【ライブレポート】<千歌繚乱vol.14>、ラッコら6バンドが繰り広げた本能のままのライブ
テクニカルなサウンドを聴かせてくれたのは、Sick.。しっとりとしたバラード「Misery.」、一転デスボイスが炸裂する「PhAntom.」と、初っ端からバンドの多様性を魅せつけてくる。複雑に構成された楽曲、各メンバーの演奏力の高さ、ピアノを担当する吏と詩季(Vo)の掛け合いなど、ほかのヴィジュアル系バンドにはない見どころがたくさんある。
「A.S.B.」ではウォールオブデスも起こり、フロアの熱はどんどん高まっていく。ラストは詩季「人は人それぞれ皮の中に潜んでいるものがあるとと思います、俺はそれをこう呼びたいと思います」の言葉で「Monster.」。ここでもサークルモッシュが生まれ盛り上がりが最高潮のままライブが終了した。なおSick.は今後メンバー編成ののち再始動へ向けてしばし休止。生まれ変わるSick.は、きっとこの日のライブとは違うものを見せてくれるのだろう。
◆【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・Sick.、「ここで止まるつもりはない」
いよいよ<千歌繚乱vol.14>も後半戦。トリ前を務めてくれたのは人気、実力ともにお墨付きのラッコだ。ライブも一曲目「色眼鏡 色彩皆無」からフロア全体がジャンプで揺れるほどの盛り上がり。続いての「幽囚谷のバッタ」もだが、どこかジャジーなサウンドにテンポの切り替えなどラッコの楽曲は一口で語れないおもしろさと魅力がある。
平一洋が「ついてこいよ、混ざりたかったらいつでも混ざって来いと」叫んで始まった「終焉詐欺」ではモッシュ、「Googly eyes」ではサークルモッシュと耳だけでなく体でも楽しませてくれる。そして最後は疾走感ある「数の原理」を経て、ラッコのキラーチューン「液体」。重く痛々しいメッセージが込められた楽曲だが、平一洋の心からの叫びが心地よい。MCで彼らが言っていた「押し付けていかなきゃこのシーン駄目だなって思います。ちょっとでも興味あるなら、勇気を出して踏み出せばすげえ楽しいはず」という言葉も、真理なのだと思う。
◆【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・ラッコ、「音楽は先生のようなもの」
そしてトリを飾ってくれたZERO MIND INFINITYは、圧倒的な演奏力と歌唱力で会場全体を魅了する。ヴィジュアル系シーンで長く活躍、実力を磨いてきたメンバーが揃っているだけに、どの楽曲も聴いていて本当に気持ちがいい。しかもパフォーマンスも派手で見た目にも楽しい。
特にJuri(Vo)の透明感がありつつ力強い歌声は必聴。壮大な広がりを感じさせる「Sky falls down」、華やかなイントロで始まる「PARADOX」などヴィジュアル系ファン以外にも刺さりそうな楽曲が披露されていく。メンバーは“楽曲はJuriの歌声を最大限に生かすことが永遠のテーマ”と語っているが、どのメロディもすんなり耳に入ってくるのはそれが理由だろうか。「PARADOX」ではモッシュ、「BE PROUD」ではタオルを振り回してファン全員で暴れ倒し、<千歌繚乱vol.14>を最高のテンションで締めくくってくれた。
◆【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・ZERO MIND INFINITY、良い音楽を世界に
なお、<千歌繚乱>では、会場でバンドのレアグッズが当たるくじ引き企画やライブ写真即売会などの企画も実施されており、演奏時間以外も楽しめる工夫が。今後も注目の若手ヴィジュアル系バンドを招いて開催されていく予定だ。次回開催日などは追ってBARKSでも告知する。
取材・文◎Yoko Hattori(BARKS)
セットリスト
1.お邪魔します
2.終日終わり
3.死因:被害妄想
4.食べたい
5.死因:無視
6.死因:暮らし
■未完成アリス
1.2次元ラヴァーズ
2.ストーキングジェシー
3.I Scream
4.良音
5.夢世界少女
■ハクビシン
1.幸せなら手を叩こう
2.Hope.
3.スキマニュアル
4.フレネミー右手の法則
5.表白-悪口-
■Sick.
1.Misery.
2.PhAntom.
3.Under.
4.A.S.B.
5.Monster.
■ラッコ
1.色眼鏡 色彩皆無
2.幽囚谷のバッタ
3.終焉詐欺
4.Googly eyes
5.数の原理
6.液体
■ZERO MIND INFINITY
1.Sky falls down
2.PARADOX
3.BE PROUD
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