MR.BIGのビリー・シーン、パット・トーピーへの追悼コメント公開&トリビュート・ライブ決定

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MR.BIGのドラマー、パット・トーピーの死去(2月7日)を受け、メンバーのビリー・シーンが追悼コメントを発表した。

MR.BIGでパットと最強のリズム・セクションを組んできた彼が万感の思いを込めしたためた追悼の言葉の全文だ。この言葉を葬儀に出席できなかった彼に代わって、妻のエリザベッタが代読したという。これをビリーが日本のファンにも伝えてもらいたいということで、ここに公開する。


▲パット・トーピー

■ビリー・シーンよりパット・トーピーへ追悼の言葉

2018.02.26

みなさん、こんにちは。本日は参列できず、心が痛みます。本当に申し訳ありません。代わりに私の愛する妻が、今の私の心境をお伝えします。

みなさんと同じく、私もパットを失い大変なショックを受けています。昨年のツアーでは、彼のことを常に気にかけていました。なぜなら、毎晩ステージにあがるモチベーションとポジティヴなチャレンジ精神が、いつからか、彼にとって救いではなくなり始めたのではないかと懸念したからです。もちろんツアー自体は楽しかったのですが、何か変化が起きていると感じました。パットとも何度か膝を交え、現状について率直に話し合いました。そして言いました。もしツアーが困難だと感じたら、僕らはいつでもやめていいからね、まったく心配ないからね、と。実際ツアー・バスで寝ることは大変で、彼はいつもひどく疲れていました。でも彼はツアーを続けることに義務を感じ、そうやってチャレンジし続ける姿を見て、我々はもちろん、世界中の人々が勇気をもらいました。

しかし負担はあったのです。我々バンドにも大きくのしかかりました。パットほど強靱で、意志が強く、寛大で、やさしく、常に上をめざし、公私においてゴールに向かって確固たる姿勢で突き進む人が、我々の目前で、病気のせいで衰えていく。あまりの無力さに押し潰されそうでした。

パットとの付き合いは30年以上になります。その間、最も親しい音楽仲間でした。彼との友情は、私の人生において一番大切な物です。本当の兄弟より近かった。二人とも似たような青春時代を送ったことで、仕事の上でも、それ以上に、普通の友達として、多くのことを共感できました。そんな彼がいなくなるなんて、打ちのめされています。

今でもよく覚えています。パットがカレンという素晴らしい女性に出会った時のこと。そっと私に打ち明けました。「彼女しかいない!」まさにそうでした。彼女しかいないんです。そして父親になると知った時の、この上ない幸せな顔。献身的な夫、やさしい父親、真面目な人間、最高の友人。パットの右に出る者はいません。

我々はいつかこの悲しみを乗り越えるでしょう。落ち着くでしょう。こういう時はお互い思いやることが何より大事です。暗い中でも、みながパットへの愛とリスペクトを持ってひとつになれたとしたら、それはポジティヴな光です。世界中から寄せられた愛と追悼のメッセージには圧倒されました。が、当然です。パットにはそれだけの、いやそれ以上の価値があるからです。そして今、カレンとパトリックJr.に対して限りない愛と想いを捧げます。我々はいつでもそばにいます。

私はありがたいことに、これまで多くの人々と知り合い、一緒に働いてきましたが、パットは特に素晴らしい存在として記憶されるでしょう。我々の人生も、この地球上の多くの人生も、パットのおかげで心動かされ、力をもらいました。それはこれからも変わりません。永遠に。

カレン、パトリックJr.、パットのご家族、ご友人たち。神のご加護がありますように。

パット、絶対に忘れない、我が友よ! 大好きだ。寂しいよ。永遠に神の愛に守られますように。

また、5月23日(水)「Mr.Big & Friends Celebrate The Life Of Pat Torpey」と題したパット・トーピーのトリビュート・ライヴをカリフォルニア州AgouraのCannyon Clubで行うことが決定した。MR.BIGはもちろん、パットと共にMR.BIGで一緒に活動したリッチー・コッツェン、またパットと親しかった友人ミュージシャンたちが集い、彼を偲んだ演奏、ジャム・セッションを行う予定とのこと。
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