【インタビュー】DRADNATS、4年ぶりアルバム完成「やっと始まるなって感じがします」

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■落ち込んでる場合じゃないし、挑戦したい
■こういう歌詞は以前だったら書けなかった

──ハハハハ。前作の際もYAMAKENさんは作曲の虎だったと話してましたが、今回も?

YAMAKEN:そこは変わらずっすね(笑)。収録する候補になった曲は40曲ぐらいあったし。いい仕上がりだけど、今回はバランスを考えて外した曲もあったぐらい。オレ、曲を作るのめちゃくちゃ好きなんですよ。

──産みの苦しみで、欲求はあれど、曲作りと向き合えない人も多いと思いますが、そのあたりについては?

YAMAKEN:売れる曲を作れって言われたらキツいっすけど(笑)、DRADNATSの曲だったら無限にできますね。

KIKUO:オレらはそこを信頼してるから、持ってきたアイデアはより早く形にしたいって考えるんですよね。

▲KENTARO SASAMORI(Dr)

──今回、サウンドアプローチは様々ですけど、メロディーを活かして、とにかく歌を鳴らしてると思ったんです。

YAMAKEN:やっぱりメロディックパンクですからね。メロディーが良くないといけないと常に思ってるし。いちばんのこだわりはそこっすよ。メロディーは絶対に誰にも負けない。あと、KIKUOの声は独特なので、良くも悪くも合う曲、合わない曲が出てくるんです。だから、「Dance With Me」も当初は合わないかもと考えたりもして。ただ、やってみたらハマったし、そういう収穫もありましたね。こういったロックンロールナンバーもちゃんとDRADNATSとしてアウトプットできるんだなと。

──制作を進めてるとき、SASAMORIさんが意見を言いにくいようなことはなかったんですか?

YAMAKEN:そこに関しては、どう感じるのか知りたかったし、オレからガンガン聞いてました。

SASAMORI:言いやすいように引き出してくれたのもあって、思ったことは伝えられてたかなと思います。

──そこも柔軟に取り入れつつ。

YAMAKEN:そうっすね。その中で「なるほどな」ということもあり、「そりゃねえわ」というのもあり(一同笑)。

SASAMORI:それこそ、「頭おかしいでしょ?」とか言われたりもしましたね(笑)。


──でも、そうやって価値観をぶつけ合えるのがバンドですよね(笑)。また、ミュージックビデオが公開された「Get Me Back」についてはどうですか?

YAMAKEN:あの曲はSASAMORIが加入する前に作った曲なんですけど、モチーフがあって。My Chemical Romanceの「Welcome To The Black Parade」みたいな曲が欲しいと考えたんですよ。

──そう言われて比べてみても、全然違う仕上がりになりましたね(笑)。

YAMAKEN:結果、ギターのミュートの仕方ぐらいしかかぶってないですね(笑)。イメージとしては、ちょっと視点を変えて、メロディックパンクだとなかなか少ない、ミドルテンポで代名詞になる曲を作りたかったんです。

──そうなると、歌詞もそこを意識して?

KIKUO:そうでしたね。前作だと、かなり個人的なことというか、ちょっとヘイトだったり、暗いこともアリなぐらい攻めた歌詞を書いてて。

──かなり生々しい感情をぶつけてましたよね。

KIKUO:で、今回はその気持ちも残したまま、そういう歌詞もあるけど、もっと噛み砕いて伝わりやすいことも書こうと。なおかつ、お客さんが聴いたときに何となくわかるような単語を使ったり。「Get Me Back」はそういう尺度で挑戦したんです。

──「Get Me Back」は「Dance With Me」に続いてるのが歌詞としても繋がりがいいなと思ったんです。

YAMAKEN あ~、なるほど!

──「Dance With Me」は無骨なラブソング、「Get Me Back」も一見するとラブソングっぽいんですけど、その愛の対象がライヴハウスやバンドのように感じて、この流れが凄くしっくりきたんですよね。

KIKUO:あんまりこう、価値観を作りきらないで、想像してもらえる範囲で書くような意識はしたんですよ。


──加えて、折れることなく突き進む、バンドの芯になるメッセージが込められてるとも感じます。また、歌詞ですと「Mistake」も凄く気になって。“If you lose track of where you’re going you need to make the choice you will be regretting(道に迷ったら、後悔する方を選ぶんだ)”というフレーズなんですけど。

YAMAKEN:KIKUOっぽいですよね(笑)。

KIKUO:ハハハハ。

──例えば、あえて困難を選ぶ価値観って、歌詞でも結構あると思うんです。ただ、後悔を選ぶのは新鮮だなと。

KIKUO:前向きなイメージで書いてはいるんですよ。後悔したぐらいで落ち込んでる場合じゃないし、そんなことよりも挑戦したいというか。この4年間、自分自身の心境の変化もあって、そこで変わってきた価値観もあると思うんです。以前だったら、こういう歌詞は書けなかったかもしれないですね。

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