【インタビュー】DRADNATS、4年ぶりアルバム完成「やっと始まるなって感じがします」
■みんなの表情がガラッと変わったのは
■「Time To Go」でしたね
──そして、ファンからしても待望となる新作が完成しました。
KIKUO:やっとスタート地点に立ったみたいな感覚です。ライヴは結構やってたから、よくライヴに来てくれる人は(新生DRADNATSを)認識してくれてたと思うんですけど、やっぱり、今のメンバーによる作品とツアーがあって、それをやりきった上で知ってもらえるのかなと感じてたし。
──ようやく駆け出す準備が整ったような。
YAMAKEN:それはあるっすね、ホントに。それまで、オレも「今じゃない、今じゃない」ってじっとしてたんで(笑)。ガツガツやったところで、新曲や新作という戦える武器がないから、返り討ちに合うだけだと考えてましたからね。
▲YAMAKEN (B&CHO) |
YAMAKEN:曲数でいうと、半分ぐらいは(SASAMORIが)入ってから。もう半分は、前々から作ってたモノをアレンジし直した感じですかね。
──作品全体として、何かイメージしたモノはありましたか?
YAMAKEN:全体としてこういう作品にしたいというよりも、ひたすらに曲を作って作って、いい曲だけを選りすぐったみたいな形ですね。
KIKUO:ただ、SASAMORIがドラムになってから、YAMAKENはSASAMORIの良さを活かす、今だからこそチャレンジできる曲を作ってくるようになったんですよね。よりシンプルにすることも踏まえつつも、自然と新しい変化があったし、そこも良かったかなと。
──新しい形になって、イマジネーションが広がったところもあったんですね。
YAMAKEN:そこはめちゃくちゃありました。(SASAMORIが)メロディックパンクの“パンク”の部分にフォーカスを当てられるドラムなんですよ。2ビートだけでもカッコいいし、特に難しいコードを使わず、パワーコードでガシガシと押すみたいなのも成り立つ。そこは今までにはあんまりない部分だったりもして。だから、ベーシックな部分だけで勝負できるようにもなったのかなと感じました。
──培ってきた技術を駆使するよりも、シンプルにすっきりとしたモノの良さをそのまま活かすような。
YAMAKEN:今までは足す作業をしてたところもあったんですけど、今回は引く作業が多かったかもしれないですね。難しくしがちなところがあっても、そのままいこうとなったし、何ならコーラスすら無くてもいいかなみたいな。
──発売に先駆けてオフィシャルYouTubeチャンネルで公開されたドキュメンタリー動画の中でYAMAKENさんが「今までよりもバンドや音楽によりワガママになり、勉強としていろんな音楽も聴くようになった」と話す場面がありました。そういったところも影響していますか?
YAMAKEN:やっぱり、新しい音楽を知ったり、勉強して掘り下げていくと、名曲と言われるようなモノはめちゃくちゃシンプルなことが多くて。そういうところで、難しくしなくていいんだと改めて気づくというか。もちろん、シンプルでいい曲を書くのがいちばん難しいんですけど、そこに対してチャレンジすることは結構楽しかったですね。
──そういった制作の中で、メンバー3人のテンションがアガったような曲はありましたか?
KIKUO:制作の終盤でしたけど、ガラッとみんなの表情が変わったのは「Time To Go」でしたね。
──鮮烈な幕開けを告げる曲ですし、KIKUOさんの高らかな歌から始まるのも印象的でした。
YAMAKEN:1曲目が「Intro」なんですけど、それに続く2曲目としてセットでこの曲は作ったんです。ドラムが替わったのもあって、作品の始まりはドラムにしたいと考えて、「Intro」はドラムに続いて、ギターとベースが入ってくるようにして、そこがプツッと切れて、KIKUOの声から始まる「Time To Go」という流れ。そういったイメージがあったんですけど、それがしっかりハマったんです。
──描いたイメージ通りになったと。
YAMAKEN:ただ、最初に「Time To Go」がまとまったときは、今よりも難しい感じではあって。でも、もっとシンプルにしようとして、イントロを変えたり、ケツを切ったり。で、完成したときは「きたね!」みたいな。オレが作る曲って、全般的にエンディングテーマみたいな雰囲気が多いんですけど、この曲はめずらしく始まり感がある曲。ようやくレコーディングに臨めるなと感じた曲でもありました。
──個人的なところでもいいんですけど、他に感触が良かった曲というと?
SASAMORI:そういったところだと、「Dance With Me」かな~。
YAMAKEN:あれこそ、SASAMORIが入らなかったら、できなかった曲かもしれないですね。ちょっとロックというか、パンキッシュというか。
──新作の中でもかなり攻めたロックナンバーですよね。歌詞もラブソングなんでしょうけど、無骨なニュアンスが響きました。
KIKUO:歌詞に関してだと、僕自体がそこまでロックに詳しい人間じゃないのもあって、詳しい人もいれば、詳しくない人もいるというのを男女の関係で書いてみようと思ったんですよね。サウンド的にも今までにない感じだったし、歌詞も今までにないアプローチでやってみようかなと。
──実にDRADNATSらしいニュアンスで仕上がってると感じましたよ。
KIKUO:でも、3人で合わせていって、歌を入れてみて、“形になるんだな”とちょっと驚いたところもあったんです。あとは、他の曲もいろいろあるんですけど……YAMAKENが常に新しいアイデアをスタジオに持ってくるから、3人で仕上げてみて、仮で録ってみてをずっと繰り返してて。だから、ひたすら制作してたのもあるし、それぞれ感慨に浸る間もなかったような(笑)。
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