【速レポ】<中津川ソーラー>吉田美奈子&森俊之にスタンディングオベーション
夕方の涼しい風がそよぐ、RESPECT STAGEに登場したのは黒の衣装で決めた吉田美奈子&森俊之。ピアノと歌という非常にシンプルなセットで魅せるステージとなる。「ふたりで、視覚的には寂しいですが、オーケストラが見えるように歌いたい」とMCをした吉田美奈子は、ひとつ前のLIVE FOR NIPPONに出演予定だったが、病気加療中のため出演キャンセルとなってしまった小坂忠氏のことに触れ、「忠さんはみなさんにお目にかかりたいと、頑張っています。今日わたしは忠さんのために歌わせていただくことも、お許しください」と、このステージから力を届けるようにパワフルな歌声を響かせた。
◆<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017> 画像
ロックフェスの常連と言える屈強なライヴバンドたちとともに、普段ロックフェスではなかなか観ることができないアーティストもラインナップされるのが、この<中津川SOLAR BUDOKAN>であり、幅広い年齢層の観客を集める理由でもある。RESPECT STAGEには老若男女が集い、思い思いにくつろいでいる。吉田美奈子は、そうした観客に向けて披露する曲や、曲のエピソードを紹介する。語り部としてソフトなタッチで曲の舞台を紹介し、エモーショナルな歌で描いていくドラマは、街の香りや喧騒までもリアルに肌に感じさせる。「BEAUTY」ではじまり、「最近、DJの方の間でブームになっていまして、昔の曲なのに本人は戸惑っているところもあります」とチャーミングに笑いながら「TOWN」や「COCO」を披露。ときにシアトリカルな森俊之のピアノとの掛け合いで、歌の物語や景色を見せていく。付かず離れずの間合いとでもいう、ふたりの絶妙な呼吸感が心地好い。
リズミカルに手拍子を交えハイボルテージで歌う「TEMPTATION」後には、思わずステージから「暑い!」という声が漏れ、観客も歓声をあげた。続いて、1973年にリリースされた細野晴臣の「終わりの季節」のカバーでは、しっとりとした哀愁感漂うボーカルと、ブルースハープが熱いアレンジ。空気が一段と濃くなったようなひと時を味わう曲たちだ。また、観客が歓喜に沸いたのが、次の曲だった。「わたしが、若い頃から思い描いてきたことなんですけど、今日は大瀧詠一さんを一緒に連れてきました」と言って、歌ったのは、大瀧詠一が詞曲・プロデュースし1976年に発表した「夢で逢えたら」だ。大きな歓声で曲を迎えた観客は、じっくりと味わい尽くすように歌に酔い、曲中の台詞に沸いた。「こうして大瀧さんとふたりで、イベントに出たかったという思いです」。その言葉は、切なくも、凛とした強さも滲む。
ラストは、最近の曲だという「幸せの境界線」、そして「すべての方の人生にいいことがありますように。社会に起こっていることを、見つめてくださいますように、「THE LIFE」という曲をお送りします」とふくよかなボーカルで人生の奥深さを表現する、圧巻のエンディングを迎えた。のんびりと座って堪能していた観客たちが、一斉にスタンディングオベーションとなった、美しく豊かな味わいのあるステージだった。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎岡村直昭
【吉田美奈子&森俊之@RESPECT STAGEセットリスト】
2.TOWN
3.COCO
4.TEMPTATION
5.終わりの季節
6.夢で逢えたら
7.幸福の境界線
8.THE LIFE
■番組情報
12月放送予定 [WOWOWプライム][無料]
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>
2017年9月24日(日)岐阜県 中津川公園内特設ステージ
▼9月23日(土)出演アーティスト
シアターブルック / ACIDMAN / THE BACK HORN / Base Ball Bear / the band apart / THE BAWDIES / Czecho No Republic / GRAPEVINE / the HIATUS / HY / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / Nulbarich / PANTA(頭脳警察) / TRICERATOPS / 吉田美奈子&森俊之 / Awesome City Club / SCOOBIE DO / LIVE FOR NIPPON [SOLAR BLUES (永井ホトケ隆・うつみようこ・KOTEZ) / NO GENERATION GAPS(うじきつよし・佐々木亮介) / 山﨑彩音] / フラワーカンパニーズ / bird / BURNOUT SYNDROMES / 吉川晃司 / 真心ブラザース / Dachambo / cro-magnon / MONSTER大陸 / TRI4TH
▼『Village Of illusion』
