【座談会】サンズ・オブ・テキサス×HER NAME IN BLOOD「次は一緒にツアーやろうぜ」

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■全員がミュージシャン、パフォーマー、ソングライターとして
■ベターになった。もちろん人間としてもね(ニック)

──ところで、欧米のバンドはよく「ツアー中に曲を書いている」とか言うじゃないですか。HER NAME IN BLOODの場合もそういうことはするんですか?

MAKOTO:たまにツアー先のホテルで書いたりとかはしますね。

マイク:俺たちもツアー先で作ろうとはするけど、どちらかというとスタジオで一気に形にしていく感じかな。ジャムりながらね。レコーディングの2~3週間くらい前からスタジオにこもって、そこでアイデアをぶつけあって形にしていくんだ。正直、ツアーに出ていなくて家にいる時というのは、練習時間の確保が難しい。各々に家庭もあるから、なかなか集まれなかったりもするんだ。いわゆる普段の仕事というのもしてるしね。だからこそ5人が一緒であれる時には集中的に作業を進めていくんだ。

マーク:ギタリストたちがリフを持ってくる。そこに俺がメロディを載せていく。ジャムをしながらそれを発展させていく感じが多いかな。

MAKOTO:うちのバンドには、俺も含めてソングライターが3人いて。

マーク:それはいい。常に進行中で、次々に何かが生まれてくるわけだ。

MAKOTO:うん。しかも、それぞれが音楽的に違った影響を受けているので。

ニック:すごく納得できる話だ。実際そういう音をしてると思う。曲の多様さにもそれが現れてると思うよ。

マーク:いいことだと思う。それがユニークな音、他とは違う音、「この音はあのバンドだ!」と聴き分けられる音というのを確立させることになるんだからね。そういうものを持っているのは重要なことだ。そして俺たちにも実際、同じようなところがあると思う。

MAKOTO:あなた方の2枚目のアルバム(=『不屈の魂』)を聴いた時、一聴して進化を感じましたよ、スキル的にも。

ニック:そう思う? 嬉しいね。とにかくベターになりたいという想いしかなかったし、本当に進化・成長できていたんだとすれば、それは長いツアーで毎晩のようにプレイしてきたことの成果だと思う。全員がミュージシャンとして、パフォーマーとして、ソングライターとしてベターになった。もちろん人間としてもね。この2ndアルバムには、これまでの2年間の経験のすべてが反映されていると思う。それを進化と見てもらえるのは光栄なことだよ。どうもありがとう。



MAKOTO:それだけツアーをしているとおのずと成長できるはずですよね。そういう意味では、年がら年中ツアーして廻れるほど巨大な国というのが羨ましくもある。日本だとツアーを始めてもすぐに終わっちゃうから。

マーク:そうか、確かに。

マイク:アメリカを廻っていると、2ヵ月ぐらい家に帰れないなんてのはザラだからな。バックチェリーと一緒に廻った時もそうだった。足を延ばさなければならない場所がたくさんあるんだ。

MAKOTO:俺はそういうツアーの生活が好きなんで。IKEPYは筋トレがやりにくくなるんで嫌がることがあるけど。

IKEPY:ははは!

マーク:過去最長のツアーはどれくらい?

MAKOTO:前回ヨーロッパを廻った時がこれまででは最長かな。エスキモー・コールボーイというドイツのバンドと廻ったんだけど、1ヵ月ぐらいの間にドイツ、イギリス、スイス、オーストリア……確か8カ国を廻って。



MAKOTO:どの国も面白かったけど、俺は基本的にアメリカが好きなんで。アメリカの食事が好きだし。

ニック:だったらアメリカでも暮らせそうだな!

MAKOTO:将来的には自分たちでアメリカをツアーしたいなと思っていて。何ヵ月もアメリカを廻る時、いちばん心掛けるべきことというと?

マイク:もしも自分で運転して廻らなければならないようなツアーであるなら、運転する人間に、常に誰か他の人間が付き合うこと。横で絶えず話しかけてやるんだ。話し相手がいれば、ドライヴァーが眠気に襲われることもないからね。だから、運転するやつ以外にも、かならず最低1人は起きていなきゃいけない。

マーク:終演後、次の街まで夜通し運転しなきゃならないこともあるからな。

ニック:特に内陸のほうに行くと、街と街とがものすごく離れてるんだ。

マイク:だからライヴの後で8時間とか10時間にわたって移動しなければならなくなる。そこで〈運転担当とその相棒〉というチームをちゃんといくつか組んで、交代で臨めるようにしないといけない。俺は普段から遅くまで起きてる夜型人間なんで、深夜は俺が運転することが多いんだ。ただし、3時間以上は運転しないようにするけども。

MAKOTO:俺たちも日本で同じようにやってますよ。バンド内でシフトを組んで。

マイク:知り合いのバンドのなかには、運転担当が1人か2人しかいないという連中もいてね。ああいうのは危険だと思うな。

──ヴォーカリストとして長いツアー中に気を付けていることというと?

