音、佇まいからBAND-MAIDの気合いが伝わってくる。
彩姫が「行けるか!? ZEPP!!」と叫び、AKANEのパワフルなドラム、MISAの攻撃的なベースラインからして圧巻な「PLAY」では場内にみんなが歌う太い声が響き渡った。続いて披露されたのは“自分自身のひとつを 強く思うまま 信じ抜け”と全力でエールを送る「Sprit!!」。疾走感たっぷりのサウンド、KANAMIの早弾きに大歓声が上がり、『WORLD DOMINATION』からのナンバーが矢継ぎ早に放たれていく。
そしてBAND-MAIDのお給仕に欠かせない定番曲「the non-fiction days」ではコール&レスポンスで大盛り上がり。小鳩ミクも前に出てハンドクラップでオーディエンスをさらに煽っていく。「モラトリアム」では一心不乱に演奏するメンバー、彩姫が前に出てひざまづいて歌う悩殺パフォーマンスも場内を沸かせた。ここまでノンストップ。小鳩が口を開いた。
「お帰りなさいませ。ご主人様、お嬢様。Zepp Tokyo ついについにやってまいりましたっぽ。名古屋、大阪、東京。<WORLD DOMINATION TOUR 2018>ツアー、ラストっぽ! 何とご主人様、お嬢様のおかげで本日、嬉しいことにソールドアウトっぽ! ようこそ! BAND-MAIDのお給仕に!」
そのかわいい口調に一瞬、場内はなごむものの、BAND-MAIDのお給仕はご主人様、お嬢様を休ませてはくれない。痛快なギターリフで始まる 「Alive-or-Dead」で再び攻めのモードに突入。彩姫が低いキーで歌うこの曲はキュートな声質の小鳩とのツインヴォーカルの違いが際立つナンバー。保証があるかなんて気にしていちゃ未来はないと鋭い言葉を投げつける。メタル魂が刺激される「Turn me on」ではAKANEの強力なバスドラ、スラップをキメるMISA、哀愁のギターソロを弾き倒すKANAMIと楽器陣の絡みも刺激的。彩姫が「かかってきなさい!」と煽り、無数の拳がフロアーに突き上げられた。そして初のフルアルバム『Just Bring it』収録曲の「Don't you tell ME」はのっけから彩姫と小鳩のダブルボーカルと疾走感のあるサウンドで盛り上げ、間奏では上手と下手で繰り広げられるKANAMIとMISAのギターソロとベースソロの応酬が! やがて2人がセンターへと移動し、向き合って剣をまじえるようなスリリングなバトルへ移行する展開で沸かせまくった。こういう場面を目の当たりにするとBAND-MAIDには“ガールズバンド”という形容が似合わないとすら思う。
マシンガンさながらのライブにいったんピリオドが打たれたのが10曲目の切ないミドルバラード「Daydreaming」だった。切々と歌う彩姫の姿にスポットが当たる照明からバンドサウンドへと移行する演出も印象的で、この名曲に大拍手。オムニバス映画『狂い華』の主題歌に起用された「One and only」を披露した後はステージがグリーンの照明に包まれた。オルゴールの音色が鳴り響く中、スタンバイしていたのは彩姫とKANAMI。
ここでは2017年のツアーでも披露されたアコースティックコーナーが再び。KANAMIがギターをつまびき、「Puzzle」が2人だけで披露された。彩姫のハスキーで情感のあるボーカルに時折絡むKANAMIのふんわりしたコーラスの組み合わせも新鮮だ。
「アコースティックやってほしいなっていうご主人様、お嬢様の声がけっこういっぱいあったので」と KANAMIが小さめの声でおっとりと話し始めるが歓声で時折かき消され、「私は彩姫のことが大好きなので一緒に」と言うものの「いいんだよ。そんなこと言わなくて」と彩姫にさえぎられ、「本当に今日ソールドアウトということでありがとうございます。たくさんの人に支えられてここまで来れてるなと思っていて」と感謝の言葉を伝えている途中でせっかちの彩姫に「はい。じゃあ、もう1曲やりますか」と言われ、場内からは笑いが。アコースティックセクションでは『WORLD DOMINATION』収録曲の「anemone」も披露された。
そしてライブはAKANEのパワフルなドラムにMISAのエッジの立ったベースとハードロック魂炸裂のKANAMIのギターが絡んでいく「DICE」から後半戦に突入。“賽は投げられた 不完全な現状も蹴散らせ”とメッセージするこの曲もBAND-MAIDの宣戦布告ナンバー。今年のエイプリルフールにバンド名を「BAND-MAIKO」に改名というジョークで驚かせた曲(「secret MAIKO lips」)の元曲「secret My lips」では KANAMIとMISAがドラム台に上って演奏するなどエキサイティングな場面が飛び出し、彩姫がフロアーにマイクを向けたBAND-MAID王道とも言える「CLANG」ではシンガロング。ミドルロックナンバー「FATE」では“HEY!”という掛け声がいっせいに上がり、場内の熱は上がる一方。 KANAMIのギターソロも若干ブルージーで、エンディングでは拍手と怒涛の歓声が会場に響きわたった。