LIVE:森広隆 / 武藤昭平with ウエノコウジ / 渡辺シュンスケ
DJ:DJ Cartoon a.k.a YUJIN / DJ PAIPAI / DJ吉沢Dynamite.jp
Dance:Asami / 福(fuku) / MINAMI / NON-P / REIKA / salsabroso / sdl caravan / Sweet Rave×Team Eros / YU-KO
HUMANBEATBOX:HIRONA
▼9月24日(日)出演アーティスト
ザ・クロマニヨンズ / Caravan / 後藤正文&喜多建介(ASIAN KUNG-FU GENERATION) / THE GROOVERS / ハナレグミ / インディーズ電力 / NAMBA69 / NONA REEVES / NOTHING BUT THE FUNK feat.さかいゆう / Nothing’s Carved In Stone / ROTTENGRAFFTY / ストレイテナー / 10-FEET / ヤバイTシャツ屋さん / 04 Limited Sazabys / Leyona & 臼井ミトン / GACHI SOLAR SPECIAL [浜崎貴司×土岐麻子×奇妙礼太郎 with いまみちともたか] / クラムボン / a flood of circle / 片平里菜 / NakamuraEmi / 忘れらんねえよ / DJダイノジ / 東北ライブハウス大作戦ステージ [TOSHI-LOW / 細美武士 / Kj] / 仲井戸“CHABO”麗市 SOLAR JAM feat.佐藤タイジ,TOSHI-LOW / The SunPaulo / Yasei Collective / BimBamBoom / UQIYO / Omoinotake
▼チケット
全プレイガイドチケット販売中
●イープラス http://eplus.jp/ntsb17/
●楽天チケット http://ticket.rakuten.co.jp/
●サンデーチケットセンター http://www.sundayfolk.com/go/tsb17/
●チケットぴあ http://w.pia.jp/t/solarbudokan/ 入場券(Pコード:335-356)
●ローソンチケット http://l-tike.com/solarbudokan2017 入場券(Lコード:41527)
▼<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>公式アプリリリース
公式アプリでは、全アーティストの出演日程に加え、自分だけのマイタイムテーブルの作成、アーティストのライブ定番ソングや今後のツアー情報などをチェックすることができます。また、出演アーティストのコメント動画を配信スタート。
●アプリ名:「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017 app powered by LiveFans」
●提供開始日: 2017年7月7日(金)
●対応OS: iOS8.0以降、Android4.0以降
●価格:無料
●ダウンロード
iOS https://itunes.apple.com/jp/app/id1245513865?mt=8
Android https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.livefans.solar
【コメント配信アーティスト】
佐藤タイジ(シアターブルック)
荒井岳史(the band apart)
Nothing’s Carved In Stone
この記事の関連情報
【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>佐藤タイジ、「ここはオレが伝えたいことの真意がわかってくれそうな人が多そう」
G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭2024>、第一弾発表にHAWAIIAN6、Dragon Ash、ROTTENGRAFFTY、佐藤タイジなど14組
<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>、2024年の開催を断念「1年休ませてください」
【速レポ】<中津川ソーラー>奥田民生 Solar Session、レアでグダグダな充実共演「毎年、入口でやりましょう」
【速レポ】<中津川ソーラー>ストレイテナー、2DAYSの大トリは祝祭「ありがとう、待ってるよ。それまで元気で」
【速レポ】<中津川ソーラー>Original Love、愛とソウルで高みへ上り詰めたRESPECT STAGEクライマックス
【速レポ】<中津川ソーラー>シアターブルック w/ 河村隆一、「このフェスがやれて良かった!」
【速レポ】<中津川ソーラー>吉川晃司、強靱なバンドサウンドと最強のセットリストに大喝采「またね!」
【photo gallery】<中津川ソーラー>NONA REEVES