【インタビュー】Purple Stone、1stアルバム完成「現時点での最高。同時にまだいける感覚も生まれた」

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■『赤と青』を作ったことで
■今後が見えるライブになる

──ギターやベースのサウンド面での新たな試みもあったと思うのですが。

GAK:今年はじめに新しくドラゴンフライのボーダーの“666”というギターを買いまして、それが新曲やアルバムの制作に大きく作用しました。ピックアップも今までは2ハムバッカーだったけど、シングルコイルの音も欲しかったのでSSH(シングル+シングル+ハムバッカー)にしました。新曲ではほとんどそのギターを使っていますね。普通のギターよりもスケールが2㎝弱長いだけなのに、ギブソンスケールでは聴こえない倍音も聴こえるんですよ。すごくレンジが広いから、そんなにゲインを上げなくても迫力のある音がするし、ピッチが正確。ピッキングに対するレスポンスも速くて、すごく気に入っています。

──ギターアンプやエフェクター系は?

GAK:アンプに関しても以前はギターリグやフラクタルといった、いわゆるアンプシミュレーターを使っていたけど、新曲は全部ヒュース&ケトナーのトライアンプマークIIを使いました。これをヘッドにして、トゥーノーツのトーピドライブというキャビネットシミュレーターを使ってライン録りするんです。海外のメタル系アーティストがよく使っている手法で、めちゃくちゃ良い音で録れるんですよ。

──プレイ面やアプローチに関してはいかがでしょう?

GAK:ギターに関して言えば、再録曲は、当時やりたかったけど出来なかったこととか、今だから思いつくアプローチを意識しながら録り進めていきましたね。「Scar(Re-recording ver.)」は元々、2013年に会場限定で販売した曲で、その時はハムバッカーの音を左右に1本ずつ入れただけだったんですよ。それにギタリストとしてのスキルも低かったから、3連をタイトに弾くことを意識したけどボヤけた感じになってしまった。今回はハムバッカーとシングルコイルで録った音を1本にまとめて、それを左右に振っているんです。結果、シングルコイルでエッジの部分をちょっと補正することで、イメージしていた質感を出すことができました。あと、「デサバ」は和の感じもちょっと入っているけど、基本的にはPurple Stoneがよくやるキメだったり、リフのフレーズを詰め込んでいて。僕らの最新形であると同時に、これからを示唆するものになったかなと思います。

風麻:ベースは今まで通りツルッと。ただ細かく言うと、イコライジングに関して僕自身は170kHz辺りをもうちょっと上げたかったというのがあったんですね。その辺りを持ち上げるとベースサウンドがブ厚くなるけど、歌が若干聴きづらくなるので、CDは歌を聴かせるものだと思っているから、ローはカットしたんです。なので、iPodとかで聴く時に、その辺りの帯域をイコライジングで上げてもらうと、僕がイメージしていた音像で聴いてもらえます(笑)。プレイ的には結構いろんなことをしているけど、意味なく前に出たりすることはなく。全体的にベースは一歩引いた感じになっていますね。

──とはいえ、決して地味なベースではなくて。ファットなサウンドとグルーヴでバンドサウンドのボトムを支える魅力に溢れています。

風麻:僕はLUNA SEAのJさんみたいになりたいんですよ、“ベースがずっと下におるんや”という(笑)。でも、最初にカッコいいと思ったのはそういうところだから、高音域まで使って動き回るようなことはしたいと思わない。スラップが似合う場所があったらやろうとかなと思っていたけど、「ミラーボール」でギターがやってくれたし(笑)。その分、ロー感の迫力にはこだわりがあって。さっき話した170kHz辺りはライブで鳴らしているので、その重低音を体感してほしいです。

──9月15日にOSAKA MUSEで行うワンマンライブも必見といえますね。

keiya:アルバムリリース後の最初のワンマンということで、Purple Stoneの新しい魅力を味わってもらえるライブになると思う。あと、『赤と青』は冒頭に話したように、Purple Stoneを知らない人もこれを聴けばどういうバンドかが分かるアルバムになっているので、初めてPurple Stoneのライブを観る人はしっかり『赤と青』を聴いてきてもらえれば。ライブではCD以上に気持ちが乗って一層熱いものになるから、その熱さを持って帰ってもらって、家で聴く時もライブの感覚を呼び覚ましてほしいという気持ちがあるんです。だから、もう思い切り感情を入れてやろうと思っています。

GAK:大阪のライブは楽しみですね……そんな感じ(笑)。

──えっ? それだけ(笑)?

GAK:いや(笑)、バンドの意気込みとしてはkeiya君が言ったことが、3人に共通した想いとしてあると思います。個人的なところでは、今はライブでフラクタルのアンプシミュレーターを使っているんですけど、アルバム制作が一段落して、数日間家で機材をいじれる時間ができて。“この音をライブで使ったら面白いんじゃないか”とか、“音源には入っていないけど、こういうものを入れ込んだらまた違ったライブの景色になるんじゃないか”というようなものがいくつか出てきて。プレイ面でも音色面でも、まだ発見できることはあるので、それをワンマンで活かしたい。あとは、オケをどういう形にするかは分からないけど、「Imperial Dragon」を実現させたいと思っています。

風麻:僕らはずっと対バン形式のライブが多かったけど、最近はワンマンも増やしてきているんです。ワンマンはもう毎回全力でライブをしているので、お客さんも全力できてほしい。『赤と青』を作ったことで今までのPurple Stoneを総括すると同時に、今後が見えるライブになる気がするんですよね。そこも楽しみにしていてほしいです。

取材・文◎村上孝之



■1st Full Album『赤と青』

2017.8.23 Release
【A-type】CCR-031 ¥2,500(tax out)
1.パニックパニック!
2.BLAME (Re-recording ver.)
3.アオイヤミ
4.ミラーボール
5.Imperial Dragon (Instrumental)
6.回転木馬
7.sakura.
8.Scar (Re-recording ver.)
9.デサバ
10.キャットウォーク
11.素晴らしきこの世界へ

【B-type】CCR-032 ¥2,500(tax out)
1.ポイズンチョコレート
2.BLAME (Re-recording ver.)
3.デサバ
4.歌舞伎町バタフライ
5.Imperial Dragon (Instrumental)
6.sakura.
7.ミラーボール
8.Scar (Re-recording ver.)
9.嘘つきピエロ
10.甘酸っぱいマンゴー
11.アドレナリンBANG!

■LIVE情報

2017.08.26(SAT) 大阪・名村造船所跡地 <FEST FES 2017>
2017.08.28(MON) 神奈川・三浦海岸 <OTODAMA SEA STUDIO 2017 〜八月の末 2017〜>
2017.09.06(WED) 大阪・OSAKA MUSE <ニコびじゅ×音エモンライブ〜夏祭り?残暑を吹っ飛ばせ!〜>
2017.09.15(FRI) 大阪・OSAKA MUSE <Purple Stone 1st Full Album発売記念ライブ 〜赤と青〜>
2017.09.19(TUE) 大阪・shinsaibashi SUNHALL <shinsaibashi SUNHALL presents 「無料の宴 vol.1」>
2017.09.23(SAT) 大阪・OSAKA RUIDO <セプテンバーマッチ -Day2->
2017.12.15(FRI) 東京・新宿RUIDO K4 <bell+presents「Break Rush〜vol.23〜」>
2017.12.23(SAT) 大阪・OSAKA MUSE <stylish wave CIRCUIT '17 冬将軍>

◆Purple Stone オフィシャルサイト
◆Purple Stone オフィシャルYouTubeチャンネル

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