駆け抜けていくようなライブの中でポイントとなったのはアコースティックコーナーと、本ツアー初披露のインストゥルメンタル。彩姫以外の4人で演奏されたのだが、各自のソロも盛りこまれたこの曲ではBAND-MAIDの実力を改めて証明することになった。
彩姫が登場し、「Carry on living」、イントロから“ウォーッ”という声が上がった初期ナンバー「alone」をはさみ、お給仕はいよいよ終盤戦に。
「さてさて、みなさん楽しんでますかっぽ?」感謝の言葉を述べた小鳩がフロアーを見て「“苦しいよ”って顔してる人がちょこっと見えるっぽ。みなさん三歩下がりましょう」と「一歩!」と号令をかけ、みんなに少しずつ後ろに下がってもらい、隣の人が苦しそうな顔をしていたら声をかけてほしいと呼びかけつつ、あらためて宣言した。
「今回、私たちの世界征服に向けた宣告をツアータイトルに持ってきていますが、どうですか? 私たちの覚悟は伝わってますか? 私たちは世界征服に向けて一歩、一歩、確実にみなさまと一緒に大きく大きくなっていきたいのでどうぞよろしくお願いしますっぽ。BAND-MAID、気づいたら今年で5年目になるんですっぽ」
最初は10人ぐらいしかいなかったお客さんが今では顔を覚えきれなくなってきたと微笑みながら、BAND-MAIDのライブ恒例のおまじないタイムに突入。「萌え萌え」「キュンキュン」のコール&レスポンスに「世界征服」のコールも加わり、今回から設けられた「お嬢様エリア」に呼びかけ、返ってきた声に「かわいいっ!」と悶え気味? 続いての小鳩のソロ曲では呼んでも誰も登場せず、仕方なくカラオケで歌うも途中で中断し、やがてメンバーが登場。バナナを食べながら出てきたAKANE、アンプの上に置かれた空になりかけたお酒を飲み干すMISAなど、あいかわらずの個性派揃い。そんな中、演奏された「Rock in me」はステージを照らす照明もカラフルでピースフルなムードに包まれた。
彩姫が再び戻ってスピード感たっぷりのハードロックナンバー「I can't live without you」が投下され、「you」へとアクセルを踏み込み、彩姫が「まだまだ声出していけますか!? そんなもんじゃないよな!?」と叫び、「FREEDOM」では上手で小鳩とKANAMIが向かい合ってプレイし、気づいたら彩姫がステージから降りて、フロアーのみんなに支えられながら歌うという驚きのハプニングも! BAND-MAIDの威力を見せつけた。興奮が止まらない中、「REAL EXISTENCE」を演奏し、ラストナンバーはキラーチューン「Choose me」。彩姫と小鳩が並ぶレアな場面も飛び出し、エンディングで小鳩はドラム台からジャンプ! 「バイバイ、くるっぽ!」と笑顔でステージを去った。
なお終演後には今後のスケジュールが発表された。ワールドツアー<WORLD TOUR「BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 2018【宣告】〜senkoku〜>ではメキシコ、ドイツ、フランス、イギリスで海外公演を開催し、5月25日にはスイスでのイベントに出演。“メイドの日”の主催イベントや結成5周年企画イベントを開催。3rdシングルを今夏リリースすることが明らかになった。世界に向けたBAND-MAIDの野望は止まることがない。
取材・文◎山本弘子
BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 2018【宣告】セットリスト@ZEPP TOKYO
2.Play
3.Spirit!!
4.the non-fiction days
5.モラトリアム
6.Alive-or-Dead
7.CROSS
8.Turn me on
9.Don't you tell ME
10.Daydreaming
11.One and only
12.Puzzle ※acoustic
13.anemone ※acoustic
14.DICE
15.secret My lips
16.CLANG
17.FATE
18.instrumental楽曲
19.Carry on living
20.Alone
21.Rock in me
22.I can't live without you.
23.you.
24.FREEDOM
25.REAL EXISTENCE
26.Choose me
BAND-MAID 新情報
2018年6月29日(金)@メキシコ
2018年11月@ドイツ・フランス・イギリス
他、今後追加発表予定
<︎BAND-MAID presents 【冥土乃日】>
2018年5月10日(木)東京・TSUTAYA O-WEST
開場 18:00 開演 19:00
出演:BAND-MAID、BiS、ベッド・イン
[先行抽選予約]
2018年4月13日(金)22:00〜
http://eplus.jp/band-maid0510/
<︎BAND-MAID 結成5周年企画イベント>
2018年7月に開催予定
※詳細は後日発表
3rd Single「(タイトル未定)」
2018年夏リリース
※詳細は後日発表
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