マーク:それは人によって違うだろうけども、俺の場合はツアーの道中を静かに過ごすことの大事さを学んできたよ。車中でぺちゃくちゃ喋り過ぎないこと。会話すら負担になる。やっぱり喉を休める時間を設けないとな。

IKEPY:俺もダメージが残ってる時は、あんまり喋らないようにしてますね。

マーク:小さなことだけど、とても大事だと思う。あとはやっぱり水分を充分に摂ることだよね。それは心掛けてるよ。


ニック:あと、正しい食事も大事。ステーキとかばかり食ってると疲れやすくなる。

MAKOTO:でも、こうして日本にいるとアメリカの食事が恋しくなったり?

マイク:そんなことはないな。日本での食事は何でも美味しいよ。これまで味わったことがないくらい美味しいものもあった。

マーク:この滞在中に是非、神戸ビーフも食べてみたいな(笑)。できればウェルダン過ぎないのが俺は好みなんだけど(笑)。

──マークはラーメンがお気に入りだそうですけど。

マーク:うん。昨夜の夕食もそうだったし、今朝は朝食にラーメンを食べた(笑)。日本のすべてを気に入ってるよ!

──さて、そろそろHER NAME IN BLOODの演奏開始時刻が迫ってきました。ここから先は、お互いのステージを楽しみましょう。

MAKOTO:最強のグルーヴを楽しみにしてますよ。リズム・セクションとしては特に。

IKEPY:ファンとして楽しみたいし、ライヴを観ることも勉強だと思うから、絶対に今夜のライヴからも何かを吸収したいと思う。

ニック:そういう姿勢って大事だよね。俺も常にそうあるよう努めているよ。常にどのバンドからも学ぶべきことがあるはずだ。

マイク:だから俺たちも何かを学ばせてもらうよ!

マーク:うん。そしてお互い、とことん楽しもうじゃないか!

取材・文◎増田 勇一
撮影◎Aki Fujita Taguchi

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サンズ・オブ・テキサス 2ndアルバム 『不屈の魂 | Forged By Fortitude』

・国内盤CD
2017年9月27日(水)発売

SICX-92 ¥2,200+税
※解説:伊藤政則/歌詞・対訳付き
※ボーナス・トラック収録
01. バイ・イン・トゥ・セル・アウト/Buy in to Sell Out
02. フィード・ザ・ニード/Feed The Need
03. ダウン・イン・ザ・トレンチェズ/Down in the Trenches
04. キャスト・イン・ストーン/Cast In Stone
05. ビニース・ザ・リヴァーベッド/Beneath the Riverbed
06. エクスペディション・トゥ・パーディション/Expedition to Perdition
07. ターニング・ザ・ページ/Turning the Page
08. ジェイデッド・アイズ/Jaded Eyes
09. ワスプ・ウーマン/Wasp Woman
10. フォージド・バイ・フォーティチュード/Forged By Fortitude
11. スラム・ウィズ・ザ・ライツ・オン/Slam With the Lights On
- 国内盤ボーナス・トラック -
12. ボール・アンド・チェイン/Ball And Chain (ソーシャル・ディストーションのカバー曲)

・配信(全12曲)
iTunes購入リンク:
https://itunes.apple.com/jp/album/id1259086752?app=itunes&ls=1


HER NAME IN BLOOD ニュー・アルバム『POWER』

2018年4月4日(水)発売

WPCL-12856 ¥2,600+税

HER NAME IN BLOOD リリース・ツアー<FULL POWER TOUR 2018>

2018年
5月4日(金・祝) 宮城・仙台MACANA (ゲスト有り)
5月10日(木) 愛知・名古屋club UPSET (ゲスト有り)
5月11日(金) 大阪・心斎橋THE THE LIVE HOUSE soma (ゲスト有り)
5月13日(日) 福岡・福岡Queblick (ゲスト有り)
5月17日(木) 東京・渋谷CLUB QUATTRO (ツアー・ファイナル・ワンマン)


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